(症例写真)成長再生豊胸Wを10回 その4

40歳手前の、出産・授乳経験のないモニターさんです。豊胸の目的と、谷間をしっかりと造りたいとのことで、成長再生豊胸Wを10回施行しています。豊胸効果としては、かなり大きなものがありますが、最終処置後、約3ヶ月経過した術後の写真撮影時でも、まだまだバストのサイズがアップしていっているとのことでした。

豊胸術で多い希望の一つに、谷間を作成したいというものがあります。これは、従来の方法の場合、やや手術に習熟していないと難しいリクエストです。それは、谷間を作成したい場合には、当然、乳頭よりも内側のボリュームが必要になるのですが、その場合、その部分だけにボリュームをつけると、形を壊してしまうことになるからです。

例えば、従来のバッグを挿入する手術の場合、谷間を作成したいときには、2つのバッグが入るポケットを、それらの間を狭めて作成し、バッグがなるべく内側に寄るように挿入する場合が多いと言えます。しかしその場合、注意しないと、バッグの一番厚みのある部分が、乳輪よりも外側に来てしまった場合、乳頭が外側を向いた形に仕上がってしまい、決して良い形とは言えない状態になります。また、乳輪と乳輪が離れてしまいます。特に鳩胸の方の場合には、その傾向が強くなります。これを防止するには、横幅が広いバッグを使用する必要があります。具体的には、丸い形のラウンド型と呼ばれるバッグの場合には、直径の大きなものです。同じ体積のバッグであれば、高さのないもので、より平坦なバッグということです。アナトミカル型と呼ばれる、水滴型・涙型のバッグの場合は、横幅の広いものです。これらのバッグは、高さが低いため、谷間を造るのに不利な感じがするかもしれません。しかし、バッグの挿入された箇所は、バストの内側から外側まで、広い範囲でのボリュームアップが実現できるため、乳頭が外側を向くという、不自然さを作ることがありません。そして、十分に谷間もできることでしょう。もしも、高さに関して不安がある場合には、その分、大きなバッグを選択すればいいと思います。

脂肪注入の場合には、やはり、内側と外側の注入量のバランスが大切なのは勿論ですが、注入する層も、大切なことになります。具体的には、乳腺の下は、内側は外側よりも少なめに、乳腺の上は、内側は外側よりもやや多めに注入することです。それは、バストの構造上、乳腺が外側に傾くと、乳頭が外側を向く傾向があるためです。乳頭は、乳腺から繋がっている乳管が集まっているところです。したがって、乳腺の傾きは、乳頭の向きに反映されるからです。乳腺の下に脂肪を注入する場合、注入した脂肪で、乳腺は持ち上げられることになります。谷間を作るために、乳腺の下の内側部分に多くの脂肪を注入すると、乳腺は内側が外側よりも多く持ち上げられ、外向きに傾くことになります。そうすると、乳頭が外側を向いてしまうわけです。逆に、乳腺の下には、外側に多くの脂肪を注入すれば、乳腺は内側に傾き、乳頭が外を向いてしまうことを、防止できます。そして、谷間のための内側のボリュームアップは、乳腺の上の皮下脂肪の増量で、達成を目指したほうがいいということです。

成長再生豊胸の場合には、乳腺に対する作用はさておき、皮下脂肪の増量が得られるわけですから、脂肪注入と同様のことが言えます。つまり、乳腺の下の層は、外側を優位に、乳腺の上の層は、内側を優位にといった具合です。特に鳩胸の患者さんの場合には、乳頭が外を向いてしまいやすい傾向にありますので、注意が必要です。また、反対に、漏斗胸の患者さんの場合には、乳頭が内側を向いてしまう傾向が強く、バストの内側のボリュームが不足している場合が多いため、内側に関しては、乳腺下・乳腺上、ともに、ボリュームアップを図るほうが良い傾向にあります。