アメリカ人のメディカルツーリズムはフィリピンに目を向けている。Medical tourism seen as ‘big business’ for RP | The Philippine Star >> Lifestyle Features >> Travel and Tourism

わが日本も、乗り出そうとしているメディカルツーリズム。美容整形の分野では、3~4年前の韓国整形ツアーブームや、オカマ御用達のタイなどが良く知られているが、メディカルツーリズムの先駆者であるアメリカ人たちに、今、人気が急上昇しているのが、フィリピンである。


理由はいくつかあるが、何といっても、公用語が英語であり、医療従事者は何一つ不自由なく英語を流暢に操れることにある。しかも、フィリピンの医学教育や医療システムは、アメリカとほぼ同じである。これは、アメリカがスペインから、フィリピンを植民地として受け継いだときからの遺産である。さらに、設備や医療技術については、外国人を受け入れるような病院においては、アメリカと遜色ないのである。しかも、そのような医療が、非常に安い費用で受けられる。プロレスラーの故ジャンボ鶴田氏が、フィリピンで肝臓移植を受けたことは、ご存知の方も多いかも知れない。
メディカルツーリズムと言えばインド。たしかに、インドの医療費は激安価格だ。だが、どうしても設備や技術の点で不安が残る。最近は、多剤耐性菌の集団感染が、インドを震源地として発生したばかりである。そこで、アメリカ人たちは、フィリピンに目を向け始めた模様。今や、在日米軍基地の兵士・軍属、並びにその家族たちの御用達となっている。
メディカルツーリズムとして、フィリピンで治療を受ける人々は、アメリカ人の他に、韓国人・イギリス人・ブラジル人・オーストラリア人などがいる。韓国では、美容外科手術費用が高騰していて、今や日本以上に高い。イギリスは、公立病院での手術待ち3カ月は当たり前で、私立病院ではすぐに手術できるが、やはり医療費がバカ高。ブラジルも、好景気に押されて医療費が高騰。オーストラリアの美容整形費用は、もともと高額である(バッグの豊胸術で200万円など)。
日本の医療費は、健康保険が効かないとしても、今や中国よりも安い。モノによっては、中国の半分くらいである。メディカルツーリズムを中国相手に売り込むのは、理にかなったことである。しかし、言葉の問題が大きい。英語を使いこなせるようであれば、中国の富裕層相手ならあまり問題ないのだろうが、いかんせん、医師以外の医療従事者たちで、英語を使いこなせるのは一握りしかいない。メディカルツーリズム成功のカギは、やはり、外国語でのコミュニケーションにかかっているだろう。
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