第17回国際美容医学会議 7

ところで、学会側が準備してくれていた2日目のランチも、やはり懇親会のような、品数豊富な立食形式。ここで、驚きの体験。この日は金曜日。何とカレーが出た。海上自衛隊では、金曜日の昼食はカレーと言うことで、これは戦前の帝国海軍時代からの伝統である。そこで、私の一部の仲間内では、海上自衛隊に敬意を払って、金曜日にカレーを食べるというのが、一つのポリシーになっている。勿論、私もできる限りそれに倣うようにしている。しかし、国内ではいつでもどこでも食べることのできるカレーだが、ここミラノでカレーを食べようと思うと、それなりに探さないといけない。しかし、期せずして、金曜日のこの日のランチに、カレーが出たのだ。
 
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カレーと言っても、カレーライスではなく、マッシュポテトと一緒にいただく、カレー「ポテト」といった趣なのだが、カレーはカレーである。味のほうは、生クリームを効かせた、かなりクリーミーなシチューのようなものだった。でも、カレーはカレー。カレー味だ。ちょっとテンアゲ。
因みに、この海上自衛隊金曜日カレーの伝統を、この時に友人の医師に話したのだが、イタリア軍には、そのような決まった曜日に決まったメニューをいただく伝統はないらしい。
 
ところで、この学会だけかもしれないが、終了時間が早い。午後のセッションは、16時代に終了。イタリアのディナー・タイムは遅く、レストランも19時か20時にしかオープンしない。この日は会長招宴、つまり招待して演題を発表した参加者を、学会の会長が招待して宴会を開く日なのだが、それが始まるのも20時以降。そこで、ちょっとミラノの街をぶらつくことにした。
 
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ぶらつくとは言っても、ミラノはそれなりに大きな都市で、有名なドゥオモのある中心部に行くのは、学会場のホテルからはそれなりに距離があり、徒歩圏内とは言い難い。早く移動したいなら、地下鉄がいいのだが、街の雰囲気や土地勘を得るには、やはりバスか路面電車(トラム)。街中を、できるだけクネクネと通っていく路線のバスを選んで、往復する。途中、あまりに寒いので、ジャケットを購入。事前の天気予報では、気候は東京と変わらないようだったが、見事に外れ。日中も夜も、3.4度低い。外を歩いている人の格好は、日本の初冬の服装だ。
 
さて、会長招宴の会場に行くバスに間に合うように、ホテルに帰ってきた。
20時5分前に、ホテル前に向かうも、バスは来ない。路線バスでも列車でも、時間通りに来るのは日本とドイツくらいだ。20時10分ごろ、バスが到着し、招宴の会場に向かう。しかし、出発は全く何のアナウンスもなしに、静かにバスが動き出す。点呼は出発した車内で行う。あまり点呼の意味がない。
 
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バスは、石畳が敷かれたミラノの旧市街の道を、中心部にある会場のレストランに向かう。路面電車(トラム)と共用の道。こういったところに、効率重視だけでなく、古き良きものを残しつつ、近代的なモノと融合させてしまう、欧州の懐の深さを感じる。バスは約15分で会場に到着した。
 
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会長招宴は、イタリアン・スタイルでのパーティーで、まずは立食形式でアペリティーヴォ。スペインではピンチョスと呼ばれる、一口サイズのおつまみが多種提供され、スプマンテやワイン、カンパリなどで歓談。そして三々五々、皆が自由に着席し始めたころに、パスタやメインが供され、デザートで締めくくりだった。
 
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パーティーは歓談中心で、出し物などもなく、完全にイタリアン・スタイル。それにしても、イタリア人はよくしゃべる。巻き舌の発音と相俟って、大阪の雰囲気。私は英語でしゃべるしか仕方がなかったのだが、日本からただ一人の参加者で、バストグロウの注目度が高く、皆、興味深く話しかけてきては、歓迎の意を表してくれた。