E-リフト

E-リフトは、美容外科の革命とも言われる、全く新しい形のスレッドリフトです。

これまでのスレッドリフトは、糸そのものが周辺の組織を切っていき、たるみを支えてやる効果が消失していくものでした。特に吸収性の糸は、その効果が半年未満であるとの報告もあります。それに比べて、E-リフトの場合には、伸縮性のある糸を使用するため、周辺の組織を切っていくといったことがなく、たるみを長期にわたって支え、その効果も長期間に及ぶものです。

E-リフトでは、エラスティカム(Elasticum®)と言う糸を使います。この糸を使うことで、皮下組織を引き上げるために行っていた、広い範囲で剥離が必要ありません。このエラスティカム(Elasticum®)と言う糸は、皮下組織を切ってその中に入っていくことがなく、自然な靭帯(リガメント)として作用するようになっていきます。

エラスティカム(Elasticum®)に付属している針は、両端針のJanoニードルと言います、これを使えば、無切開または最小の切開で、皮下組織を引っ張っり支えることができます。顎の下のたるみなどは、耳朶の後ろに1㎝以内切の切開を置くのみで改善できます。首のリフト(ネック・リフト)も、5㎜程度の切開で可能です。

皮膚の余りが多い場合には、それを切り取るために切開創が必要なのですが、その場合でも、剥離範囲は、頬骨弓の範囲をほんの少し超える範囲で、十分な効果が得られます。

エラスティカム(Elasticum®)とそれに付属しているJanoニードルは、これらの他にも、バストやヒップなどにも応用できます。

E-リフトは、新しく組織を支える靭帯を挿入してやるというコンセプトですから、重力に抵抗して、下がった皮下組織を、たるみが出る前の、もとの位置に戻してやるということができます。皮下組織が元の位置に帰ることで、皮膚は重力で引っ張り伸ばされることがなくなり、次第に縮みも出てきて、自然に馴染んでいきます。従って、その最終結果は非常に自然なものであると言えます。

E-リフトで使う糸について

E-リフトでは、Elasticum® という糸を使用します。この糸は、周囲の組織を切ってその中に入っていくことがなく、長期にわたって、引き上げ効果を発揮します。材質は医療用のシリコンとポリエステルで、細いシリコンの糸を、編んだポリエステルが包んだ構造になっています。このシリコンの糸の材質や太さ、さらにそれを包んでいるポリエステル繊維の厚みや柔らかさは、周囲の組織を切らずに、長期の引き上げ効果を獲得するという目的に合致した設計になっています。

一例として、 Elasticum® の、シリコンを包んでいるポリエステル繊維は、結合組織の細胞がそこに集まって、効果をより強固にする働きをするように設計さています。

そして Elasticum® 全体では、皮下組織同様の柔らかさで作成されており、皮下に触れにくくなってます。

手術手技上では、 Elasticum® は Jano needle® で挿入することで、引き上げが必要な個所を、正確に引き上げることが容易になります。また Jano needle® は、組織への刺激が少ない設計になっています。このように、 Elasticum® と the Jano needle® を使うことで、手術室ではなく処置室で、本格的なフェイスリフトが可能になっています。またElasticum® は、場合によっては、従来の外科針に付けて使うこともでき、広い応用範囲の下で、外傷や疾病の治療にも用いられています。

Elasticum® の特徴が、組織を切っていって、その中に入っていかないように作られているのは、前述したとおりです。さらに、 皮膚や皮下組織の血行を阻害し、回復を遅くするような剥離操作を、Jano needle® を使用することで、なくすことができます。事実上、 Elasticum® が本来の靭帯になっていくことで、その効果は永久であると言えます。

Elasticum® がなぜ、組織を切っていって中に入って行ってしまわないかというと、以下のようないくつかの理由があります。

  • 糸の伸縮性:Elasticum® は、顔面や体の動きとともに、伸び縮みしつつ、組織の下垂を支え、引き上げます。だから、組織を切らないということが言えます。
  • 直径:通常の、細い滑らかな糸は、容易に組織を切って、中に入って行ってしまいます。しかし、 Elasticum® は太くないながらも、表面は完全に滑らかな糸ではありません。表面が滑らかでないながらも、その硬さが皮下組織と同じように作られているため、皮膚の表面から触れることもありません。
  • 靭帯(リガメント)への変化:Elasticum® は、周辺に結合組織細胞の増殖を促します。その後、約3週間で、糸は周辺組織と同化し、さらに同化のプロセスは、2~3ヶ月続いて終了します。

これらの現象の利点としては

  • Elasticum® の周りの、線維芽細胞細胞の集積をはじめとした、線維性の組織反応は、炎症反応を伴わず、組織親和性に優れているということ。このことは、小さな骨欠損に対しても、インプラントとして使用可能であるということ。
  • 手術室ではなく、処置室で処置可能な、シンプルな手技、かつ、自然な仕上がりは、術者・患者、ともに有利な点であるということ。
  • ほとんどの場合、数ミリの切開で処置が行えるということ。これは、切開と言うよりも、むしろ、穴開けと言ってもいいレベルであるということ。

と、言えます。

Evaluation of Elastic Lift for Facial Rejuvenation
Aesthetic Plastic Surgery VOLUME 22. NUMBER 1. FEBRUARY 2016
より抜粋

E-リフトのQ&A

Q:どんな患者さんが、無切開で手術できるんですか?

A:次にあげるような患者さんは、無切開でE-リフトを行えます。

  • たるみの程度は中等度までで、切開を伴うフェイスリフト手術をしても、皮膚をあまりたくさん切り取れない患者さん。
  • 顔の輪郭改善を目的とする患者さん。
  • 長い回復期間が取れなくて、その代わりに、大きなたるみ取りの効果は必要としていない患者さん。
  • たるみの予防を主目的と考えている患者さん。

 

Q:顔面の左右差は改善できますか?

A:勿論、顔面のたるみに左右差のある方は、E-リフトで改善できます。ただし、皮下組織の量に左右差がある場合には、脂肪注入を組み合わせることが必要になります。

 

Q:こめかみの、糸の結び目が飛び出してくることはないですか?

A:100%ないということはないと思いますが、非常に稀であるということができます。E-リフトで使用する糸は、柔らかくて弾力性が豊富なので、結び目が小さく、皮膚の表面から触れるということも稀です。術者は、そういったことも考慮して、結び目を穴の深いところに設置しますので、まず、飛び出すということはないでしょう。

 

Q:既に切開を伴うフェイスリフトを受けている場合、E-リフトを行うことはできますか?

A:可能です。その際に、皮膚の切開が必要かどうかは、その患者さんの状態と希望によって、変わってきます。勿論、切開が不要なことが多いと言うことができます。

 

Q:引き上げ効果は、どれくらい持続しますか?

A:引き上げ効果そのものは永久的に持続します。しかし、たるみは加齢によって発生しますので、術後の完成状態が永久に続くわけではありません。完成状態から1年に1歳分づつの、たるみが発生します。つまり、E-リフトで10歳分のたるみが取れたとすれば、10年後には、術前と同じような たるみが発生していることになります。しかし、E-リフトを行っていない場合には、たるみは10年分、加重されているということです。