第17回国際美容医学会議 1

去る2015年10月15日から17日まで、欧州美容外科連盟会長で、10年来のイタリアの盟友、Dr. Ruben Oddeninoの推薦で、今回の学会長でミラノ大学教授の、Prof. ALBERTO MASSIRONE会長の招聘により、第17回国際美容医学会議に参加し、発表を行ってきました。正式には、17°Congresso Internazionale di Medicina Estetica dI agorà-aMIEst sociEtà itaLiana di mEdicina ad indirizzo EstEtico と、言います。ここで、Agoraと言うのが出てきますが、これは、古代ローマの賢人会議、今で言う、有識者懇談会みたいな意味です。
この学会は、手術やレーザー・注射などの外科的なものだけでなく、化粧品からダイエット、点滴・栄養療法までを含んだ、オールアバウトな学会。出席者や発表者はイタリア人医師が主体なのですが、フランス・スペイン・エジプトなどの地中海諸国と南米からの出席者が多く、所謂、ラテン語系の学会と言ってもいいでしょう。勿論、日本からの出席は私だけ。アジア諸国を入れても、出席は私一人だけでした。今回は、ミラノでの開催で、ミラノ大学が主幹事です。
 
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この地中海地方というのは、豊かな自然に囲まれて四季が存在し、比較的温暖な気候から、美容医学に関しては世界でも先進的な地方の一つで、英米や韓国などとは違ったアプローチで知られています。実際に、イタリアからは多くの美容機器・商材メーカーが誕生し、世界のマーケットに商品を出荷しています。DEKAというレーザー・メーカーや、BioAlcamidの製造元はイタリアの会社ですし、一世を風靡したカーボメッドもイタリアのメーカーです。また、地中海地方と言うことなら、キャンデラ・シネロンというレーザー・メーカーは、元々イスラエルの会社です。今はアラガンが販売しているジュビダームは、元々はフランスの会社のものです。脂肪吸引と脂肪注入は、フランスのDr. Pier FournierとイタリアのDr. Giorgio Fisherが世界で最初に始めました。そして水光注射の元になったメソセラピーも、発祥の地はフランス。そのメソセラピーから脂肪溶解注射を造り出したのは、スペインのドクターです。つまり、今現在、流行している、手術法を含めたいろいろな美容医学の技術は、地中海を中心にその起源を持ち、それが大西洋を渡って、南米で大胆な整形手術へと進化し、アメリカ合衆国で製品開発や改良がなされたと言うことが言えます。
そして最近の傾向として、イタリアでは形成外科医が主体となった学会は、それほど大きいモノは開催されず、このような総合的な美容医学会議が、地中海諸国の各大学での持ち回りで開催されることが多くなっているようです。そして、手術主体の学会も、国境や専門を跨いで開催されます。