上腕上部と腋

上腕上部と腋

以前に他院にて脂肪吸引を受けているモニターさんです。 脂肪吸引を受けた当初は、腕が細くなったそうですが、3カ月後には再び太くなってきたそうです。問診上、その後は次第に再び元と同じような状態になってきたとのことでした。腕の周径は、計測上はそんなに太いわけではなく、しかも、皮下脂肪はあまりたくさんは存在していない状態でした。
では、なぜ、腕が太い状態になったままなのかと言う疑問が残ります。それは、中身の脂肪は十分になくなっているのですが、皮膚がそのままであるからです。皮膚が伸びた状態だと、腕の周囲がいくら小さくなっても、余った皮膚の垂れ下がりが、見かけ上、腕を太く見せてしまいます。例えて言うならば、細身の人が、ゆったりとしたブラウスを着た状態と同じ形になるのです。
そこで、こういった場合、オリエンタルアームリフトで皮膚を切り取るか、プラズマリポで皮膚を引き締めてやる必要があります。当然、オリエンタルアームリフトで皮膚を切り取ったほうが即効性があり、効果も大きいのですが、術後の生活制限があるため、患者さんの希望により、プラズマリポを施行しました。このモニターさんの場合、プラズマリポは皮膚の直下の層に施行し、範囲は二の腕の上のほうと、わきになります。

 

術前のデザイン

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術前

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術後2カ月

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術後4カ月

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4ヶ月目の写真が、他の写真と比較して、腕が大きく写っていますが、術後の時間が経過していくとともに、次第に皮膚の引き締まりが出て、腕が細くなっていくのが分かると思います。

脂肪吸引で皮膚の引き締めを狙う方法としては、Superficial lipoplasty (表層脂肪形成術)というテクニックがあります。これは、真皮の直下の脂肪を吸引することによって、吸引した脂肪層の修復過程で、皮膚が引っ張られて引き締まるというものです。1990年代に、イタリアのDr. Gasparottiによって、確立された方法です。プラズマリポが導入だれる前には、私もこの方法で手術を行っていました。しかし、この方法は、吸引する方向や、本当にむらのないように、極細の表層脂肪吸引用に特別なデザインを施したカニューレを使用する必要があります。また、手術時間もかなり長くなります。さらに、術後の回復過程において、内出血や腫れが大きくなるデメリットがあり、本当にこの方法に熟練していないと、悲惨な凸凹を作ってしまったり、皮膚が壊死に陥り、大きな穴があいてしまいます。実際に、アメリカや南米で、これらのトラブルが多発し、今ではあまり行われないテクニックとなってしまいました。当然、日本でこの方法を行える医師は、現在、まずいないと考えていいでしょう。
それに対して、プラズマリポの場合には、表層脂肪吸引(Superficial Lipoplasty)のように、皮膚の直下にカニューレを進めなくても、十分な皮膚の引き締め効果が獲得できます。

術前
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術後約2カ月
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術後約4カ月
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腕の太さとは、いったい、どういった状態なのかということを考えなくてはいけません。どういうことかと言うと、どの姿勢で、どの角度から見たときに、腕が細く見えるべきかと言うことです。こちらのモニターさんの場合でも、術前の計測では、腕はそんなに太くはありませんでした。しかも、脂肪自体は、以前の他院での脂肪吸引によって、非常に少なくなっています。では、どうして、腕の太さを気にして、受診に至ったかと言うことです。それは、腕を水平に挙げたときではなく、腕を下ろしたときに、むっくりと幅が出る状態を以て、「腕が太い」という表現をして、手術に至ったわけです。
こういった場合、いくら脂肪吸引で腕の脂肪を取り除いても、術後は再び不満足な効果しか得られません。やはり、オリエンタルアームリフトで腋から皮膚を切除するか、プラズマリポで皮膚を引き締めてやる必要があります。
写真は、左から順に、術前・術後2カ月・術後4カ月です。

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診療していると、時々、本当に脂肪が少ないにもかかわらず、腕を細くしたいという希望を仰る方がいます。こちらのモニターさんも、同様の希望で受診されました。しかし、細くしようにも、脂肪層が薄いため、脂肪吸引などで脂肪を取ることは、解決法にはなりません。しかし、よく見てみると、皮膚のたるみが、腕を横に下ろしたときに、腋の脂肪に押し出され、横に拡がっています。この、横幅と言うか、前から見たときには腕の奥行きとでも言うのでしょうか、が、腕を太く見せている原因なのです。
では、腕が太いのは、脂肪が原因なのか、皮膚のたるみが原因なのかを、自分で判断するにはどうしたらいいのでしょうか?一つ、簡単な方法を記載しておきます。もし、自分の腕が太いと思ったら、肩から腕までが出せる状態にして、鏡に対して横を向いてみてください。タンクトップや下着だけの状態が最適でしょう。そうすると、腕の外側が鏡の正面に映ります。それから、手を腰に当ててみてください。手を腰に当てたときに、鏡に映る自分の腕が太い場合には、脂肪がたっぷりと付いているために、腕が太いということができます。しかし、その状態で腕が細いなら、皮膚のたるみが原因で、腕が太くなっています。

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写真は、向かって左から、術前・術後2カ月・術後4カ月

サーマクールという、主に顔のたるみとりをする機械をご存知でしょうか?これは、高周波電流(RF)を皮膚の表面から流して、皮膚のコラーゲンに働きかけ、コラーゲンの再構築と収縮によって、皮膚を引き締め、たるみを改善させるものです。皮膚には電気抵抗があり、高周波電流を流すと熱が発生します。この熱が、コラーゲンの再構築と、収縮を発生させるのです。
プラズマリポでたるみが取れる作用は、このサーマクールの、熱によるコラーゲンの再構築・収縮と類似しています。プラズマリポは、原理的には脂肪をプラズマ光によって溶かすものですが、その際には多少の熱が発生します。そこで、このプラズマリポを、皮膚の直下に照射することで、皮膚にも熱が伝達され、サーマクールと同じように、コラーゲンの再構築と収縮が起こります。さらに、サーマクールは皮膚の表面からの照射ですが、プラズマリポは皮膚の裏からの照射になりますので、表面からの照射に比べて、皮膚の深層への熱伝達がより大きく、皮膚の引き締め効果も大きなものとなります。また、しっかりと麻酔を行ってからの照射ですので、照射時の痛みを感じることが無く、強力なパワーでの照射が可能になります。したがって、その、たるみを取る効果は、サーマクールなど、皮膚の表面からのエネルギー照射を行う機器を大きく上回ったものとなります。

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プラズマリポの場合でも、サーマクールの場合でも、たるみが取れるのに、最低でも術後3カ月は必要です。それは、コラーゲンが熱によって変性し、そして再配列と再構築が進行して、それが完了するのに6カ月かかるからです。つまり、6カ月のうち、半分の効果が出た時点で、たるみが取れてきたことが分かると言うわけです。
それに対して、脂肪が少なくなったことについては、術後1カ月ほどで徐々に分かってきます。1カ月の期間が必要なのは、ドレナージで溶けた脂肪を吸い出しているとはいえ、手術の刺激による腫れが退いてきたり、吸い出しきれなかった溶けた脂肪が吸収されるのに、時間が必要だからです。脂肪吸引の場合には、脂肪を溶かさずに、そのまま吸引してしまうため、溶けた脂肪が吸収されるのを待つ必要はなく、その分、効果が出るのが早いと言えます。脂肪吸引の場合には、早い場合は術後1週間、遅くとも術後2週間目には、効果がすこしづつ見えてきます。しかし、通常の脂肪吸引には、皮膚を縮める効果はありませんので、一時的にたるみが取れたように見えても、術後3カ月目くらいから、徐々に元に戻ってきてしまいます。

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先日、腕の太さの原因が、「タルミなのか?脂肪なのか?」ということを、分かりやすく見分ける方法を説明したところ、「タルミも脂肪も、両方あります。」という答えが返ってきた方がいました。その場合には、どうすればいいかと言うことですが、本当に理想の治療(最も効果のある治療)としては、脂肪吸引とプラズマリポを併用することです。
具体的には、どのようにするかと言うと、まず、深いところの脂肪を脂肪吸引します。脂肪が取れる量と言うのは、どうしても、脂肪吸引が一番多いのが現状です。特に、当院の極細カニューレでの脂肪吸引は、深層の脂肪から、表層近くの脂肪まで、しっかりとまんべんなく吸引できますので、一般的に行われている太いカニューレでの、深層だけの脂肪吸引とは違って、その表層の脂肪の分、多くの脂肪が取れるわけです。
次に、皮膚の直下にプラズマリポを照射します。この時にも、プラズマの働きで、皮膚の引き締め効果だけでなく、さらに脂肪が溶けた分、脂肪の体積が減少します。特に、当院で開発したプラズマリポ・ドレナージにより、更なる脂肪の減少が得られます。また、このプラズマリポ・ドレナージを行うことによって、術後の内出血や、圧迫期間の短縮も可能です。

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プラズマリポのたるみとり効果については、腕だけに限定した効果ではありません。たとえば、顔面に対して行うことも可能です。顔のたるみとりと言えば、手術ならフェイスリフト、手術じゃない方法なら、サーマクールなどが有名です。しかし、フェイスリフトは術後の回復期間が長いのと、傷が残らないと言うわけにはいきません。また、サーマクールは、軽度のたるみには有効ですが、中等度以上のたるみに対しては、大きな効果は望めません。それらに対して、プラズマリポは、フェイスリフトほどの術後回復期間を要することなく、傷も残らないばかりか、むしろ肌質改善といった、おまけも付いてきます。また、サーマクールと違って、中等度以上のたるみに対しても、有効性が高い方法です。具体的には、垂れ下がってしまった脂肪は、溶解して消滅させ、たるんで余った皮膚は縮め、伸びてしまったSMAS(表在性筋膜)やRetaining ligament(保持靭帯)は弾力性と強度を回復させることができます。つまり、プラズマリポは、サーマクールのような皮膚だけの治療ではなく、本格的なフェイスリフトのような、皮膚・皮下脂肪・筋膜・靭帯にまで及んだ、総合的なたるみとり治療であるにもかかわらず、傷を残さない方法なのです。

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