シリアの学会へ 10 シリア・ダマスカス 道端グルメの楽しみ

聖アナニア教会を訪問した後は、市内の市場・商店街(スーク)にて買い物や見物を楽しんだ。その後、「夕食を」ということになった。


ダマスカス到着からその日の昼食まで、高級なシリア料理のレストランばかりに連れて行ってもらっていたので、今度は少しリクエストをしてみることにした。私は、海外の学会や旅行では、必ず地元の人々の生活感を感じることをやりたいほうである。そこで、「普通の庶民的な外食がしたい」と、リクエストした。すると、「OK.
I will take you to the most popular and usual food stand」という言葉が返ってきた。期待して付いて行くと、そこには鶏の丸焼きが次々と焼き上げられ、それらが吊るされている。その鶏の丸焼きから、大きな包丁で肉を削ぎ落とし、薄いクレープのようなもので葉巻状にロールする。それを食べやすい一口サイズに切って、野菜の付け合わせとともに皿に盛ってくれる。それを受け取り、周辺の道端にある、コーラか何かのプラスチック箱を椅子とテーブルにして、手で食べる。たっぷりの野菜が付いてきて、ヘルシーかつ、旨い。味は、基本的には塩味で、スパイシーではない。しかし、何か秘伝の発酵調味料が使用されているようだ。この塩味と、やはり発酵系のソース、さらにピクルス系の味の野菜が、非常にマッチしていて旨い。リクエストは大成功である。
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たしかに、高級な料理に関しては、非常においしいく戴くことができ、招待してくださった方々の心づくしを感じることができ、感謝に堪えないものである。しかし、やはり、学会参加を旅の一貫とした場合、その国のその都市に住んでいる人々の、普段の生活スタイルを体験してみたいと思うのは、私だけではないだろう。そして、長期の滞在が不可能な状態の場合には、地元のライフスタイルを、短期間で効率よく体験するためには、やはり食事をすることに限ると思うのである。だから、最終日の夜に、やっと地元ローカルな食事に出会った私は、非常に満足した気持ちになった。そして翌日のエミレーツ航空機でダマスカスを出発し、ドバイ経由で帰国の途へ就いたのであった。