下の歯を左右二本抜いて後ろに下げる手術の場合、全身麻酔による手術になるのでしょうか?できれば静脈麻酔が気分的に安心なので希望なのですが… また抜歯は一般歯科でするのでしょうか?それと術後歯茎がおかしくなったり、 噛み合わせが悪くなったりというのが心配なのですが大丈夫でしょうか?術後5日くらいで仕事復帰しようと考えていますのでそれが可能かどうかも知りたいです。以上お手数ですがお教えいただけないでしょうか?

受け口治療は大きく分けて歯科治療と外科治療がございます。
歯科治療は、歯科矯正です。これは金属製のブレスを装着し、歯の向きを内側に倒すことで見た目の症状を改善する方法です。2週間に1回のブレス締め直し来院をして、平均で2~3年かけて歯の向きを変えます。外科治療は、麻酔を使用した外科手術で、1日で治療は完了します。
治療法が異なると、当然仕上がりも異なります。仕上がりのご希望によって手術法を選択していただく形になります。
歯科治療は、歯の向きを変えるのみの治療になります。状態によっては、口がしっかりと閉じられない状態は改善しないかもしれません。更に歯の向きを変えるのみで、骨格は変えていませんので、横顔のイメージは変わらない可能性がございます。
外科治療は、麻酔を使用し骨格から修正いたします。口腔内からの手術でお顔表面にキズが残ることもありません。下顎が歯茎ごと引っ込むのと同時に横顔のイメージも変わります。これにより、口元もしっかり閉じることが可能になるでしょう。
まず前歯から数えて4・5番目の歯をどちらか左右1本づつ抜きます。
抜いた分だけスペースが生じますので、そのスペース分下顎を後ろへ下げる治療です。下顎ごと後ろへ下げますので、今まで唇を押し上げていた骨格が下がることになり、受け口の症状とそれに伴う口を閉じられない状態の改善が見込めます。
歯を抜くというと少し心配かもしれませんが、歯科治療で歯の向きを変えるだけの治療でも4・5番のどちらかを抜きます。(歯をずらすスペースがないと矯正もできません。)
どちらの治療法でも歯は抜くことになりますが、元々4・5番の歯は、食べたり、話したりという機能に支障をきたさない歯になります。抜いても問題ありませんのでご安心ください。以前に歯科治療を受けられていて歯を抜いている方の場合、残っている歯を抜いてスペースを作ることができます。問題なのは、両方の歯を抜いてしまっている場合です。残っている3・6番の間に隙間がある場合は利用できますが、ない場合は治療が困難なこともあります。
手術は全身麻酔を使用し行います。全身麻酔というと怖いと思われるかもしれませんが、受け口の手術は骨格の手術です。歯科で歯の治療を受けているときより大きな音と振動がします。逆に麻酔で眠っているほうが楽でしょう。
全身麻酔を受ける場合、1泊の入院が必要になります。翌日の午前11時~12時(正午)までには退院できます。腫れもほとんどありません。顎の両サイドが少しむくむ程度になりますので、「親知らずを抜いた」と言っていただければよろしいでしょう。術後は、3日目と1週間目に口腔内の検診に来院していただきます。この間、軟菜食(噛まずに食べられるものーおかゆ・うどん・ヨーグルト・プリン等)のみの摂取となり、毎食後のうがい、歯磨きの一部制限等の生活制限が生じます。1週間後のチェック後は、上記の制限が解除となります。あとは、2週間・1ヶ月・6週間・3ヶ月目の口腔内チェックで終了となります。お仕事復帰は5日目からでも大丈夫です。
ご質問頂きました術後の経過についてですが、唇から顎にかけての感覚が鈍くなったりすることがあります。大半は一時的なものですが、回復に長期間かかることや、残存する可能性は否定できません。また、咬み合せについては、術前検査でのチェックと術中の確認を行いますが、咬み合せ等の調整のために、歯科治療が必要な場合がございます。詳細は、カウンセリング時に担当医師よりお伝えいたします。
【受け口】-骨格修正
     (手術費用)840,000円+(全身麻酔費用)105,000円+(1泊入院費用)21,000円+(術前検査)31,500円~42,000円
 (術後) 当日:入院(当院にて)-必要なものはすべて当院で用意します
      翌日:正午までに退院 
     3日目:口腔内CHK 軟菜食のみ うがい施行 歯磨き部分的に可
    1週間目:口腔内CHK 常食OK 歯磨き制限解除
    2週間目:口腔内CHK ワイヤー締め直し(受け口手術を行った方のみ)
    1ヶ月目:口腔内CHK
    6週間目:口腔内CHK ワイヤー除去(受け口手術を行った方のみ)
    3ヶ月目:口腔内CHK
* ワイヤーとは:抜いた歯の両サイドの歯を固定するためのもの(手術直後からしばらく付ける)
受け口の手術を受ける際には、術前の準備として、レントゲン・心電図・歯型・血液などの術前検査が必要となります。こちらは、カウンセリング当日、もしくは別日にて検査を受けていただき、検査結果後に手術が可能です。一番早くて、1週間後が手術可能日となります。