ランス脂肪酸と聞いて、いいイメージが湧かない人がほとんどだと思う。近年において、本当に悪者にされている食品成分の一つだ。
ところで、トランス脂肪酸とはそもそも何なのか、本当に知っている人は少ないのではないかと思う。大半の人は、ただ単に、「マーガリンにはトランス脂肪酸が含まれているから体に良くない」程度の認識なのではないだろうか?トランス脂肪酸とは、簡単に言えば、植物油を個体にするときにできる副産物。では、人工的な食品工業製品の加工過程でしか発生しないのかと言えば、そうではなく、すき焼きの油である牛脂など、いわゆる脂身には5%ほどのトランス脂肪酸が入っている。つまり、自然界には存在しないだとか、代謝されないだとか言うのは、悪質なデマなのだ。そして欧米化したとされる現代の日本人の食生活であっても、ある程度の体重管理をしている限り、このトランス脂肪酸の、健康に対して悪影響を及ぼすような摂取量と言うのは、非常に稀であると言っていいということなのだ。
以下、元記事から抜粋。
WHOの「1%以下にするように」の意味
ただ、いろいろと調べていくと「何となく危ない」ということ以上に、トランス脂肪酸にまつわるさまざまな”誤解”が分かってきています。
まず、「自然界には存在しない」というのはうそです。牛脂やラードといった動物性の硬い油には5%近くのトランス脂肪酸が含まれています。
また、プラスチックオイルだから人間や細菌が代謝できないというのも違います。そもそも水素添加する前の油も常温で保存しておいても腐りません。サラダ油はみなさんどこにしまっているでしょうか? 冷蔵庫に保存していなくても、なかなか腐らないのは知っているはずでしょう。さらに人間が代謝できないという点ですが、確かに代謝しにくいようですがしっかりとカロリーとして使われています。
そして原点にかえって、WHOが「1%以下にするように」と言うことは、1%以下なら問題ないということで、タバコのように害ばかりというものではないということです。つまり、好んで大量に摂取しなければ問題ないということです。
トランス脂肪酸より怖いもの
そして何より、健康リスクの観点からいえば、トランス脂肪酸以上に過剰摂取に気をつけないといけないのが動物性の飽和脂肪酸です。少量のトランス脂肪酸が含まれているラードや牛脂の大部分は飽和脂肪酸ですから、そもそも「動物性油脂を摂取しすぎるのはよくない」と言っているのに等しいわけです。