血液クレンジング(オゾン療法)

どうやら、このツイートが流行っているようです。 血液クレンジング(オゾン療法) とは何ぞやってことですが、簡単に言えば、血液にオゾンを混ぜて戻すということらしいです。当然、静脈から採血して、静脈に戻すわけですが、戻すときの血液の色が、静脈血の暗赤色が、動脈血のように明るく鮮やかな赤色になります。まあ、そこまではいいのですが、どうやら末期がんや難病の患者さんがすがるようにして受診・受療するそうです。

オゾンというのは、O3。通常は2つの原子が結び付いて、O2という形で存在する酸素が、3つの原子でできている形です。当然、通常の分子構造ではないため、壊れてOになりやすく、ヘモグロビンと結びついて、一瞬にして静脈血を動脈血のような色に変えるのです。そしてそれらは、一部は血漿の中に活性酸素となって溶け、その刺激で、体内の活性酸素除去酵素が増加するということです。

そこで、問題になるのは、末期がんや難病の患者さんについてです。活性酸素除去については、この、血液クレンジング(オゾン療法)での治療は、美容的には一定の効果が見られる場合もあります。しかし、末期がんや難病、特に末期がんの患者さん については、効果を発揮したという、明確なエビデンスのある論文は、目にしたことがありません。これを、末期がんや難病に有効といった形で広告し、治療として提供するのは、いかがなものかと思うのです。

血液クレンジング(オゾン療法)のような、血液にオゾンを添加する治療は、民間療法的な治療として、一部の医療機関で、昔から行われてきました。治療方式としては、このように血液を体外に取り出すのではなく、オゾン水を静脈注射するものです。適応は、例えば、リウマチやアトピーの治療としてです。痛みや痒みを和らげたり、外見を少し良くする程度で、根治療法ではありません。また、良い薬がなかった時代には、このような治療も、一つの選択肢だったことでしょう。つまり、難病治療やガン治療とは、次元が違うものなのです。

したがって、血液クレンジングというのは、血液を取り出すことによって、ビジュアル的に演出を強化した、古い治療ということができます。決して、現代医療の標準的な治療の代替えになるものではありません。