術後の経過・バストの変化

手術を行った箇所のうち、バストに関しては注入・注射のみですので、この手術の術後は非常に楽なものです。 腫れに関しても、約1週間あれば、ほぼ退いてくるでしょう。 内出血は、全く出ないと言えば嘘になりますが、出ても非常に軽度で、その軽度な内出血も、術後約2週間でほとんどなくなります。
当院では、手術翌日(術後1日目)の再診を推奨しています。 手術翌日の再診の際、脂肪吸引したところのヘビーな圧迫固定を外して、カニューレ(吸引管)の挿入口に、防水フィルムを貼るためです。 その時に、バストのほうも検診し、注入した時の針穴にも防水フィルムを貼って、針穴を防水します。 そうすることで、シャワーを全身、浴びてもらうことができるようになります。 大部分のケースでは、バストに対する防水は特に必要ないのですが、あくまでも念のために行います。 それは、豊胸のためにバストに脂肪は、術後早期のうちは十分な血流が再開されていませんので、細菌感染に対してとても弱く、中に細菌が繁殖しやすいからです。 この状態で注入された脂肪が細菌感染すると、その脂肪は激烈な炎症を起こし、豊胸目的で注入された脂肪は細菌によって溶かされ、「膿」が溜った状態になってしまいます。 そうなると、バストに小さな切開を加えて、膿を排出させ(排膿)、場合によってはドレーンの挿入と留置が必要になります。 せっかく注入した脂肪を、全て膿として排出させないといけないばかりか、石灰化を伴ったシコリを残してしまいます。 このような事態が起こらないように、当院では、手術の翌日に再診していただいて、念のために防水フィルムによる防水処置を受けていただいています。
術後1週間すれば、細菌感染の危険もほとんどなくなります。 その時点で、入浴に関しても、シャワーだけでなく、浴槽に浸かることができるようになります。 バストの腫れも、かなり退いている状態です。 ここからは、バストが、一度、小さくなってきます。 これは、注入した脂肪が、吸収されると言うよりも、細胞一つ一つが小さくなるためだと思われます。 この現象は、約1カ月から2カ月の間、続きます。 その後、もう一度細胞が大きくなってきて、バストの大きさが再び大きくなります。 大きくなるのは、術後6ヶ月間にわたって、徐々に大きくなり、その後、成長を停止します。 ここまでのバストの変化を、簡単に説明すると、たとえば以下のようになります。 

1)AカップからCカップになるように、脂肪の量を考えて、幹細胞とWPRPFを混合して、注入した。
2)術後すぐにはCカップになったが、術後1から2カ月で、Bカップになってしまった。
3)しかし、3カ月目には、再びCカップになった。

このような、術後3カ月目に再びバストの体積がおおきくなり、成長する脂肪注入は、幹細胞とWPRPFを併用する必要があります。 実際、私の経験上、通常の脂肪注入(コンデンスファット)では、2カ月で吸収が終了すると、それ以降、バストのサイズは 変わりません。 また、幹細胞+脂肪の注入では、吸収は少ないものの、2カ月目以降のバストの成長は見られませんでした。 以上から分かったことは、長期経過の中で、バストが再び大きくなるのは、WPRPFの作用であるということです。
ところで、このWPRPFですが、シワに用いるWPRPFとは、成長因子の混合濃度や粘チョウ度がまったく違います。 また、作用のさせ方が違います。 シワに使用する場合は、主に皮膚に対して作用させるわけですから、皮膚に作用しやすいように、粘チョウ度と成長因子の濃度を調整しています。 それに対して、バストの場合には、皮下脂肪に作用させるわけですから、シワに注射するのとは、全く異なったフォームをとるのです。