高生着率脂肪注入豊胸術で、豊胸とともに左右差も修正

20代前半のモニターさんです。幹細胞・WPRPF併用脂肪注入で、左右各200ml、合計で400mlの脂肪を注入しました。

生着率は100%近いものです。片胸につき、約180mlの乳房体積の増量が達成できています。つまり、180mlのバッグプロテーゼを挿入したのと同等の効果を獲得できたわけです。モニターさんの自己申告にすぎませんが、ブラのカップが2カップ、アップしたとのことです。
初診時によく訊かれることですが、「ブラのカップは何カップサイズアップしますか?」といった質問があります。その答えとしては残念ながら、正確には「わかりません」ということになります。それは、胸郭の形が人それぞれ違うこと、ブラのフィッティングが人それぞれ違うこと、そして何よりも、ブラジャーはメーカーやモデルによって、カップサイズの表記が一定していないことが原因です。また、これらの理由から、乳房の体積が大きくなれば、それに比例してブラジャーのカップサイズが大きくなるわけではないのです。

しかし、術後の状態としての、「およそ何カップサイズアップするか」ということ目安は答えることができます。ただし、同じメーカーの同じモデルのブラジャーに限っての話です。

胸郭の形の違いについては、豊胸術の経験症例数が多数になると、それによる予想の誤差がなくなってきます。また、ブラのフィッティングについては、必ず下着の専門店で、同じ店員さんにフィッティングしてもらうことを条件とします。このように、誤差を生じるバイアスを縮小させて考えていくと、およその目安ですが、何㏄の脂肪注入で何カップのサイズアップが可能なのかという予測が可能になってくるのです。
こちらのモニターさんの場合、アンダーバストが約72cmで、比較的胸郭が分厚いタイプの体型です。この場合、片胸につき約70mlの乳房体積の増量によって、ブラのサイズが1カップ増加すると予想されます。実際には、このモニターさんの場合、術前のカップがBでしたが、パッドを入れてのBジャストですから、パッドの体積は追加して注入しなければなりません。そこで、当院の幹細胞・WPRPF併用脂肪注入豊胸術の脂肪生着率が平均約90%ですので、2カップのサイズアップを目標として、片方200ml、両方で400mlの脂肪注入を行ったというわけです。
では、400mlの脂肪注入の場合、脂肪吸引で採取する脂肪は400mlでOKなのでしょうか?答えはNOです。

400mlの脂肪吸引と言うと、少しぽっちゃりした人なら下腹部だけ脂肪吸引すれば十分に賄える量です。しかしその量では、注入用の脂肪400mlは賄えません。実際には、その2~3倍の脂肪を採取する必要があります。
脂肪吸引で集めた脂肪は、その中にたくさんの薬液成分と死んでしまった脂肪細胞が含まれています。この薬液成分は、脂肪吸引をする前に脂肪組織に注入した血管収縮薬(止血剤)や中和剤を含んだ生理食塩水です。これを、ツメッセント液と言います。このツメッセント液は、安全性の高い脂肪吸引を行う際に必須のもので、上手な美容外科医ほど使用量を少なく絞ることができます。平均的な脂肪吸引を行う美容外科医で、吸引総量の2分の1を、この薬液成分が占めるとされています。そして、死んでしまったり、細胞としての寿命が短くなってしまった脂肪は、脂肪注入用としてはふさわしくない脂肪細胞です。これらの脂肪細胞は、吸引して採取した脂肪のうち、平均約20%を占めるとされています。そうすると、平均的な技術を持った美容外科医の脂肪吸引では、注入用の脂肪は吸引した脂肪の総量のうち、30%程度であるということができます。したがって、400mlの注入用の脂肪を確保するためには、約1200mlの脂肪吸引が必要と言うことになります。
さらに、幹細胞抽出用の脂肪も確保する必要があります。これまでの方法では、注入用脂肪と同じ量の幹細胞抽出用脂肪を採取する必要がありました。つまり、400mlの幹細胞併用脂肪注入を行おうとすると、約2400mlの脂肪吸引を行う必要があったのです。ちなみにこの量は、平均的な女性の体型では、膝周りを含む両太ももからヒップにかけてを、ぐるりと一周、脂肪吸引して獲得できる量です。

しかし、当院ではそこまでたくさんの範囲の脂肪吸引は不要です。まず、脂肪吸引の技術が全く違います。

南クリニック・オリジナルの極細カニューレを使用することと、手術を行うドクターの技術的優位性で、ツメッセント液の使用量を平均の半分以下に抑えることができるためです。また、極細カニューレは脂肪吸引時の細胞の劣化を抑えることもできるため、脂肪注入に不適として破棄される脂肪の量も半分以下になりました。同じように、幹細胞抽出用の脂肪の確保も、少ない吸引量で十分です。それは、WPRPFを併用することによって、幹細胞の増殖と脂肪細胞への分化が促進されるため、幹細胞抽出用の脂肪は、通常の半分以下の量で十分になったためです。こういった理由で、当院での400mlの幹細胞併用脂肪注入の際には、約1000mlの脂肪吸引で十分な脂肪を確保することができます。この量は、患者さんの体格にもよりますが、平均的な日本人女性の体格の場合、膝周りを含む両太ももからヒップにかけて一周しなくても、両方の太ももの内側と外側および膝の内側の脂肪吸引で十分に採取できる量であると言えます。

脂肪注入での豊胸術の場合、バッグを使用した手術とは異なり、術後の胸の痛みはほとんどないと言っていいでしょう。

術後2日目の針穴の消毒と脂肪吸引箇所の圧迫除去の後には全身のシャワーが許可され、その時点では胸に関してはほとんど痛みがありません。脂肪注入の後の経過を楽に過ごせるか否かは、脂肪を注入した胸ではなく、脂肪吸引した箇所の経過にかかっています。つまり、少ない箇所から丁寧に脂肪吸引を行った場合には、術後の痛みの範囲も強さも少なく、広い範囲で乱暴に行った脂肪吸引では、術後の痛みは、その範囲も強さも大きいということは、常識的に理解できると思います。まとめると、いかに楽な術後経過で術後を乗り切れるかということは、上手な脂肪吸引で無駄なく脂肪を使用することであるということです。