第17回国際美容医学会議 11

ミラノ市街を、Porta Garibaldi駅前から東に延びる、チュニジア通りに面したところに、このレストランはある。名前をLa Quarta Carbonaiaと言う。Carbonaiaとは、これが名前についた店は、肉料理がメインの店と言うこと。予約して、とにかく行って、見ることに。

店のドアを開けて、最初に目に入ったのは、カウンターの奥の厨房。と、言うよりも、厨房がそのまま目に入る。そしてそこにいた中国人?と思しき男たちの集団。

「しまった。イタリア料理ではなく、もしかしたら、中華料理店を予約してしまったか?」

と、思ったのも束の間。奥からイタリア人カメリエーレのお兄ちゃんが出てきた。Prenota(予約)したお一人様である由伝えると、奥の席に案内された。どうやら、中国人的厨師を雇ってはいるが、フロアーはイタリア人のようだ。厨房内は清潔な感じがしたので、衛生面は問題なさそう。まずは、グラスワインを注文し、前菜から順にいただく。

前菜は、Antipasto della casa oggi(自家製本日の前菜)。ミラノに来てからちょっと野菜不足気味だと感じていたので、注文する時に、野菜の割合を多めに頼んだ。すると、出てきたのが・・・。

ちょっと大盛りすぎる。どう見ても、普通の前菜盛り合わせに、野菜をたくさん載せている。まあ、相手側の好意なのだろうからと考え、Grazieと言って、もりもりいただく。

 

すると、食べ終わったら、何も言わないのにおかわりが出てきた。これが通常の前菜盛り合わせのようだ。

やっぱり、最初に出てきたのは、この、通常の前菜盛り合わせに、野菜をモリモリと載せてきたのだ。まあ、せっかくのおかわりだから、これも完食。もりもり食べていると、隣の席には、日本人の二人組が案内されて着席した。会話の内容から、どうやら私のことを、日本人だと気づいていない様子。

次は、プリモ・ピアットで、ポルチーニのリゾット。
ポルチーニ茸と言えば、香り高き、イタリアの松茸と言ってもいい存在。そのリゾットなので、ポルチーニ茸の量は、米に対して、やはり松茸ご飯並みかと思いきや、ポルチーニ茸と米の量がほぼ同量!しかも、粉チーズかけ放題。この季節のイタリアでのポルチーニ茸のリゾットは、侮れないことがわかった。

 

次はメイン。牛肉のTagliata。

ごめんなさい。あまりにおいしそうで、写真撮る前に、真ん中の一枚を食べちゃいました。ミラノのTagliata(タリアータ)は、ローマなどと違って、薄切りのステーキ。ステーキというよりも、ミラノ風ローストビーフといった感じ。日本人にとっては、分厚いステーキよりも食べやすくて、とっつきやすいと思われる。

 

ワインで満腹中枢が麻痺していた私は、デザートではなくて、チーズの盛り合わせを注文した。真ん中の蜂蜜をつけていただくのだが、一切れの大きさが分厚くて大きい。日本だと、4人前はある。

そして〆に、いつものエスプレッソ。

ついてきたビスコッティは食べ放題。と言うか、食べきれない。グラッパを頼んだら、この写真のように、白ワインじゃないかと思うくらいに、大盛り。これはサービスするよと言ってくれた。

 

一服してから、会計を頼むと、50ユーロとのこと。メニューの単価からあらかじめ計算していた金額は、サービスのグラッパを除いても、70ユーロほど。イタリアでは、日本人観光客が、勘定をごまかされて高い金額を請求されたという話をよく聞くが、私の場合には、どう考えても安い金額を提示されている。「こりゃあ、カメリエーレのお兄ちゃんにチップをはずんでやろう」と思っていたが、クレジットカードの計算書には、チップの項目が無い。「チップはどうすりゃいいんだ?」と尋ねると、「チップはいらないよ」とのこと。サインして計算書を渡すときに、ポケットから10ユーロ札を出して、お兄ちゃんに「とっとけ」と言ってあげたら、大喜び。「一所懸命働いて、日本人に親切にしていれば、いいことがあるんだよ。」という趣旨なのだ。しかし、私は日本人だと思われていなかったかもしれない。隣の席の日本人2人組は、最後まで私を日本人とは認識していなかった。