第58回日本形成外科学会総会

今年は4月8日から10日まで、京都で開催されました。若い時に時に住んでいた京都、でも、もう20年以上前の話で、駅の様子などはかなり変わっていました。
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私としては、形成外科学会自体は、美容外科への応用を目指す一つの基礎的なチャンネルと言うスタンスから、どうしても、偉い先生方たちと、偉そうな先生方たちの研究成果の上澄みを啜りに行く感じとなります。まず、事前に取り寄せたプログラム・抄録集を眺める。そして興味のある演題をチェックし、効率の良さそうな参加日時を決めます。美容外科のセッションは8日だったのですが、効果の割には当院で導入するには多額の投資が必要だったり、当院では既に2000年頃に始めて、今はもうやっていないことだったりと、あまり参考になる演題がなさそうでした。これは、演台の採択基準上、術後の観察期間が長く必要なためだと思われます。その点では、美容外科学会のほうが、わりと新しいものが発表されていて、診療に関しては直接の参考になります。そこで、今回の参加は9日の1日のみ。それでも、ある程度の参考になる収穫は得られました。
その中で、特に参考になったのは、ここ5,6年ほどのトピックスとして注目されている眼瞼下垂についての演題。腱膜性下垂については、ある程度、既に話題は出尽くして、それの追試のようなモノが多いが、今回は先天性眼瞼下垂についての演題が豊富。美容外科学会ではあまりお目にかかれない演題だった。今後の診療に役立つヒントが、たくさん獲得できたと思う。それから、もう一つはSRSについて。これは岡山大学が、全国的に見ても、センターを立ち上げて特に取り組みを行っている。FtoMの尿道形成については、その合併症の発生率と予防法が演題として出されていた。当院では独自の方法で乳房切除・乳頭縮小を同時施行しているが、性器については手掛けていない。だが、トータルに知識として獲得しておくことは、患者さんのためにも必要なこと。きちんとした知識の整理になりました。
あとは、業者さんのブースで立ち話。興味深いレーザーもあったものの、こればかりは高額な投資になるので、本当に効果の高いモノしか買ってはいけない。とにかく情報収集。理論と実際を確かめるまでは、何とも言えない。それらの中で、特に目を惹いたのが生体材料のコーナー。国内にまだ入っていない生体材料などは、興味がある。事前に調べておいた海外のメーカーの製品について、該当するブースで質問するも、通常の営業マンでは知識が無い。とにかく、文献と資料の提供をお願いしてきた。今年の夏までには、当院の再生医療的美容外科・整形技術に、改良が加えられる予定です。