4月から、今年の夏を目指して脂肪溶解注射を受けたモニターさんです。注射個所は、太ももの外側・内側・前面です。広さの合計は、10か所に及びます。もちろん、1回の処置の結果です。
脂肪溶解注射の利点の一つは、決して凸凹になったりしないことです。強力脂肪溶解注射なら、1回の処置でここまで効果が出せますので、下手な脂肪吸引を受けるよりも、ずっといいと思いますが、どうでしょう?しかも、このモニターさんの場合、かかった費用は、正価で計算しても、総額で脂肪吸引の半分以下です。
よく、ヒップを小さくしたいという要望を受けることがあります。その時に、まともにヒップに対して脂肪溶解注射や脂肪吸引をしてしまうと、本人は満足だけど、決して美しいヒップは形作られません。
それは、ヒップの大きさとは、ヒップの幅のことだからです。
どういうことかと言うと、ヒップの幅が小さいと、ヒップが小さく締って見えます。しかし、ヒップの、後ろへの張りだしを少なくしてしまうと、扁平な拡がったヒップを作ってしまうということです。そこで、太ももの外側に処置を加えると、ヒップの盛り上がりを保存したまま、小さく引き締まったヒップを作成できます。
しかし、ヒップ自体の体積が本当に大きな方もいます。その場合には、ヒップの外側と太ももの外側、そしてヒップの下の方を中心に処置を行います。
脂肪溶解注射は、体重を落とすものではないことは、お分かりだと思います。そして、強力脂肪溶解注射は、1日に10か所(10X10cmX10か所)の処置しかできません。
そこで、「太もも全体を細くしたい」という希望に対しては、太ももを細く見せるためのポイントを、攻略していくことになります。ポイントと言うより、優先順位と言うべきかもしれません。もちろん、患者さんの希望の部分が最優先にはなるのですが、「太もものどの部分を細くすれば、限られた予算や処置部分で、より、太ももを細くできるか」ということをアドバイスすることになります。こちらのモニターさんの場合は、術前には、全体的な傾向として、ヒップに近い、太ももの上の部分が特に太い印象がありましたので、太ももの外・内側・前といった部分を、集中的に処置しました。
太ももの脂肪溶解注射を希望する患者さんには、よく問診してみると、大きく2つのパターンに分かれます。「1)ひざ丈のスカートを穿いたときに、太ももが太いのが気になる」というパターンと、「ジーンズなどのタイトな洋服を合わせるときに、太ももで引っかかってしまう」というパターンです。そして、それぞれのパターンで、アドバイスする処置個所が違います。
まず、1)のパターンの、ひざ丈のスカートを穿いたときに、太ももが太いのが気になるという場合には、膝上・膝内側・太ももの前面の処置を受けるようにアドバイスします。なぜなら、そういった個所は、スカートの裾付近から、歩行時には見える場所だからです。逆に言うと、これらの部分が細ければ、太ももが細い印象を、見る人に与えることができるのです。特に、膝の内側には、筋肉がありませんので、いくら運動しても脂肪層の厚みを減少させられないところです。また、その部分こそが、ひざ部分の幅を決定していて、太ももの太さを太く見せている要素とも言えます。
2)のパターンの場合、太ももの一番太い部分を、後ろを残して、太ももの前面・内側・外側を中心にしたところに、脂肪溶解注射を受けるようにアドバイスします。
つまり、一番太くなっていて、洋服に引っかかるところを細くするわけです。太ももの後面を除いているのは、この部分の脂肪をなくすと、支えがなくなって、ヒップが垂れ下がってしまうからです。
しかし、逆に言うと、できるだけ太ももの太さを細くするためには、後面を含んで太ももを一周し、さらにヒップの下のほうの処置をうけたほうがいいということです。そうすれば、太ももは細くなり、ヒップも上昇した、理想に近いラインの実現に、一歩近づくことになるのです。
セルライトという言葉をご存じだと思います。でも、正確にその意味をご存知でしょうか?
「セル=Cell=細かく分かれた部屋」です。皮膚の表面から見ると、このように見えるものということ、つまり、皮膚が凸凹して、まるで粒々の部屋が集まった、蜂の巣のように見えると言うことです。
この、セルライトの直接の原因は、皮膚の直下に沈着した、膨張した脂肪組織です。脂肪の膨張が急速で、皮膚の下にあって、皮膚ともっと奥の組織をつなぐ繊維の成長が、それに追いつかない状態です。皮膚がその繊維によって、引っ張り込まれて、ぼこぼことした表面になっている状態が、セルライトです。
強力脂肪溶解注射は、セルライトに対しても、1回の処置で有効性があります。ただし、注射の仕方が異なります。サイズダウンを狙う場合は、脂肪層の中間層に注射しますが、セルライト改善を目的にする場合は、皮膚の直下に注射します。セルライト治療のためには、より、浅い層に注射するわけです。