第17回国際美容医学会議 9

さて、レオナルド・ダ・ヴィンチ科学技術博物館を後にしたものの、まだ、夕食までは十分に時間がある。そこで、トラムを乗り継いで、ちょっとベタだが、ここに来た。


そう、ミラノの象徴ともいうべき、ドゥォモ。

土曜日の夕刻だけあって、前の広場は人が多い。催し事などもあり、観光客・地元住民、入り乱れている。ちょっとすいているところで、自撮り棒で撮影。自撮り棒売りの行商人も、うじゃうじゃいた。

そこからは、ヴィットーリオ・エマニュエレ2世・ガレリアを抜けて、スカラ座の前まで、ちんたらちんたらと歩いて行った。

途中、ガレリアの中の歴史ある名店、リストランテSavini(サヴィーニ)のカフェで、エスプレッソ。

スカラ座の前から、再びトラムに乗って、ゆるりゆるりと、わざと遠回りしながら、予約しておいたレストランに。なぜか日本の国旗も架かっていて、好感触。

店に入ると、数組の先客が食事中。ちょっと無愛想な店員のお兄ちゃんが、席に案内してくれた。とりあえずは、ハウスワインを注文し、前菜からメニューを眺める。お兄ちゃんがワインを持ってきたときに、「前菜のお勧めは何だ?」と、英語・イタリア語交じりで訊いてみた。すると、「やっぱり今日の前菜セットで、ミラノ風ミートボールと野菜・ブルスケッタの盛り合わせだ」と言う返事。「Salumi(生ハムやサラミの盛り合わせ)を期待してたんだが」と言うと、「OK、OK」という、調子のいい返事。まぁいいやと思って、パスタやメインを選ぶ。「メインのお勧めは何だ?」と尋ねると、「うーん、一人だからなぁ」と、ちょっと困った表情。そこで、「この店はT-boneステーキ(Bistecca alla Fiorenzina)が有名らしいじゃないか」と言うと、「あれは2人前からだ」という答え。そこで、「じゃあ、パスタなしで、メインをT-bone2人前にしてくれ」と言うと、それまでの無愛想が一転して、ニコニコし始めた。「Controni(付け合わせ)はポテチでいい?」と言ってたので、「それでいい」と答える。そしてこのお兄ちゃん、ちょっとウキウキで厨房に注文を通しに行った。ワインをチビチビやりながら、少し待っていると、前菜が出てきた。

だがこれは、1人前の前菜の量ではない。近所のテーブルをチラリと見ると、どうやら本日の前菜は、奥に写っている皿にあるもので、それにプラスしてSalumi(生ハムやサラミの盛り合わせ)を持ってきたではないか。てっきり、それぞれ量を減らして盛り合わせてくると思っていたので、一瞬、びっくり。食べれない量ではないので、まぁいいかと思いつつ、食べる。

そしていよいよ、メインのT-boneステーキ(Bistecca alla Fiorenzina)が、ノリノリのお兄ちゃんによって運ばれてくる。

「ブオナペティート!」と、ニコニコしながら景気よく言うお兄ちゃん。私が店に入ってきたときの無愛想は、何だったんだ?肉は軽く500から600グラムはある。とにかくモリモリ食べる。美味い。さすが、この店のウリだけのことはある。だが、肉は難なく完食したものの、付け合わせのポテチが、最後のほうには罰ゲームと化していた。

ポテチも完食し、ちょっとホッとしていると、お兄ちゃんがノリノリでデザートの注文を取りに来た。さっそく別腹を準備して、お兄ちゃんお勧めのティラミスと、エスプレッソを注文した。

でっかいティラミスが出てきた。サイズは、名古屋のハーブスのケーキと同じくらい。完食すると、別腹もいっぱいになった。

エスプレッソはRistorettoと言って、最小のサイズにしてもらった。サイズが小さいからと言って、量が少ないだけではない。その分、濃い。

とにかく、味的にも量的にも大満足で、無愛想だったお兄ちゃんが、どんどんノリノリで愛想がよくなるのが、また面白いディナーだった。勘定では、前菜は一人前しかついてなかった。メニューの値段からすると、100ユーロ近く覚悟してたのだが、〆て70ユーロ。絶対に、ノリに任せて、お兄ちゃんがいい加減な勘定を出してきたのだ。

帰りは、再びトラムを使う。ちょっとレトロな車両がやってきた。ガラガラだったので、幽霊トラムのような感じだったが、乗って帰った。

車内もレトロ。後で知ったのだが、ミラノはトラムも観光資源として位置付けていて、このようなレトロな車両も、一定数走らせているらしい。ホテルはトラムの停留所の目の前なので、便利でもあった。