高生着率脂肪注入の、詳しい手術手順

1)脂肪吸引をするところに、麻酔をする。

麻酔の方法は、脂肪吸引で採取する脂肪の量、つまり注入する予定の脂肪の量によって決まります。 しかし、豊胸術の場合には顔面とは違って、比較的多くの脂肪を必要とするため、脂肪吸引の範囲もある程度の範囲を設定する必要があります。 そこで簡易な全身麻酔としての静脈麻酔を使って、眠っている間に硬膜外麻酔を施します。

2)脂肪を、針のような極細の吸引管で採取する。

当院オリジナルの極細吸引管(カニューレ)で採取することで、カニューレを挿入した跡は、 治癒してしまえば「ない」と言っても過言ではないほど、目立たなくなります。
また、極細のカニューレで脂肪吸引することで、採取された脂肪の粒が直後から非常に小さいものとなっています。 そのため、それらを加工して注入用の脂肪を作成する際にも、加工効率が良く、 注入後にも周囲のバストの組織から、注入された脂肪細胞や幹細胞などを含む成長細胞への栄養や酸素の供給が、 豊富に、かつスムースに行われます。これらのことは、注入した脂肪組織の生着率のUPに貢献します。

3)脂肪を注入するところに、印をつける。

バストの中の、どの部分に、どれくらいの量の、注入用として準備した脂肪を注射するかを、あらかじめ検討しておきます。 そして手術の前には、その計画に沿って、バストに印をつけていきます。 当然のことですが脂肪吸引に際しても、どこの部分から、どのような形を作ることを目的として、 どれくらいの量の脂肪を採取するかを、きちんと印をつけます。 基本的には、立った姿勢か、もしくは座った姿勢で、この印は付けていくことになります。

4)脂肪を注入するところに、麻酔をする。

脂肪注入を行うバストに麻酔をします。 大半の場合には、脂肪吸引を開始する前に、脂肪吸引用の硬膜外麻酔を行う際に、眠っている間に、 同時に麻酔用のカテーテルを挿入していますので、このカテーテルから麻酔薬を注入します。 注入する予定の脂肪が多くない場合には、局所麻酔で十分ですので、局所麻酔で行うこともあります。 
この場合には、一度、局所麻酔液で、脂肪注入によって膨らませたい部分を膨らませてみることもあります。 そうすることで、バストの中の部分ごとに、必要な注入用の脂肪の量を決定しなければならないケースがあるからです。 このように局所麻酔薬で膨らませてみるといった手法を採った場合には、麻酔薬がよく吸収されるように、 マッサージを行い、麻酔液による腫れをできるだけ取り去ります。

5)脂肪を注入する。

バストに加工した脂肪を注入します。その際、使用する針は、先端が丸いものを使用します。 これは、周辺の脂肪組織をできるだけ傷つけないようにするためです。 周辺の脂肪組織を傷つけないことで、血管やリンパ流などの、栄養と酸素を脂肪組織の中で細胞に運搬するシステムを保存し、生着率を高めます。 さらに注入する脂肪組織は、一つのかたまりが約0.1cc以下になるように、別々の深さ・位置に、できるだけバラバラになるように注入します。 これは、周囲の組織からの脂肪細胞への栄養の供給が豊富に、かつスムースに行われるようにするためです。こうして生着率を向上させ、しこりを残さない脂肪注入が可能になります。

6)帰宅

局所麻酔のみで処置を受けた方は、このあとすぐに帰宅できます。
脂肪を注入する際に硬膜外麻酔を使用した方は、約2時間の休憩の後、帰路につけます。