いざ、ムーミンとサンタクロースのフィンランドへ。まずは世界遺産の街、エストニアのタリンへ

題名はフィンランドですが、実はフィンランドの学会に引っ掛けて、ちょっと遅い夏休みとして、エストニアのタリンにやってまいりました。「なぜにエストニア?」「なぜにタリン?」「エストニアってどこだっけ?」と思われる方も多いと思います。


エストニアは、フィンランドと同じく隣がロシア。そしてフィンランドの首都・ヘルシンキとは、首都のタリンはバルト海を隔てて反対側に位置してます。フェリーで海を渡ると、ヘルシンキからタリンまでは約2時間で到着します。そして、物価の高いフィンランドから、エストニアにはこのフェリーに乗って、週末を利用した買い物ツアー客が押し寄せます。日本から韓国へ、買い物ツアー客がたくさん行くのと似ています。エストニアには韓流スターみたいなのはいないみたいですが・・・。
今回、私はヘルシンキ空港からそのままタリン行の飛行機に乗りついで来ました。飛行時間は30分。通勤電車並みか、それ以下の飛行時間です。 ヘルシンキの空港は混雑していましたが、やはりここは北欧。民度の高さが日本やアジア諸国とは全く違い、混雑していても非常に静か。ゆっくりと歩く人や立ち止まる時には、通路の真ん中には居ず、子供連れも子供の教育が行き届いていて、騒いだり横に大きく広がって歩いたりしません。
成田を出発した時の飛行機は、エアバスの大型機だったのですが、国際線とはいえ、30分の飛行時間ということもあり、ヘルシンキ~タリン間はプロペラ機で約80人乗り。昔、エンジンから火を噴いて墜落して、一躍有名になったボンバルディア。低空飛行しかしないため、飛行中はバルト海の景色がきれいに見えました。
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そんなこんなで、ついにタリンに到着。国際空港とはいえ、飛行機は、ほとんどがシェンゲン条約国のもののため、サイズとしては日本の地方空港並みしかありません。でも、写真にあるように、ちょっとウッディーなデザインの建物が粋な感じがします。
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さて、Baggage Claimで荷物を受け取って、市内のホテルに向かいます。タリンは市街地と空港が近く、しかもタクシーが安いため、タクシーに乗ることにしました。私の泊まるホテルは、世界遺産である旧市街の、空港とは反対側にあり、しかもあまり有名ではないホテルなので、行き方を運転手に伝える必要がありました。
しかし、乗車したタクシーの運転手は、「英語が分からない。ドイツ語ならOK。」とのこと。昔、大学の教養過程で習ったドイツ語を思い出しながら、やっとのことで説明して、無事ホテルに到着できました。タクシーの料金は13ユーロほど。15ユーロ払って、あとはチップに。
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ホテルは、昔の豪商の屋敷を改造したもの。中世の雰囲気が満点です。部屋に入ってちょっとびっくり。ベッドの幅が小さい。
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でも、このツインルーム?を一人で使って、一泊が7000円程度。日本のビジネスホテルからすれば上等でしょう。エストニアの人は、みんな寝相がいいのかなぁ。
ところで、タリンの旧市街と言うのは、中世の城壁都市で、町全体が世界遺産として登録されています。城壁都市としては、ドイツのロマンチック街道のRothenburgなんかと同じ感じです。しかしRothenburgとの違いは、その大きさもさることながら、まだちゃんと都市として機能していて、中には国会議事堂や行政機関があるということ。つまり、中世から使い続けている、まさに生きた世界遺産なのです。
さて、ホテルにチェックインしたら、時間はもう現地時間で6時。ディナー・タイムである。普段なら、その国の、その土地の料理を食べるのだが、今回はちょっと趣向を変えてみた。
Sushi Cat Freshest Sushi in Tallinn – Home
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一部の人々には結構有名な、猫耳をつけたお姉さんたちが握って、そして猫耳をつけた、ミニスカ・セーラー服のフロアーのお姉さんが運んでくれる寿司屋。場所がエストニアと言うこともあり、やはり気軽に「一度行ってみよう」とはならないでしょう。そこで、この機会に行ってみました。予約は英語で電話をすればOK。若いお姉さんが元気よく答えてくれます。
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場所はタリンの旧市街から南側に向って、少し歩いた高級ブティック街。途中にはボルサリーノのブティックがあったり、向かいにはベルサーチがあります。 店内では日本のアニメが流れていて、壁にはアニメ・ギャルのイラストがデッカク描かれています。店のつくりとしては小さなカフェ風で、狭い印象がぬぐえません。しかし、店は木曜日で平日にもかかわらず大盛況。常時ほぼ満席状態で、しかも次々とテイクアウト5~6人前の注文が舞い込んでいました。
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内容は、セットメニューが主体で、味噌汁付。 味の方はそんなに悪くない。というよりも、ネタの入手が難しいにもかかわらず、頑張っているのがうかがえます。寿司の握り方としては、ちょっと強く握りすぎている感じは否めません。しかし・・・、
まず、米は短粒種の粘ちょう性があるものを選択しているし、酸味のつけかたも、自然な甘みが出るように工夫してあります。 ネタについても、新鮮さを売りにできるものと、ひと手間かけることで生きるものをしっかりと峻別できていて、扱いについては正統的。 味噌汁に至っては、イリコとカツオの出汁の味がきちんとしていて、具はワカメのみで、変なものは入っていません。 お茶は、ほうじ茶だが、きちんと煎れている。 ここのオーナーは、「日本」と言うモノに対して真剣な様子。多くの中国人や韓国人が、和食は儲かると踏んで、いい加減なモノを欧米で堂々と出すのとは、違いが明らかです。 出汁や手間を惜しまない、日本の心をしっかりと体現していると言えましょう。 この姿勢は、まさしく「料理は心や!」。 内装やコスチュームのコンセプトに惑わされてはいけないようです。
ところで、いつも超忙しいこの店、この忙しさのおかげで、私は最後の会計の時に名乗るまで、日本人だということに気づいてもらえませんでした。ちなみに、彼女たちは私のことをスペイン人だと思っていたようです。
この店、Sushi catは、コンセプト的には寿司を「カフェめし」にしているため、私的には、量的に少し物足りません。そこで、ホテルに帰って、中のロシア料理レストランでビールとニシンのマリネをいただきました。
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