目次
エンブレイス RFについて
エンブレイス RF
エンブレイス RFは、皮膚の裏から強力なRF(高周波)を照射することで皮膚と皮下組織を縮め、タルミをとります。効果は、これまでの皮膚の外から照射する機器をはるかに凌駕するもので、皮膚を縮める効果は約30%とされており、顔のタルミ取り手術の代用となります。エンブレイス RFは、RFALテクノロジーという革新的な技術を搭載したハンドピースを使い、タルミの原因を作っている3要素の、皮膚・皮下組織(靭帯・リガメント)・皮下脂肪 に、効率よく RF(高周波)を照射します。その結果として、顔面の場合にはフェイスリフト手術に迫る効果を発揮します。
またボディーに対しても、RF(高周波)による脂肪組織の収縮効果や止血・凝固作用によって、少ない吸引量で十分な効果を発揮できます。さらに、皮膚に対するタルミ取りの効果も加わるため、脂肪吸引後のタルミの予防になります。旧型のアキュタイトと違い、皮膚の内側と外側の両方に高性能の皮膚温度センサーを内蔵しており、皮膚のやけどを防止しながら、より多くのRFエネルギーを照射できるため、気になる部分の皮膚を確実に縮め 効果も高いものがあります。
フェイスタイト
顔面に対してエンブレイスRFを使う技術を「フェイスタイト」と言い、切開が必要ないため、フェイスリフトのように切開をしてたるんだ皮膚を切り取る手術と違い、施術後の傷跡が針穴程度で目立ちにくく、日常生活への影響を大きく減らせます。
主に次のような患者さんにお勧めできます。
- 切らずに顔のたるみを引き締めたい
- 脂肪吸引後の皮膚のたるみが気になる
- フェイスラインをすっきりさせたい
- 二重顎を改善したい
- 首のシワを少なくしたい
ボディータイト
ボディーに対してエンブレイスRFを使う場合は、「ボディータイト」と呼ばれます。次のような患者さんにお勧めしています。
- 脂肪吸引でタルミを作りたくない
- ヒップの下のシワが気になる
- 産後のお腹のタルミが気になる
- セルライト
- 下がったバストを少しでも上げたい(バスト・タイト)
- 振袖状態の腕や、背中・わきの脂肪を何とかしたい
概要
- 局所麻酔で手術可能。終了後はすぐに帰れます。
- 時間30~45分
- 傷跡なし(ハンドピースを差し込む穴だけ)
- 洗顔やメイクは翌日から
エンブレイス RFとは、どんな機器なのか
エンブレイスRFとは、皮膚の裏側から、表面にある対極板に向かってRF(高周波)を照射することで、皮膚や皮下脂肪を縮める効果を出す機器です。実際のハンドピースは、カニューレがRFが出る電極(チップ)になっていて、反対側が対極板になっているピンセットのような形をしています。
このハンドピースで皮膚を挟むようにして、その挟んだところにRFが流れるということです。この状態を図で表すと、以下のようになります。
他の機器との比較(タルミ取り機器との比較)
サーマクールなどモノポーラRFの場合
タルミ取りや引き締めのツールとして、これまでそれなりに実績を獲得してきた機器に、モノポーラRFの機器があります。代表的なものが、サーマクールです。他にもモノポーラRFの機器はたくさんあるのですが、医学論文にもなっているある実験によると、いろいろな機器を比較した結果、サーマクールのみが有効なRFを真皮まで到達させているという結果が出ていました。しかし、そのようなそのようなサーマクールでも、効果にばらつきがあり、写真上でも著効とわかるような結果を出せるのは、ごくわずかのチャンピオンケースと呼ばれるようなものだけです。
モノポーラRFの場合には、対極板(RFを受けるほうの電極)を、局所から離れた位置に装着して処置を行います。すると、RFは下図のように皮膚表面が一番強く、深くなるにつれて拡散するように流れていきます。
これらの機器は、皮膚の表面が火傷しないように、チップ(RFが出てくる電極)には冷却装置が装備されているため、実際には皮膚表層の表皮ではなく、真皮が熱せられて、コラーゲンの再構築によって皮膚が縮む作用が得られます。しかし、前述の通り、チップから離れるほどRFが拡散していきますので、有効な部分は、下図のように真皮の表層に近い部分だけとなります。
モノポーラRFも、実際の処置では、ハンドピースを動かして、RFの照射を左右連続的に広範囲に面を作るように行っていき、場合によっては重ね打ちをしてムラをなくしていくため、実際の有効な部分は下図のように面状に繋がることになります。
しかしながら、有効な部分の深さは変わらず、真皮の中でも表皮に近い部分のみに限定されています。
それに対してエンブレイスRFは、ハンドピースがバイポーラ方式となっており、治療を目的とする皮膚の奥にチップ、表面に対極板があるため、RF(高周波電流)の密度が濃いまま、皮膚の内側から表層近くまで、真皮の全層に照射される形となります。この様子を図示すると、下図のようになります。
ウルセラ、ダブロなど、HIFU機器の場合
HIFUとは、収束超音波と言って、超音波を皮膚表面から一定の深さに収束させて熱を出し、その熱の作用でRFと同じようにコラーゲンの再構築を図ります。このHIFUも、タルミ取りや引き締めに対して一定の効果があるとされています。特に真皮よりもさらに深い層のSMAS(表在筋膜構造・表在筋膜群)に効果を発揮するとして、サーマクールなどRF機器と併用することで、効果が倍加されるとされてきました。また最近では、真皮内で超音波を収束させることができるようになり、皮膚への効果も謳われています。しかし、RF機器と同様に、照射方法によって効果にばらつきがあります。したがって、写真上でも著効とわかるような結果を出せるのは、かなり長時間にわたって痛みをこらえながら、高密度に収束層を変化させて照射した、ダウンタイムを伴う特殊なケースとされるようなものだけです。
HIFUの場合には、皮膚の表面から超音波を照射し、内部でその超音波を収束させて熱を発生させます。すると、下図のように、皮膚の中では点状に温度が高いところが発生します。
しかし、コラーゲンのリモデリングが発生してその効果が出るためには、十分に加熱されて、温度が十分に上昇している必要があります。すると、その温度が十分に上昇して有効な範囲というのは、下図のように、この超音波が収束する範囲の中心部分の、もっと狭い範囲ということになり、これらが並んでいるという状態になります。
つまり、HIFUを照射した後は、有効な部分は皮膚の中に点状に散らばった状態になっており、その有効性はかなり限局的と言えます。もちろん、何回も繰り返して照射することで、有効な部分をつなげ、面状に近い状態に持っていくこともできます。またさらに、超音波を収束させる焦点の深さを6mm・4mm・2mmと多層にして繰り返し照射することで、深いところから浅いところまで効果を出すことはできます。しかしそのためには、数千発どころではなく、数万発の重ね打ちが必要で、時間にすると少なくとも数時間から一日中かかることになり、現実的ではありません。
エンブレイス RFの場合
エンブレイス RFは、皮膚や皮下脂肪組織の裏から、皮膚表面の対極板に向かってRF(高周波電流)を照射する機器です。チップと対極板で皮膚を挟む形での照射になりますから、モノポーラRFと違って、RFのエネルギーが拡散することなく、皮膚の層に対して厚みをもって強く作用します。したがって、エンブレイスRFが照射された時のイメージは下図のようになります。
このようにして照射されたエンブレイスRFは、その効果が及ぶ範囲が、深部から皮膚の表面近くまでとなります。そのことは、有効な部分も多くの層にまたがることを示し、効果も大きなものが期待できます。
また、エンブレイスRFも他の機器と同様に、ハンドピースを動かして操作するため、上記の有効な範囲というのが左右に拡がるため、実際には下図のように、皮膚および皮下組織に対して、立体的に、かつ広い範囲に有効範囲が拡がるということになります。
このように、エンブレイスRFは、有効範囲が広く深いため、その効果も他の機器以上に強く、フェイスタイトやこれまでのボディータイトだけでなく、バストの下垂を治療するのにも大きな力を発揮し、これまでのように大きな切開線を伴わないバストの吊り上げ(バストタイト)が可能になりました。
皮膚・脂肪収縮効果
エンブレイスRF(アキュタイト)照射後、脂肪が収縮しマーキングした肌表面の距離が小さくなっています。
リスク・副作用と術後の注意点
- 術後約1週間の腫れをみておいてください(個人差があります)
- 術直後にはある程度の結果を感じるかもしれませんが、細部の完成は3か月後となります。
- 内出血が起こった場合には、消失まで約2週間かかります。
- 術後3日間は、飲酒・スポーツ・長時間の入浴は避けてください。
エンブレイスRF QandA
Q.傷跡は目立ちませんか?
A.極細のカニューレ(太めの注射針程度)を使いますので、傷跡は目立ちません。
Q.どの程度のダウンタイムを見ておけばいいですか?
A.術後3日から1週間程度の腫れを見ておいてください。勿論、個人差があります。ボディータイトの場合には、1日でいいでしょう。
10年間に1000症例以上の実績を持つ、エンブレイスRFの世界的名医であり、インターナショナルトレーナーである、Dr. Pier Paolo Rovattiとともに、 イタリアのヴェローナにて、彼のクリニック(サージカル・センター) にて技術交流を行いました。
Pier Paolo Rovatti 医師
– イタリアレーザー外科学会(A.I.C.L.)創設メンバー兼院長
– イタリアアンチエイジング医師協会(A.M.I.A.)創設メンバー兼副会長