エラの手術(角と幅)

小顔希望で受診された、20歳代前半のモニターさんです。顔が大きく見える原因は、エラの角(耳の下の部分)と、それよりも前方のあごの骨の横の部分の両方でした。手術は口腔内(口の中)から、全て行っています。

当院では、エラ取り手術は全て口腔内からの切開で行います。したがって、顔や首には切開を行いません。理由は、現在の医学では、傷を目立たなくすることはできても、全く消してしまうことは不可能だからです。
たしかに、口腔内からの手術は、口腔外(表面の皮膚)からの手術に比べて腫れが大きいのは事実です。しかし、手術による腫れは必ず消失します。それに比べて、傷は消えません。つまり、「腫れは一時、傷一生」なのです。
また、すぐに目的の骨の部分に到達できる口腔内切開よりも、皮膚・皮下脂肪・筋膜・筋肉と、幾層もの組織を分けてからでないと、骨に到達できない口腔外切開での手術のほうが、顔面神経麻痺で顔が歪んでしまうリスクが高いことも事実です。特にエラの部分は、顔面神経の第5枝が通る部分に相当します。顔面神経は、皮下脂肪の下の、浅層筋膜と筋肉の間を走っています。したがって、口腔外切開(表面の皮膚)から、この部分の筋膜と筋肉を切り分けていくのは、顔面神経第5枝を切断するリスクが高いのです。
それに比べて、口腔内切開の場合には、エラの部分に関しては、筋肉の下の骨膜の下から、骨にアプローチできますので、顔面神経に触れる可能性は、極めて低いと言えます。

こちらのモニターさんの手術方法は、エラの角を切除すると同時に前方まで骨の切除線を伸ばし、さらにアゴの外側を斜めに切除(外板切除)しました。エラの骨を直接、前方まで大きく切り取るのではなく、前方に外板切除という方法を用いるのは、エラ削りの手術では、切除する骨片が大きければ大きいほど、顎の骨自体の強度は低下するからです。あまりに骨の強度が低下すると、抜歯などの歯科処置にも支障を来たすことがあります。また、顎の骨には、下顎神経と言って、下顎骨の中の下顎神経管を通って、おとがい神経として、4番から5番の歯根付近で、下顎骨の外に出てくる神経があります。大きすぎる骨の切除は、この神経を切断するリスクが高くなり、顎から唇、さらに歯茎の感覚を失うことがあります。これらの副作用を避けるために、骨片の大きさよりも、その切除部分のデザインで、より大きな効果を出すように心がけ、その結果、エラの前方に対しては、外板切除を採用しています。