高生着率脂肪注入豊胸術で、体型のバランスを一気に整える 10

そこで、幹細胞の採取量=脂肪吸引量を減らすことができるように、少量の幹細胞を体外で培養して増やし、注入する脂肪に添加しようという試みがなされました。この試みは、いわゆる肌細胞注射などと宣伝されている、繊維芽細胞を培養して皮膚に注射する方法の脂肪バージョンと考えると分かりやすいと思います。

この場合の一番の問題点は、幹細胞の培養に時間がかかるということです。幹細胞採取のために脂肪吸引を行い、幹細胞を分離するのは1時間くらいで終了します。しかし、幹細胞を培養して、それなりの数にするためには、最低でも2~3週間の時間を必要とします。したがって脂肪吸引の手術は、幹細胞を採取するために1回、そして注入用の脂肪を採取するためにもう1回の、合計2回の脂肪吸引の手術を必要とする形になります。手術を2回に分けるということは、麻酔も2回かける形になり、また、脂肪吸引の術後の痛みや腫れなどの経過と、術後の生活制限も2回に及ぶということになります。これでは患者さんの負担が大きく、実用にはなかなか踏み出せるものではありません。また幹細胞の培養には、非常に高価な設備と薬剤が必要になります。そのため、治療費も大幅に高価なものになってしまいます。