第17回国際美容医学会議 10

さてこの日から、翌日の帰りの便の出発までは、まるっとフリータイム。

このホテルの朝食は英米式で、ハムやチーズ、卵など、かなりガッツリいけるバイキング。

この日は歩き回って食べ歩く予定なので、ある程度は、お腹がすくように、ちょっと少なめに調節する。そして、いよいよ出発。

ホテルの前のポルタ・ガリバルディー駅から、郊外に向かう電車に乗って、約15分。フードEXPOが開催されてるフィエラで下車。そこからタクシーで約20分。アレーゼという郊外の街の、そのまた外れまでやって来た。そう。車好きの人は、もう気づいているかもしれない。アルファロメオ博物館!

BMWがそうだったように、アルファロメオも、戦時中は戦闘機のエンジンを作っていた。基本的に、アルファロメオはエンジン・メーカー。今はフィアット・グループなので、その傘下企業にエンジンを供給している。

 

展示されている、往年の名車の数々。デザイン的には、世界中のカー・デザインをリードしてきたと言える。そしてアルファロメオと言えば、やはりスポーツモデル。エンジンも、ポルシェやスバルの水平対向エンジンや、直列、V型など、バリエーションに富んでいる。

と、その時、面白い車が展示されているのに目が行った。

1950年代前半のモデルで、世界初の空力特性を考慮した、航空機のデザインに通じるものがある。全体的には、銀色の芋虫のようだ。内装は当時の標準的なモノ。運転席も然り。だが、円形の窓や、引き絞られた後部の形態は、当時としては先進的なものだったに違いない。商業的に受け入れられたかどうかは、疑問が残るが、そんなことはどうでもいいという感じが、アルファロメオをはじめとした、イタリア車メーカー。

 

60年代から70年代にかけての、様々なスポーツモデル。

こうやってみると、当時から80年代にかけての、日本のメーカーのスポーツモデルが、かなりアルファの影響を受けていたのがわかる。いや、アルファロメオが欧米メーカーに影響を与え、それが日本のメーカーに波及したといったところだろうか?

レーシング・モデルも、年代ごとに多数の展示がある。

さて、現行モデルのショールームも併設されていた。日本にも輸入されているC4やJuliettaと一緒に、復活したJuliaが展示されていた。

ミドルサイズ・セダンながら、500馬力超の、怒涛のパフォーマンス。残念ながら、この時点ではまだ、日本での正規輸入販売はなし。ショールームのお兄さんに、「日本ではいつ販売されるんだ?」と尋ねたら、「もう販売してるよ。」との、いかにもイタリア人らしい、いい加減な答えが返ってきた。

ランチは、この博物館併設のカフェでいただく。所謂、カフェ飯。

  • ランチセットを注文すると、お総菜屋さんのようにショーケースに並べたものを、皿にどんどん入れてくれる。あれもこれもと言って盛ってもらっても、お代は変わらない。皿がいっぱいになったら、さらに皿を出して入れてくれる。みんな昼からワインを飲んでるので、私もワインをいただく。朝食の量を調整しておいてよかった。国内では、博物館に併設のカフェなんて、高くて不味いのが定説だが、ここではそれは当てはまらないようだ。
  • 帰りに博物館の前を見ると、赤いアバルトが2台。アバルトも、アルファのエンジン。2台並んでるのも目づらしいので、写真撮影。

気が付くと、もう午後の3時を軽く回っていた。ミラノの市内に帰ろうと思ったが、ここはアレーゼの中でも、アルファロメオの工場敷地内でもかなりはずれのほう。タクシーを呼ぼうにも、呼べるようなところでもないので、Uberを使って市内に戻った。ここミラノでは、Uberはタクシーよりも1割ほど安く、車もデラックスだ。心地よい。

そしてまた、ベタな感じでミラノの中心部。

コルドゥッシオ広場。ここは、私がミラノの街の中で、最も気に入っているポイントの一つ。通りの向こうには遠くにドゥォーモ、その横の通りにはやはり遠くにヴィットーリオ・エマニュエレ2世ガレリアを、同時に眺めることができる。

ここから再びエマニュエレ2世ガレリアを通って、ふらふらと街の雰囲気を味わいながら、 モンテ・ナポレオーネ通りや、スピガ通りの方面 に。所謂、ハイ・ブランド・ファッション・ストリート。ブランド物にはあまり興味は無いのだが、せっかくだから、街の雰囲気だけでも味わうことに。

そして、ここでお茶。

Bar Martini Dolce and Gabbana。つまり、Dolce and Gabbanaのカフェ・バー。
  • ドリンクやフードもだが、何よりも、ウェイター・ウェイトレスが美しい。皆、整った顔つきと、抜群なモデル体型。多分、モデルの卵たちのアルバイトなのだろう。Dolce and Gabbanaの制服を、きちんと着こなしていた。

  • かなり上品に作りこんであるフードとドリンクや、オシャレな演出は、流石と言ったところ。料金は一流ホテルのラウンジ並み。

さて、イギリス人のようにゆっくりと、午後のティータイムを楽しんだ後は、再びミラノの中心部散策。Bar Martini Dolce and Gabbanaを出て、すぐのところには、ブランドに興味の無い私でも知ってる名前の店が軒を連ねる、スピガ通りがあり、そこをふらふらとアレッサンドロ・マンツォー二通りのほうに散策。ブランドショップはどれもきれいにディスプレーされていて、並んでいるところは本当に美しい。

途中、やはり歩行者天国のサンタンドレーア通りの入り口があったが、まずは、アレッサンドロ・マンツォーニ通りに向かった。そして、アレッサンドロ・マンツォーニ通りを、スカラ座のほうに向かって歩くと、右手に、アルマーニ・ホテル。

世界でも数えるほどしかない、ドバイの人工島ホテルと並ぶ、7つ星ホテル。流石に敷居が高い。「アルマーニ・ホテルじゃなくて、ホテル・アルマーニってのなら、ラブホの名前にありそうだな」などと思いながら、前を通り過ぎた。

そして御存知、モンテナポレオーネ通り。

かつてはミラノファッションの中心で、各国からの買い物客で賑わっていた。今もそうなのだが、ブランドのショップがサンタンドレーア通りからスピガ通りのほうに拡散したので、かつての賑わいは無いようだ。そして何といっても、この通りは歩行者天国ではなく、車道の両側に狭い歩道があるだけ。車の通行もそれなりにある。やはり買い物の利便性を考えると、歩行者天国の通りに客足は向かうようだ。

モンテナポレオーネ通りからサンタンドレーア通りに入り、再びスピガ通りに。

とっぷりと日も暮れて、しかも、何も買わないブランド・ショップ見物散策が、夕食前のいい運動になった。そこで、そろそろ夕食に向かった。

ミラノの中心部をちょこっと外れた、やや生活感の漂うロケーションのレストランが、目的地。