歯科矯正したのに、下顎が出ている。

Q:2年間歯列矯正をしました。(上下2本ずつ計4本歯を抜きました)歯並びはまあ良くなったのですが、当初から気にしていた下あごが出ている感じが改善されませんでした(歯科医では最初治療後治ると言っていたのに治りませんでした)
最近受け口(実際下あごが出ているわけではないのですが口を閉じるとそう見えます)をなおしたいと、矯正歯科医にかかりましたが、「ある程度治るかもしれないけど、思ったほどの成果は出ないかもしれない。4本歯を抜いていることがリスクである」といわれました。改善可能でしょうか?教えていただきたいですよろしくおねがいします。


A:受け口治療は、御存知のように大きく分けて
歯科治療と外科治療がございます。
歯科治療は、歯科矯正です。これは金属製のブレスを装着し、歯の向きを内側に倒すことで見た目の症状を改善する方法です。2週間に1回のブレス締め直し来院をして、平均で2~3年かけて歯の向きを変えます。ブレスの締め直しを行うことで痛み、頭痛など生じ、それが複数年かかるといった気の長い治療になります。痛み等を理由に途中でやめてしまうと症状も元に戻ってきます。歯科医師からの終了指示があるまで続ける治療になります。
外科治療は、注射による一時的な改善方法か、麻酔を使用した外科手術になります。1日で治療は完了します。
治療法が異なると、当然仕上がりも異なります。仕上がりのご希望によって手術法を選択していただく形になります。
歯科治療は、歯の向きを変えるのみの治療になります。状態によっては、口がしっかりと閉じられない状態は改善しないかもしれません。更に歯の向きを変えるのみで、骨格は変えることが出来ないため、横顔のイメージは変わらない可能性がございます。
外科治療は、麻酔を使用し骨格から修正いたします。口腔内からの手術でお顔表面にキズが残ることもありません。下顎が歯茎ごと引っ込むのと同時に横顔のイメージも変わります。(ただし、歯の向きは変わりません。)これにより、口元もしっかり閉じることが可能になるでしょう。
まず前歯から数えて4・5番目の歯をどちらか左右1本づつ抜きます。抜いた分だけスペースが生じますので、そのスペース分下顎を後ろへ下げる治療です。
下顎ごと後ろへ下げますので、今まで唇を押し上げていた骨格が下がることになり、受け口の症状とそれに伴う口を閉じられない状態の改善が見込めます。
通常は、4・5番のどちらかの歯を抜きますが、受け口の程度が激しい場合、両方の歯を抜き、大きく下げていくことも可能です。手術の程度に関しては、ご希望によっても変わります。診断時にご案内いたします。
歯を抜くというと少し心配かもしれませんが、歯科治療で歯の向きを変えるだけの治療でも4・5番のどちらかを抜きます。(歯をずらすスペースがないと矯正もできません。)
どちらの治療法でも歯は抜くことになりますが、元々4・5番の歯は、食べる機能や話すという機能に支障をきたさない歯になります。抜いても問題ありませんのでご安心ください。
以前、歯科治療を受けられていたとの事ですが、
歯を抜いている方の場合、残っている歯を抜いてスペースを作ることができます。問題なのは、中田様のように歯を抜いてしまっている場合です。残っている3・5番の間に隙間がある場合は利用できますが、ない場合治療が困難なこともあります。スペースを確保できるようでしたら可能かと思われますが
診せて頂かないとはっきりとは申し上げられません。
一度、ご相談ください。
手術は全身麻酔を使用し行います。全身麻酔というと怖いと思われるかもしれませんが、骨格の手術です。歯科で歯の治療を受けているときより大きな音と振動がします。逆に麻酔で眠っているほうがラクでしょう。
全身麻酔を受ける場合、原則として1泊の入院が必要になります。翌日の午前11時~12時(正午)までには退院できますし、退院時にはお顔に何も付けていない状態で退院できます。
手術を受ける際には術前の準備として、レントゲン・心電図・歯型・血液などの検査が必須となります。
単純な二重手術などとは異なり、カウンセリングも複数回必要です。
手術にあたっては、事前に入念な調整が必要です。
術後は、3日目と1週間目に口腔内のチェックに来院していただきます。この間、軟菜食(噛まずに食べられるもの-お粥・うどん・ヨーグルト・プリン等)のみの摂取となり、毎食後のうがい、歯磨きの一部制限等の生活制限が生じます。
1週間後のチェック後は、上記の制限が解除となります。
あとは、2週間・1ヶ月・6週間・3ヶ月目のチェックで最終終了となります。
【受け口】-骨格修正
     (手術費用)840000円+(全身麻酔費用)105000円+(1泊入院費用)21000円+(術前検査)31500円~50000円ほど
     
 (術後) 当日:入院(当院にて)-必要なものはすべて当院で用意します
      翌日:正午までに退院 
     3日目:口腔内CHK 軟菜食のみ うがい施行 歯磨き部分的に可
    1週間目:口腔内CHK 常食OK 歯磨き制限解除
    2週間目:口腔内CHK ワイヤー締め直し    
1ヶ月目:口腔内CHK
    6週間目:口腔内CHK ワイヤー除去
    3ヶ月目:口腔内CHK
* ワイヤーとは:抜いた歯の両サイドの歯を固定するためのワイヤー(手術直後からしばらく付ける)
術式により、料金や仕上がりがかなり異なってきます。
よろしければ一度カウンセリングにお越しいただければ専門医が詳細についてご案内いたします。