(症例写真)成長再生豊胸Wを10回 その10 (MtoF)

成長再生豊胸 W を10回受けた、FtoMのモニターさんです。年齢は30歳代後半です。SRS手術(性転換手術・Sexual Re-assignment)済みで、ホルモン補充を継続中です。

成長再生豊胸 W 10回
豊胸

MtoFの患者さんの場合、一般的に皮膚の伸びが少ないことが特徴です。そこで、即効性のある成長再生豊胸はFではなく、ゆっくりと皮膚やクーパー靭帯をなじませていくことができるWをお勧めしています。また、ホルモン療法は並行して継続していただくことが大切です。ホルモン療法で女性ホルモンを補充することは、全身の筋肉の体積を少なくし、皮下脂肪の付きやすい体つきを作ります。そしてさらに、皮膚を柔らかくして伸びしろを増やすことになります。SRS手術を済ませている方なら、男性ホルモンの分泌量が減少していますので、相対的に女性ホルモンの効果が出やすく、より良い状態と言えます。また、成長再生豊胸の効果もよく出ることが予想されます。

こちらのモニターさんは、SRS手術を済ませ、それからもホルモン治療を継続していました。そして、ブラバという器具で豊胸を目指して頑張っていたのですが、器具にかぶれて諦めざるを得ない状況になってしまいました。術前の写真で、乳房の周りの皮膚が黒く変色しているのが、かぶれの跡です。ブラバという器具は、大きなカップをバストに装着し、そのカップの中をポンプで陰圧にしてバストを大きくしようというものです。簡単に言えば、トイレの詰まりを取るときにシュポシュポやるラバーカップを想像してもらうとわかりやすいと思います。装着時には、スイカを胸につけているような、異様な外観になります。そしてその効果は、3カ月以上毎日一定時間以上の装着によって、やっとほんの少しといった具合です。そしてほとんどの方は、装着をやめてしばらくすると元の状態に戻っているのが現状です。

では、ブラバを装着しながら 成長再生豊胸を受けるとどうでしょう?理論的には、脂肪をはじめとするバストの組織が入るスペースを増やそうとすることになるため、効果は増強すると思われます。しかし、ブラジャーの中に硬いスイカを入れて何カ月も過ごすというのは、大半の方にとっては日常生活上大きな負担になると思います。また、比較的多くの方が、こちらのモニターさんのように、器具にかぶれて辛い思いをします。成長再生豊胸は、周囲から目立たず、そして人知れず、いつのまにかバストが大きくなるというのが本来のコンセプトですから、ブラバの併用は、そのコンセプトから外れるため、当院では積極的に推奨はしていません。