ふくらはぎ+足首の強力脂肪溶解注射 1

ふくらはぎから足首にかけて、強力脂肪溶解注射を、左右合計10か所注射したモニターさんです。

ふくらはぎは、いかに強力脂肪溶解注射といえども、脂肪溶解注射のみで細くするのは、限界があります。それは、ふくらはぎの太さを構成しているのが、同じ脚でも、太ももとは違って、骨格・筋肉・皮下脂肪の占める割合が違っているからです。太ももの場合には、その太さは皮下脂肪が大きな要素を占めている場合が、大多数です。しかし、ふくらはぎは、太さに関しては、必ずしも皮下脂肪の要素が大きいとは言えないのです。


こちらのモニターさんは、皮下脂肪の要素が占める割合が大きかったため、強力脂肪溶解注射が非常によく効きました。

脚の太さなどの、体型を決定する要素は、皮下脂肪の厚み、筋肉の太さ、骨格、の3つです。それらに、さらに皮膚のたるみの要素も入りますが、これは、年齢による体型の変化に占める要素となるため、ここでは、ひとまず除外して考えていいでしょう。太ももの場合には、皮下脂肪の厚み、筋肉の太さ、骨格という3つの要素の中で、皮下脂肪の厚みが最も大きな割合を占めることが多く、脂肪吸引をはじめ、プラズマリポや強力脂肪溶解注射がよく効きます。しかしながら、ふくらはぎに関しては、皮下脂肪の厚みが大きな要素を占める症例もあれば、筋肉の太さが大きな要素を占める症例もあります。それらの人数的な割合は、これまでの患者さんの中では、ほぼ半分ずつと言えます。

筋肉の太さが原因で太いふくらはぎの場合、脂肪溶解注射の効果は限定的です。

しかし、全く無駄かというと、そういうわけではありません。筋肉を細くするには、ボトックスの注射が最も有効かつ安全性が高いのですが、ボトックスを注射した後、その部分の脂肪層が分厚くなったように感じることがあります。その場合、脂肪溶解注射を行えば、脂肪層が薄くなり、効果が増強します。しかし、先に脂肪溶解注射を行った場合には、その後にボトックスを注射しても、脂肪層が厚くなったと感じる方は少ないようです。それは、既に脂肪溶解注射で脂肪組織が破壊されていて、脂肪組織の厚みが出なくなったことによります。

ふくらはぎが太いのが、主に筋肉の太さによる場合には、脂肪溶解注射ではなく、ボトックスの注射の方が、効果が大きいと言えます。

たしかに、どんなに痩せた人でも、皮下脂肪が全く存在しない人はいません。しかし、安全に脂肪溶解注射で溶かせる脂肪というのは、それなりの厚さが必要です。また、無制限に診療費用を負担できる方ならいいのですが、それぞれ負担できる費用と言うものも限られているでしょう。そこで、やはり、太さの主原因を探って、そこをしっかりと治療したほうが、効率がいいということも事実です。そうなると、術前の診察によって、ふくらはぎが太いのは、主に脂肪が原因なのか、それとも筋肉が原因なのかを、診断し、どちらを行うかを、担当の医師と相談する必要があります。同じ費用を負担するのであれば、より効果の大きなほうを選択するのがいいのは、誰でも同じだと思うのです。

脂肪溶解注射の有効なふくらはぎというのは、皮下脂肪で太くなっている症例であるということです。

皮下脂肪でふくらはぎが太くなるというのは、当然、原因として、体重の問題があります。しかし、どんなにダイエットを行っても、どうしても細くならない症例があるのも事実です。その場合には、筋肉でふくらはぎが太くなっている場合が多いのですが、もう一つ、大きな原因となりあるものがあります。それは、慢性的な「むくみ」です。ふくらはぎの「むくみ」は、放置すると、そこに皮下脂肪の増生が発生し、「むくみ」を取り去っても、太いままの状態になってしまいます。こういった場合、脂肪溶解注射で脂肪を取り去った後、「むくみ」防止によって、ふくらはぎの太さの再発を防止できます。

脂肪溶解注射で皮下脂肪層を薄くした後、ふくらはぎの「むくみ」を防止するには、いくつかの方法があります。

 
まず、圧迫性のあるストッキングを着用することです。このことで、表層の静脈に流れ込む血液が減少し、血液の多くが筋層よりも深いところの静脈を伝って、心臓の方向に帰るようになります。そうすると、皮下脂肪層への血液成分の貯留が抑制され、皮下脂肪の増生も、抑制されます。また、「むくみ」そのものを少なくする食生活も、推奨に値します。「むくみ」の原因は、ナトリウムの過剰な摂取によるものが多いと考えられます。つまり、塩分の過剰摂取です。味の濃く、塩分を豊富に含んだ食事は抑制するということ。つまり、減塩です。しかし、減塩にも限度があり、外食などが多い場合には、難しいでしょう。その場合には、カリウムの摂取を増やして、腎臓からのナトリウムの排泄を増やしてやれば、良い結果が出ます。塩化カリウムの試薬を使用してもいいですし、内服用のカリウム製剤などの処方を受けてもいいですが、生野菜や果物の摂取割合を増やすのが、最も手軽で自然な方法です。