前回までのMIFASは1日だけのコースだったが、今回からは2日間のコースになっている。内容がそれだけ増えたというのもあるが、1日目に解剖実習のコースを入れたというのが大きい。私のほうとしても、手術を日常的に行う美容外科医として、実際の顔面解剖を、手術を教えるという立場で見直すというのも、新しい術式の開発にもつながるため、役に立つと思った。
マニラ到着後はまず、ホテルにチェックイン。City of Dreamsという、カジノとショッピングモールの施設に付属したホテルを用意してくれたのだが、ギャンブルをしない私にとっては、それらにはあまり魅力は感じない。ただし今回は、その付属した3つのホテルの中の、Nobu Hotelという、ロスで和食レストランを経営している有名なオーナーシェフ、松久信幸氏のプロデュースによるホテルだった。つまり、日本がテーマということ。なるほど、インテリアは落ち着いた色彩で、日本人の私から見ても、落ち着ける感じだった。
海外のホテルとしては珍しく、部屋にはウォシュレットとバスタブが付いていた。せっかくフィリピンに来たのだからと考える向きもあるかもしれないが、対象が日本人ビジネスマンで、海外での生活のほうが長かったりする人にとっては、ここに宿泊すれば落ち着けるかもしれない。さらに、外国人にとっては、日本に行かなくても手軽な和テイストのインスパイア・プレースとしての利用法がアリなのかもしれない。下は、部屋からの眺め。
さて、シャワーを浴びて一息入れたら、翌日の会場であるマニラ病院に。ここからはRoxas通りを少し北上すれば、すぐに到着する。夕刻には迎えの車がやってきて、ロビーでピックアップしてくれたのだが、Roxas通りは大渋滞。すると、迎えに来てくれたDr.は、覆面パトカーのように屋根に回転灯を装着。サイレンを鳴らし始めた。あっという間に渋滞を抜ける。こんなことして、本当にいいのかな?と、いつも思ってしまいます。以前など、空港に車3台で迎えに来てくれて、3台連ねてこれをやった時には、驚きと何故か私が罪悪感を感じてしまいました。病院に到着したのは既に夕刻近くで、学会準備と通常診療を並行して忙しく働いていた医局員たちも、皆集ってきて、温かい歓迎を受けてから、打ち合わせ。何せ解剖実習付きの学会セミナーは、皆初めてのこと。医局員やDr. Galvez、遺体を準備してもらった業者さんとともに、遺体の状態確認と、当日のスケジュールの確認と、多少のプログラム変更点を話し合う。それらが終了して、Dr. Galvezと医局のレジデントたちが、歓迎会を開いてくれた。宴会第一弾である。
会場はAristocratという、病院からすぐのところにあるレストラン。1936年創業で、来年で創業80年になる伝統的フィリピン料理の老舗。ここのフィリピン風チキン・バーベキューが、数あるメニューの中でもお勧めとのこと。
スペアリブなども一緒に注文し、宴会開始。フィリピン風のバーベキューソースは、少しフルーティーで甘めの照り焼きのような感じ。レジデントたちは、皆、まるで兄弟のような感じで、チームワークの良さそうな印象があり、大変おいしく、楽しくいただきました。