Aesthetic Surgery Journalが送付されてきました。2~結節状乳房の美容整形

今回のAesthetic surgery journalのなかで、私の目を引いた論文が、もうひとつ。Aesthetic reconstruction of the Tuberous Breast Deformityという題名の論文です。和訳すると、「結節状乳房の美容整形」となるでしょう。


結節状乳房とは、聴きなれない言葉だと思います。簡単に言うと、ピンポン玉がくっついたような乳房です。原因は、バストを支えているクーパー靭帯や筋膜の異常で、太い繊維質のバンドが乳腺周囲を取り巻いているため、乳腺の発育不全が起こり、このような変形を発生させます。
この場合、乳腺の発育不全を伴っていますので、患者さんは、大抵の場合、豊胸術を希望して来院します。しかし、この状態にバッグを入れたり、脂肪を注入しても、また、エンドプラストを挿入しても、全くきれいな形にはなりません。ピンポン玉が前方に浮き出るだけです。この場合には、原因である太い繊維質のバンドを切開します。そして、乳腺を切開して、形を整えるわけです。その後に、バッグや脂肪などを挿入します。
このような手術は、従来、乳房の真ん中を縦に切って、さらに乳輪周囲で切開して、皮膚を取り除いて、乳腺を修正していました。または、乳輪と乳腺を切り取って、皮膚を整え、バッグを挿入した後、再移植をしていました。
この論文では、乳腺や繊維質のバンドの切開を、乳輪周囲のみから行う方法を紹介しています。この方法だと、切開創は乳輪の周囲のみなので、布の部分が小さな水着を着用しても、傷が分からないといえます。また、バッグの挿入は、この乳輪周囲の傷から可能です。症例を見ても、とても自然な仕上がりですので、満足度の高い手術ということができます。
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