第17回国際美容医学会議 2

さて今回は、10月13日の渋谷での診療を早めに切り上げて、お誘いを受けていた、あるパーティに顔を出してから、成田から出発。どういうパーティーかと言うと、ちょっと解像度は悪いけど、この写真のようなパーティー。スピーチしている人が誰か分かると、ちょっと外せない理由が分かると思う。
 
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フライトは10時だったので、8時になってから急いで会場のホテル前からタクシーに飛び乗り、車中で、スーツから移動のための服装に着替え、チェックインしてラウンジで休憩。でも、30分もしないうちに、すぐに搭乗案内のアナウンスが。動きは慌ただしい。
 
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今回はカタール航空を利用。ミラノは今、Expoが開催されていて、直行便の運賃が高い。どちらにしても乗り換えは必要で、欧州内で乗り換えるか、その他で乗り換えるかの差だけ。最短距離ならフィン・エアーでヘルシンキ乗り換えか、スカンジナビアでコペンハーゲン乗り換えだが、乗り継ぎ時間が長すぎる。ロシアのエアロ・フロートも選択肢だが、これは乗り換えに空港ターミナルの移動が大変そう。中国の航空会社は安くていいが、以前の中国訪問時に、乗り継ぎに向かない空港の不親切なつくりと、係員のこれまた仕事をする気の無い不親切さに頭に来ていたので、最初から選択肢にない。韓国系は、着陸失敗事故が多く、パイロットの技量に不安アリ。そこで中東の3社、エチハド・カタール・エミレーツに絞られた。それらの中で、出発時刻や乗り継ぎのことを考えて、カタール航空に決定。航空会社の評価サイトでも上位を確保しているにも関わらず、ビジネスクラスでも、直行便のエコノミーを買ってアップ・グレードするよりも、運賃が安かった。
 
カタール航空のビジネス・キャビン。2クラス編成なので、ファーストが無い。1.5thといった感じで、これまで乗った長距離路線のビジネス・クラスの中で、最も広くで設備も申し分ない。
 
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これなら、途中のドーハまで約11時間のフライトも、苦痛じゃなさそうだ。フルリクライニングで、長さ2mのベッドになる座席は、幅も広く、一昔前のファーストクラス並みらしい。因みに、この飛行機はB777。
 
機内食はいろいろと搭載していて、好きな時に好きなものを好きなだけ食べれる。勿論、和食もあり、オプションで寿司もある。イタリアに到着したら、和食は食べないだろうから、機内食は和食にする。
 
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機内食らしくコンパクトな造りではあるが、コメの味もちゃんとしていて、その他の味付けもしっかりとして、結構美味い。和食の機内食としては、かなりハイレベルだ。そりゃまあ、成田発だから、ケータリング会社は国内の会社なので、当然と言えば当然なのかもしれない。石油と天然ガスの出る、カタールと言う国はお金持ち。フラッグシップの機内食にもお金かけてくれてるんだろう。おなかがいっぱいになって、カタール航空自慢の長さ2mのベッドで、ぐっすりと眠りにつくことができた。
現地時間は早朝の4時。日本時間だと午前10時と言ったところ。飛行機はカタールのハマド国際空港に無事着陸し、ラウンジで約4時間半の乗り継ぎ時間を過ごす。
 
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ラウンジは広大だ。しかもどの席にも電源があり、空港内の情報を見ることができる端末が設置してある。席と席との間も、ゆったりと撮ってある、便利なラウンジ。
 
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眠っていて、機内食の朝食をパスしていたので、腹が減った。ラウンジ内には、無料の食事スペースがある。どうせラウンジの食事スペースだから、しょぼいサンドイッチくらいかなと思っていた。しかし・・・。
 
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パンの種類は6種、食事の内容は12種、他にデザートとしてのフルーツが数種と、ドリンクは5種ほど。私の好きな本格的なエスプレッソもある。ちょっとしたホテルの朝食バイキング並み。頼めば、具を選んで、フォカッチャでパニーニも作ってくれる。恐るべし、カタール。
そしてエスプレッソのお替りを持って、再びソファー席に。席の端末で、乗り換える便のゲートを確認しようとすると・・・。
 
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なんと、出発2時間前なのに、まだゲートが決まっていない。しかも、乗る便の前の便は、ゲートの変更だらけ。これは、目を離せない。そうこうしているうちに、夜が明けてきた。砂漠の中に忽然と現れる空港なので、日本のような、山や木立が近くに無く、しかも東側は一面の砂漠。「やうやう しろうなりゆく やまぎは」などではなく、あっという間に日差しが出た。
 
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カプチーノやエスプレッソを何杯も飲みつつ、時間調整。そうこうしているうちに、やっと端末にゲートの表示。出発1時間前のこと。しかも、既にGate openの表示。ゲートの位置を端末で確認すると、今いるラウンジからは、かなり遠い。構内表示をたよりに、とにかく速足でゲートに向かうも、めっちゃ遠い。途中、新しいラウンジを建設中の一区画があった。この空港は、まだまだ拡張を続けているようだ。ゲートに着いて、ホッとして手続きをしたのが、出発の40分前。沖止め。したがって、ゲートからはバスで機材まで移動になる。なるほど、だから、Gete openが早いのかと、妙に納得。
 
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無事に搭乗し、席に着き、ホッと一息。CAが飲み物を勧めてきたので、ビールを一杯ひっかけると、トイレに行きたくなり、ギャレーのほうに向かうと、トイレは後ろとのこと。カタールはイスラム教国なので、有職者の女性は少なく、CAも外国人ばかり。東欧諸国出身者が多かったようだが、最近は、どうやらアジア系が多いようだ。英語の発音からすると、どうも、中国人が多い。しっかりと教育はされているようで、中国のキャリアと違って、対応は悪くない。
 
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ドーハからミラノは、約6時間のフライトで、扱いとしては中距離路線のようだ。しかし、キャビンの装備は、JALやANAだと長距離路線並み。因みに機材はA300-200。早く全員そろったようで、予定の15分前に出発した。滑走路には前後に飛行機がいない。進入路から滑走路に入ると、すぐに離陸。これも、発着便が狭い空港でひしめき合う日本の空港では、ありえない。成田などは、滑走路への進入路で30分くらい停止して順番待ちしてるのが当たり前。それにしても、広い空港だ。
 
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上は、ドーハのハマド国際空港を飛び立って高度を上げていっている時の、窓からの写真。空港の周辺は砂漠。そして、ドーハの近代的な街が見え始めるが、少し内陸の郊外に行けば、砂漠の中に、ぽつぽつと緑の中に集落がある。下のほうのミラノの写真と、是非、比較してほしい。アラブ諸国はいわゆる部族社会と言われるが、それは、このような砂漠に囲まれた集落を中心とした生活圏が成立し、一歩集落の外に出ると、そこは常に生命の危険と隣り合わせだからだ。離島が集まった国と思うと、解りやすいかもしれない。
 
飛行機が上昇を終えたら、CAが朝食の注文を取りに来た。前菜は軽くフルーツ。メインはアラビア風の朝食を頼んだ。
 
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乾燥性気候で育ったフルーツは美味しかった。何せ、甘味だけでなく、味そのものが濃い。そしてアラビア風の朝食は、全体的に独特のスパイスで味付けされているが、辛くはない。酸味が巧く使ってあり、食欲を増進させる。これは、暑い国での、減退しがちな食欲を確保するための知恵なのだろう。
 
実は、一つ気になっていたことがある。それは、ドーハからミラノまでの航路のこと。最短距離で行けば、イラクの北部やシリアの上空を抜けることになるからだ。そこは今、紛争地帯上空で、民間機といえど、飛行は控える。民間機は軍用機と違って、民間機としてのコールサインを出しながら飛行するので、正規軍には狙われることは、滅多にない。しかし、マレーシア航空機がウクライナの上空で、親ロシア勢力の対空ミサイルで撃墜された事件は、記憶に新しいところだと思う。つまり、ゲリラ勢力には、このような国際法は通用しないのである。そして最近のゲリラは、このような対空ミサイルなどで重武装化している。ゲリラではない正規軍であっても、不慮の撃墜というのは、紛争地帯上空では発生する可能性がある。そして、シリアやイラク北部には、あの、ISISが支配している地域があるのだ。
 
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飛行航路はご覧の通り。米軍の空母を中心とした、軍用機が多数展開しているクウェートの上空は回避し、イランの上空をかすめ、クルディスタン(クルド人支配地域)を抜けてトルコ上空に。黒海には、先日、ロシアがシリアに向けて撃ったミサイル艇が展開している可能性があるので、その東側は回避している。
 
到着一時間前には、小腹がすいたので、チーズの盛り合わせをオーダー。
 
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気分はすっかりイタリア。
 
そうこうしているうちに、ミラノ・マルペンサ国際空港に着陸。周辺は緑に囲まれているのが、分かるだろうか。砂漠の中の集落ではなく、このような状態だと、集落と集落の間の移動がたやすく、中世に街を守るためには、周辺に城郭を築く必要があったということ。現在は、それら城郭や、それにしつらえられた門が、街の区画やインフラ整備の目安になっているばかりか、観光資源ともなっている。
カタール航空の、ライバル会社の機材を発見。
 
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現在の航空業界は、アジアの航空需要の増加とともに、欧州へのアジアからのアクセスの良さから、中東の航空会社が注目されている。特に湾岸3社と言われる、カタール・エミレーツ・エチハドの各航空会社は、世界中に航空便を飛ばし、お互いに、その基盤となる空港の、中東におけるハブの地位を確立するのと、航路におけるシェア獲得のために、サービスや利便性でしのぎを削っている。日本から南米のブラジルなどに飛ぶのも、米系の航空会社よりも安く、便利だとして評判がいい。
 
ところで、ミラノの空港でハプニング。スーツケース、やられてしまいました。
 
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このおけげで、バゲッジクレームの手続きに30分以上浪費。迎えに来てくれた、Dr. Ruben Oddeninoの弟子の、若いドクターを待たせてしまいました。