出る杭は打たれる? In Philippines

何だか、18歳のフィリピン人歌手が、ボトックスとサーマクールを受けたことが、変な方向の軋轢を生んだみたいだ。「18歳がボトックスを注射した!」と言って、一部に変な話題を振りまいたことは、以前にお伝えしたが、それが発端で、主治医を叩くコメントが出現し、クリニックのボイコット運動が開始されている。彼女が治療を受けたヴィッキー・ベロ・メディカル・グループの、代表者Dr.ヴィッキー・ベロを叩く論調である。
http://www.abs-cbnnews.com/entertainment/08/16/10/vicki-belo-faces-boycott-over-charices-botox-procedure


叩いているのは、フィリピンの弁護士の一人。要約としては、「Dr.ヴィッキー・ベロは、形成外科医でも、皮膚科医でも、また、外科医でさえない。それなのに、美容整形医として売名するとは何事か!」といったものである。
それに対して、彼女の反論は、「国内の学会には所属していないが、アメリカの皮膚科学会、アメリカの皮膚外科学会、アメリカの脂肪吸引学会には所属している。」というもの。
事実としては、どちらも正論ではある。フィリピンのシステムは、日本のシステムと違って、アメリカのシステムと同様で、皮膚科医を名乗るためには、医学部卒業後に、皮膚科のトレーニングプログラムを持った指定病院で、研修医・修練医を終了している必要がある。しかし、美容外科(美容整形)は、何らかの科目(内科や精神科でも)の研修医・修練医を終了していれば、名乗ることができるのである(これも、アメリカと同じ)。因みに、日本のシステムは、美容外科に限らず、どの科目でも、医師免許でOK(除く、麻酔科)。
こういったことを考えると、どうやら、このボイコット運動は、今、マニラで一番派手にやっているヴィッキー・ベロ・メディカル・グループを、叩きたい他の美容外科医たちが裏で糸を引いている可能性が強いようだが・・・。
日本でも、形成外科医VS非形成外科系美容外科医の軋轢は、常に存在していて、最近では、これにさらに皮膚科医が参入してくる様相を呈している。
どこの国でも、美容医療のマーケットに既得権を確立したがるグループが存在するものだ。