再生医療についての感想 5

全身的に若くする方法としては、代表的なものに、ホルモン補充療法があります。ホルモン補充療法とは、年齢とともに低下してくる血液中のホルモンを補ってやることで、若返る治療法のことで、約10年ほど前から脚光を浴びています。


婦人科領域においては、更年期障害の治療として、女性ホルモンの補充が行われていますが、美容整形領域に関連するアンチエイジングに関しては、成長ホルモンがその主体となります。その投与量については、慎重に決定しないと、末端肥大症などの副作用があるのですが、検査をしながら、適切な量の処方であれば、特に問題ないとされています。しかし、ここで一つ、問題があります。
成長ホルモンは、注射しないと体内には取り込まれないということです。しかも、体内に入った成長ホルモンは、1日でほとんどが失われてしまいます。したがって、ほぼ毎日、注射を繰り返す必要があるということです。成長ホルモンは小人症の治療にも用いられるため、インスリンのように、極細の針がセットになった、自己注射キットが発売されていますが、慣れていないと、正しく自己注射を行うのは難しいものがあると思います。
また、成長ホルモンは、体の組織の成長因子を増加させることで、いろいろな細胞の分裂と増殖を促す作用があり、これがアンチエイジングの主体をなすわけですが、当然、がん細胞に対しても、そのような作用があるわけです。したがって、成長ホルモンによるホルモン補充療法を受ける前には、必ず腫瘍マーカーと画像診断で、がん細胞が体内に存在しないことを確認しておくことが大切です。
いろいろと大変なホルモン補充療法ですが、その効果には驚くべきものがあります。では、もっと簡単に、ホルモン補充療法のような作用を発揮できる治療はないのでしょうか?実は、効果としては、ホルモン補充療法には遠く及ばないのですが、比較的簡単な方法があります。
その方法とは、プラセンタ注射です。「なぁんだ、プラセンタ注射かぁ~」と思うかもしれませんが、バカにできないものがあります。プラセンタの中には、成長ホルモンが組織に作用する際に増加させて効果をもたらす、成長因子がバランスよく含まれています。もっとも、ラエンネックやメルスモンを1週間に1本づつ注射しているようでは、多少、肌がきれいになるくらいで、全身的な、組織に対する効果は微々たるものです。強い効果を希望する場合には、プラセンタは1週間間隔で1回に5本を注射するといいでしょう。

「再生医療についての感想 5」への1件の返信

  1. k より:

    プラセンタで強い効果を希望する場合は、1回に5本必要なんですね・・・

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