レーザーの波長による脂肪の溶け方の違い~Wavelength differences in laser-assisted lipolysis – – ModernMedicine

Dr. Burnsは、924nm、975nm、1470nm、の3つの波長で、脂肪の溶け方の実験をした。
対象は、豚の皮付き脂肪組織。皮膚の直下にレーザーのファイバーを刺し込み、それぞれ20Wの出力で、1秒間に2ミリづつファイバーの先端を動かして、溶けた脂肪組織や、皮膚の変化を比較したものだ。


924nmの波長は、皮下脂肪に対して他の波長よりも選択的に吸収され、理論どおりであれば一番、脂肪をたくさんの範囲で溶かすはずである。
975nmの波長は、水分をたくさん含んだ真皮に対して選択的によく吸収され、効率よく凝固反応を発生させる。
1470nmの波長は、非常にたくさんの熱を発生させるため、体内のタンパク質(脂肪組織にも皮膚にも含まれる)の凝固には非常に効率が良い。
彼の実験で比較したのは、溶けた脂肪の範囲や、真皮の凝固範囲。
結果は、975nmの波長は924nmの波長よりも、3倍の広さの真皮を凝固した。また、それに対して924nmの波長は、975nmの波長よりも70%多くの脂肪組織を溶かした。さらに、1470nmの波長は、一番狭い範囲の脂肪組織しか溶かせなかった。
と、いうことは、やはりPalomarのSlimlipoという、924nmと975nmの2つの波長を備えた機種が、皮膚の引き締めと脂肪の溶解といった、2つの効果を最も強く出せる機種ということになるのだろうか?
しかし、私の意見は全く違う。脂肪の吸収効率がよい波長は、他に2つの波長があり、また、水分への吸収が良い波長も、ほかにもたくさんある。ある波長のみで、特定の組織に対する吸収率を論じるのは、レーザー屋さんの悪い癖である。私はむしろ、ある範囲の波長の光(レーザーを含む)すべての、ある組織に対する吸収率を合計したもののほうが、臨床的には価値があるとみている。つまり、ある波長の範囲で、吸収曲線を数学的に積分した結果が、本当の器械の性能であると思っている。
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