鼻の手術

「鼻の手術」については、様々な症状と治療方法があり、個々人によってその好みも多岐に亘り、患者さん一人一人によって全く違うのが現状です。したがって、ひとつのマニュアルに則って一律に手術を行うことができないものです。 以下に、主な手術項目を、場所や原因別に紹介します。

目次

鼻筋を通したい・高くしたいときの、隆鼻術

鼻先を高くしたい・低くしたい・向きを変えたいときの、鼻尖形成術

高さは変えずに、鼻筋の幅を細くしたいときの、鼻骨縮小術

小鼻(鼻翼)の幅を小さくしたい・鼻の穴を小さくしたいときの、鼻翼縮小術

高さを低くして、鷲鼻を治したいときの、鼻骨切除術

 

 

 

 

 

隆鼻術

一般的には、隆鼻術用のプロテーゼを使用します。材質は、シリコンが一般的です。これは、鼻に合わせた加工のし易さと、万が一摘出の必要性が生じた場合の容易さ、材質としての歴史の長さ(約50年)によるものです。最近は、ゴアテックスやハイドロキシアパタイトなどの材質も使用されていますが、隆鼻術に対する使用については、シリコンとは比較にならないくらいに歴史が浅いものです。手術方法としては、どの材質を用いる場合でも、数ミリ~5ミリの、鼻の穴の内側の切開から、鼻の骨にぴったりとくっついている「骨膜」(スペアリブの骨にくっついた、噛み切れない筋)を剥がして、挿入スペースを作成します。 

鼻は顔の中心にあるため、その印象を大きく左右します。その手術には豊富な経験と確かな技術が要求されます。南クリニックの隆鼻術は、既製品のプロテーゼの中から選ばず、一人ひとりの希望と元の鼻の形にあわせて、医師自らがその人にぴったりとあった人工軟骨(プロテーゼ)を作成する方法も準備しています。

従って、「ズレる」「動く」「触わるとわかる」といった、従来の隆鼻術の問題点を、かなりの部分で解決しました。また、より理想に近い仕上がりをていきょうできるように、なっています。手術そのものは、鼻の穴の中をほんの数ミリカットした後、正味5分後には終了ですが、デザインなどの準備や麻酔などを入れると、30分くらいは、処置室への滞在は必要です。入院の必要はありません。

平均的な術後の経過として、約1週間の腫れは覚悟しておく必要があります(個人差あり)。

隆鼻術(鼻筋を高く)症例写真

日本人を含め、東洋人は、一般的に鼻の長さが足りないのと、鼻筋の中間の部分の高さがないのが特徴です。確実にその部分に高さを作るには、やはり、プロテーゼでの手術が適応となります。また、やや面長のこの患者さんには、やや高めの鼻がよく似合います。

しかし、余りに大きなプロテーゼを挿入すると、額と鼻がつながった形になるばかりでなく、皮膚が薄くなって、脱出することがあるという、合併症がありますので、注意が必要です。

 

 

 

 

 

鼻尖形成術

鼻尖形成術(鼻先を小さく・細く)

鼻先は、鼻筋と違い、骨ではなく「軟骨」でできています。したがって、鼻先の手術は軟骨を使用するのが原則です。また、これらの手術は、プロテーゼを用いた隆鼻術とは違い、通常は大きな腫れを伴わないものです。切開は、ほとんどの手術で、鼻の穴の中からおこないます。
鼻先を細くする手術や、小さくする手術は、2枚入っている鼻先の軟骨を切除して、中央で縫合します。この際、注意しなければならないのは、軟骨の切除部位・量や縫合の向きによっては、鼻先が、術前よりも太くなってしまうことです。この手術は、適切な軟骨切除と縫合が要求されます。

鼻尖形成術(鼻先を高く・鼻先を下向きに・鼻中隔延長)

鼻先を高くする手術と、下に向ける手術・鼻中隔延長術は、軟骨を移植します。移植する軟骨は、できるだけ傷が目立たないところから採取します。代表的なのが、耳の軟骨です。耳の軟骨は、耳の後ろのしわに沿った切開から採取できますので、髪をアップにしても、他人からはわかりません。その他、鼻の中から鼻中隔軟骨を取り出して使用したり、鼻先を細くする手術や小さくする手術で切除した軟骨を使用します。これら軟骨の選択は、必要な量や組み合わせる手術によって、違いがあります。最も大きな軟骨が採取できるのは、肋軟骨(ろっ骨の軟骨)ですが、細くきれいだとはいえ、胸に傷が残るため、再建外科ならいざ知らず、美容外科手術に使用するのは実際的ではありません。当院では主に、耳介軟骨(耳の軟骨)を多用します。

鼻尖形成術(鼻先を高く・鼻先を下向きに)症例写真

患者さんは、30代の女性モニターさんです。「鼻を高くしたい」という希望ですが、特に低い鼻ではありませんでした。それは、鼻骨は比較的しっかりとしているのですが、鼻先の軟骨は何だかつぶれて平坦な印象だからです。 つまり、鼻先の高さが足りないというわけです。
そこで、耳介軟骨(耳の軟骨)を、耳の裏から採取し、鼻先の軟骨に移植しました。
術後は、顔の全体的な印象がすっきりとして、鼻が高くなったことはあまり周囲には気づかれず、「何だか大人がおぢゃない?」「やせたぁ~?」という反応が返ってきていたそうです。
術後は、腫れもほとんどなく、3日目にはテープも取れて、普通の生活に戻れたそうです。

下の写真は、真横から見た状態です。鼻先が高くなり、丸い印象がありません。
よく見ると、術前は少し鷲鼻っぽい鼻なのですが、術後はそれが改善されています。術後の固定はテーピングのみとなりますが、移植した軟骨のズレを防止するため、術後1か月間は、強く鼻をかんだり、ぶつけるようなことは避けてください。軟骨の脱出から、感染の危険性があります。

 

埋没式鼻尖縮小術

切開なしで、鼻先の幅を形成している2枚の軟骨を、糸で縛ってしまう方法です。やや後戻りが出る傾向にありますので、30%から50%の過矯正(余計に細くしておく)が必要です。また、糸を通したときの穴が、鼻先にしばらく(1か月ほど)残りますが、お化粧で十分にカモフラージュすることが必要です。ほとんどと言っていいほど腫れませんが、過矯正が落ち着くのに約2週間はかかります。

 

 

 

 

 

鼻骨縮小術(骨切り術)

欧米では、一般的に鼻の整形といえば、この手術を指します(欧米人は鼻が大きく、それをコンプレックスとしている場合が多い)。本邦では、鼻筋を高くせずに、鼻を細くする目的で行われることが多い手術です。
鼻の穴の中や、小鼻の上の凹み・眉間のしわなどの、目立たないところに2mmくらいの穴を開け、そこから微細なノミを入れて鼻の骨を切ります。鼻の骨は、鼻骨のみでできているわけではなく、それと連続した骨で、鼻の骨格が成り立っています。実際に、この手術の骨切りでメインになるのは、上顎骨ということになります。

切った骨は内側に寄せてギプスで固定したり、場合によっては一部を取り出すこともあり、術後の固定が、比較的大掛かりにならざるを得ません。また、術後は鼻の気道が狭くなりますので、アレルギー性鼻炎や鼻中隔湾曲のある方は特に、鼻閉の症状が出ることがあります。

 

 

 

 

 

鼻翼形成術(小鼻の幅を小さく)

横に広がった小鼻を小さくして、幅を細く見せる手術です。
現在では、主に鼻の内側を切開して、鼻の外部に傷をできるだけ残さない方法が、人気です。しかし、鼻の穴が余りにも大きい場合や、小鼻が非常に肉厚な場合には、鼻の穴の縁取りに沿った切開や、小鼻の外側の切開を必要とする場合があります。

右図の左は、小鼻の外側に切開を加えた場合。右は、小鼻の主に内側を切開する場合。

 

 

 

 

 

鼻骨切除術 (鷲鼻)

鼻の中央部分に、骨性のコブがあり、いわゆる、「鷲鼻」という状態です。日本人の場合は大抵、コブの上と下を高くしてやれば、解決する問題ですが、欧米人などの場合には、コブが大きく、また、鼻が元々高いため、この部分を切除する必要がある場合が多くみられます。

基本的には、鼻の中の切開線から手術を行いますが、このコブの切除が必要なほどの患者さんの場合、コブを切除するだけでは、術後に鼻筋が拡がってしまう傾向があります。その場合には、上記の鼻骨縮小術(骨切り術)を同時に行ったり、コブを大きく切り取っておいて、小さく整形した後に、もう一度そこに入れることもあります(ハンプ再移植)。また、鼻を小さくする手術の一環として、鼻尖形成術を同時に行う場合もあります。