脂肪溶解注射は、なぜ、「効かない」?4~初期の強力脂肪溶解注射の問題点

1回の注射で、脂肪のつかめる厚さが、1cmから2cm少なくなる強力脂肪溶解注射ですが、一つ、問題点が浮上しました。いや、他にも問題があったのですが、最も大きな問題が一つ、あったのです。


それは、広い範囲には、同日の処置ができないということでした。なぜならば、この脂肪細胞を包んでいる袋を、薬剤が通りやすくする薬剤ですが、1日の投与極量が少ないのです。つまり、あまりたくさんの範囲には、この注射はできないのです。
この極量ですが、この薬剤のFDA(アメリカ食品医薬品局)のフェーズ2試験に提出された論文で、それ以上の投与についての試験がなされていなかったためです。ちなみに、フェーズ2とは、主に有効性試験と薬物代謝の審査のことです。フェーズ1は動物実験を含む安全性試験審査、フェーズ3は、さらに高度な有効性試験審査で、薬剤の症状別の投与量の決定です。したがって、安全性の問題を考えると、フェーズ2で提出された論文に沿った量を極量とせざるを得ないわけです。
このようなわけで、初期の強力脂肪溶解注射は、1回の処置で10X10cmの範囲2つ分でしか、治療ができなかったのです。しかも、この薬剤は非常に高価でした。そこで、1回の処置可能範囲を拡げるべく、さらに改良を続けました。

「脂肪溶解注射は、なぜ、「効かない」?4~初期の強力脂肪溶解注射の問題点」への1件の返信

  1. k より:

    以前はあまりたくさんの範囲に注射はできなかったんですね。

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