(症例写真)成長再生豊胸Fを15セット その2

40歳代前半の女性で、出産・授乳経験があります。以前に、乳腺下へのバッグ挿入による豊胸術を受けています。今回は、加齢によるバッグの浮き出しを目立たなくするためと、バストの張りを戻し、さらに巨乳化を目指すことを主目的として、成長再生豊胸Fを受けました。


成長再生豊胸Fは、その注射液に、ねんちょう性を持たせることで、処置後の早期は、注射液の体積によって、豊胸効果が得られます。つまり、最初のうちは、注射液で大きくなるので、豊胸効果としては即効性があります。注射液は次第に吸収されていき、その体積はなくなっていきます。しかし、それと同時に、注射液に含まれる成長因子が、周辺に放出され、バストの皮下脂肪や乳腺が成長し、最終的に、自分の組織によって、豊胸効果が獲得できるというものです。

バッグの輪郭によってできた段。手術を受けた当初は目立たないが、加齢とともに、バストの皮下脂肪組織が薄くなっていくと、このように、バッグの形が、表面からもよくわかるようになってくる。カプセル拘縮などが進むと、バッグは球状に近くなるため、特に目立ってくる。


こちらのモニターさんの場合、バッグを挿入したままの処置となっています。しかし、成長再生豊胸Fの場合には、注射した薬液に、ねんちょう性があり、長くバストに留まるため、バッグを挿入したままの処置は、細菌感染に対して、注意が必要です。

一般的に、バッグのような、吸収されない人工物は、体内に入っていると、細菌感染に弱いとされています。細菌は、体内に入ったとしても、特に皮下脂肪層の場合には、普通の健康な人なら、その免疫力で、その多くを排除・殺菌できます。また、排除・殺菌能力が、一時的に細菌の力を下回ったとしても、抗菌剤(抗生物質)によって、細菌の増殖を抑えてやれば、回復します。しかし、バッグのような、非吸収性の人工物の表面に細菌が付着すると、抗菌剤を使用しても、なかなか回復せず、一時的に症状が治まっても、抗菌剤がなくなると、再発してしまうことになります。その場合には、バッグを摘出すれば、すぐに回復します。しかし、その場合、摘出のための手術が必要になることと、豊胸の目的が、ある程度の時期を待って再挿入するまで、達成できないことになります。このように、バッグが挿入されている状態と言うのは、バストが細菌感染に弱い状態だということができます。

一方、成長再生豊胸ですが、こちらは、ねんちょう性のある液体を注入し、それが長期間かけて吸収されるという経過を辿ります。もちろん、注射する液体は清潔操作で作成し、注射されるのですが、通常は問題にならない程度の細菌(常在菌)が、注射処置の際に、バストに入って行く可能性があります。このことは、成長再生豊胸Fでも成長再生豊胸Wでも、同じことです。しかし、成長再生豊胸Fの場合には、注射液が長期間にわたってバスト内に存在するため、微量でも細菌でも混入すると、細菌もバストの中に留まることになります。通常は、それらの細菌は、免疫力によって増殖が抑えられ、最終的には殺菌され、症状を示すことなく経過を終了していきます。しかし、バッグが入っている場合、それらの前に、バッグに細菌が付着してしまうと、前述のように、細菌感染の症状が発症し、バッグ摘出の必要性が出てきます。

したがって、バッグが入っている状態での成長再生豊胸Fの処置に際しては、通常通りに、清潔操作と皮膚の消毒を慎重に行うことは勿論なのですが、抗菌剤の予防服薬・投与を、推奨しています。