そもそも、洗顔そのものが間違っている人が多すぎる。

しわやたるみ、そしてシミ。女性の(最近では男性の)肌の悩みは留まることがありません。普段の診療の上でのエピソードを交えてお話しします。


エピソード1
しわ・たるみ・シミ・くすみを隠すために厚化粧。そしてその化粧を落とすのに一苦労なので、全顔面オイルクレンジング。
絶対にやってはいけない、全顔面オイルクレンジングに手を出してしまったエピソードです。オイルクレンジングは、皮膚の角質層を通して、また、毛穴の奥までしっかりと入っていきます。だから、メークの顔料はしっかりと落ちます。そして、化粧焼けの予防にもなります。しかし、セラミドや高分子アミノ酸(成長因子やコラーゲンなど)の油溶性物質も、皮膚の中から奪っていきます。そうすると、皮膚の回復力は低下し、乾燥は進行し、シミ・しわ・たるみが進行します。オイルクレンジングは、口紅やアイメークなど、ポイントにとどめることです。当然、オイルクレンジングを使用したところは、失われた成分の補給と、クリームでの保護を忘れずに。全顔面オイルクレンジングは、「老いる」クレンジングです。
エピソード2
「テカル」からクリームは使いません。
いわゆる、「テカリ」に対する認識不足です。そもそも、全顔面に「テカリ」が出る人などいません。大半は、鼻・額・頬の前面です。この辺りは、皮脂腺が発達していて、しかも活動性が高いところです。その他のところ、頬の側面・唇の周囲には「テカリ」がないはずです。むしろ、乾燥している方が大半です。このような顔の一部が「テカル」のは、皮膚に水分量が足りないため、皮脂腺が働いて、水分の蒸発を防いでいるからです。いわゆる、混合肌と言われる状態です。このように、「テカル」人ほど、洗顔後には水分の補給と、クリームによるカバーが大切なのです。そうすれば、2週間後には「テカリ」は減少し、水分量は正常化するでしょう。そのままだと、シワやタルミが重症化するのは時間の問題です。