膣形成(縮小)手術

膣の解剖学的構造は、断面が”H”の形となっています。しかし、出産や無理な性交などによって、粘膜や筋肉が断裂し、断面の形が”U”となってしまいます。また、加齢によっても筋肉の力が衰えるため、膣の直径(断面積)が広くなります。そのことによって、パートナーとの関係に支障を来すこともあり、この膣形成(縮小)手術は、今、世界的に見ても非常に需要の高い手術となっています。

当院の膣形成(縮小)手術は、このように変形してしまった膣の形状を、元のH型に戻すと同時に、ひだをしっかりと作成します。また、膣の入り口から奥まで、しっかりと膣の形を形成できますので、従来の括約筋のみの手術と違って、入口と奥の不均衡がありません。したがって、パートナーの感じる感触も、非常に自然なのが特徴です。

術後経過

  • 翌日シャワーOK
  • 1週間で入浴OK
  • 通常:1ヶ月間のセックス禁止
  • 当院:2週間

どんな場合には、膣形成(縮小)手術を受けたほうがいいのか?

もちろん、膣形成(縮小)手術はパートナーのための手術ではあります。しかし、医学的には以下の場合には是非、膣形成術(縮小術)の手術を受けたほうがいいと言えるでしょう。

  • 子宮脱:子宮口が膣の入り口付近にまで降りてきてしまっている状態。子宮口のびらんの原因となり出血する。
  • 入浴時にお湯が入る:膣内にお湯が入ることにより下着が濡れてしまい、尿失禁と混同される。また、膣内の常在菌が洗い流されることによって、正常な細菌叢が形成されず、性病でもないのに、異常な下り物の分泌や陰部からの異臭がする。
  • 乾燥性膣炎:膣内の分泌液が、広い膣の入り口から常に外気に晒され、乾燥してしまうことによって、膣の粘膜に炎症を発生させることがある。症状としては、他に原因がないのに、膣内部に痛みを感じることや、特に性交痛が激しい。
  • カンジダ性膣炎:抗生物質の連用や免疫機能の低下などの原因が主なものだが、前述の「入浴時にお湯が入る」や、乾燥性膣炎などが原因の場合も多い。

膣の仕組みと膣縮小術

女性の性器の形や大きさは、男性の性器の形や大きさが人それぞれで大きく異なるのと同様に、やはりひとそれぞれ、様々です。膣の形や大きさも、当然人それぞれなのですが、およそ共通した解剖学的構造(仕組み)は、下図の通りです。

膣の入り口付近には、まず、括約筋という筋肉があります。この筋肉は恥骨からはじまり、膣の前方の尿道から膣の入口・及び肛門の入口(出口?)につながり、仙骨(尾てい骨)にいたっています。つまりこの括約筋は、膣の入口の締りを発生させるだけでなく、尿もれの防止や排便にも関わる筋肉で、さらに、前から後ろまで、骨盤の下をつり橋のような形で支えている筋肉でもあります。 したがって、この括約筋が緩んでいると、腹圧による緊張性尿失禁や排便困難、さらに子宮脱(子宮が膣を通して下降し、子宮口が膣の外から見えてしまう)の原因の一つにもなります。 この筋肉は、出産や無理な性交によって膣の粘膜が裂ける際に断裂することが多く、特に膣の肛門側の断裂が大多数を占めます。また、筋肉全般に言えることですが、加齢によって筋肉の力が衰え、弛緩した状態が続いていると、さらに筋肉は力を失い、悪循環が発生します。膣の括約筋はこのように、重要な役割を担った筋肉ですので、セックスライフの見地からのみではなく、膣の括約筋を縮小して再建する膣縮小術には、全般的なライフスタイルを支えるといった意味もあります。

膣の括約筋のさらに奥には、肛門挙筋という筋肉があります。この筋肉は、膣の後壁の粘膜下にあるのですが、排便の際に肛門が腹圧に負けて脱出(脱肛)しないように存在しています。この筋肉が緊張を失い、弛緩して幅広くなってしまうと、膣の後壁の粘膜を支えることが困難になり、やはり広膣(広くなった膣)の原因になります。特に膣の奥が広い状態は、大半がこの肛門挙筋の緩みによるものです。しかし、この筋肉が緩んでしまう原因が、大半の女性に存在するのではないかと思われます。それは「便秘」です。経口摂取した食物は、約12~24時間で消化を完了して大便となって排泄されます。便秘の場合、それが肛門から排泄されず、長時間にわたって直腸に滞留します。直腸も水分を吸収する作用がありますので、滞留している間、便は水分を失い硬くなり、ますます排泄されにくくなるのです。そうしている間に、さらに次の便が腸蠕動によってやってきて、さらに直腸に内圧を加えます。このような状態が慢性的に繰り返されると、直腸は押し広げられ直径を拡大し、パンツのゴムが伸びてしまった状態に陥ります。それと同時に肛門挙筋も、直径を拡大した直腸に引っ張られるようにして幅が広くなり、弛緩した状態に陥り、膣も広くなるわけです。すると、前述の膣括約筋がどんなに健全な状態で膣の入口の締りがよくても、膣の中の(奥の)部分はユルイ状態になっているのです。

当院の膣縮小術

膣の仕組み(膣の解剖学的構造)からもお分かりの通り、膣の括約筋は膣の入口の部分、肛門挙筋は膣の内部の広さに影響しています。したがって、本物の膣縮小術は、膣の括約筋のみではなく、もっと奥の肛門挙筋の縫縮が必要です。当院の膣縮小術は、膣の括約筋とともに肛門挙筋の縫縮を行うため、膣の奥深くまで縮小効果が得られます。