バストグロウ12回施行のうち10回目

細胞が分裂して、その数が増えて組織の体積が増加するには、その「足場」とも言うべきものが必要になります。

細胞が増殖する際に、足場の役割を果たすものを、細胞外マトリックスと言います。この細胞外マトリックスですが、もとはと言えばそれぞれの細胞の分泌物でもあります。細胞の分化・増殖能と言うのは、このマトリックスの影響を大きく受けることが知られています。細胞外マトリックスが十分に存在するところでは、細胞の分化・増殖能は存分に発揮されることになり、それがまたマトリックスの増加に繋がり、組織の増量が存分になされるということです。この事象は、外傷、特に熱傷の治療の際に応用されていて、皮膚の細胞外マトリックスや、もっとマトリックスとしての条件の良い膀胱上皮などが、アメリカなど欧米諸国において、治療用の創面被覆材として市販されています。また、薬局で処方箋なしで購入できる一般用の創面被覆材としても、人工の細胞外マトリックスがあります。この細胞外マトリックスの、組織の再生における重要性については、昔から存在する、あざなどの冷凍療法においては、単純に切除したり、レーザーで蒸散させたりする場合よりも、治癒した後の組織の欠損が少ないということからも、窺い知ることができます。つまり、低温で組織を凍らせると、細胞は死滅してしまうが、細胞外マトリックスは冷凍されるだけでその構造を保ち、周辺の組織内の幹細胞などの細胞の分化と増殖の足場になるということです。さらに、この細胞外マトリックスは、成長因子のプール、または貯蔵庫としても働き、細胞との栄養や酸素のやり取りと老廃物の運搬などを通して、細胞分裂・分化をコントロールする一つの要素であるとも言えます。