概要(どんな手術なのか)
瞼の裏側からアプローチし、前にせり出した眼窩脂肪を除去して、クマやたるみを目立たなくする方法です。
50歳代前半までの方で、皮膚の余りではなく、前にせり出してきた眼窩脂肪が、目の下のふくらみを作っていることが、目の下のタルミやクマを作っている方が多くみられます。このような場合には、この方法で目の下を切開することなく、下瞼からこの眼窩脂肪を取り除くことで、タルミやクマを改善させることができます。
眼窩脂肪が前にせり出していて、目の下がたるんでクマができているような状態。
瞼の裏側から、せり出した眼窩脂肪を取り除く。瞼の裏側からの手術なので、表面に傷はありません。
せり出した脂肪が引っ込むことで、目の下のタルミやクマが目立たなくなります。
適応(どんな人に向いているのか)
目の下にあまりシワがなく、皮膚のタルミが少ない方に向いています。皮膚のタルミが多い方にこの方法を行うと、風船の中の空気を抜いたのと同じようになり、タルミを強調してしまうことになります。
この方法は、あくまでも眼窩脂肪の前へのせり出しを改善する方法です。下瞼の骨の上や頬の前方の脂肪が少なくなったことによる溝には無効です。しかし、加齢・老化によってできたクマは、それらの両方が関係していますから、以前よりも目立たなくするという意味では、この方法を行う価値があります。自分のクマが、眼窩脂肪のせり出しが主な原因なのか、下瞼の骨の上や頬の前方の脂肪が少なくなったことが主な原因なのかは、診察によって確かめる必要があることです。また、それらのどちらの改善を望むかも、担当医と話し合って決める必要があります。
手術の手順(ビデオあり)
- 麻酔薬の点眼(目薬の麻酔)をして、瞼の裏側の結膜表面の痛みをとります。
- さらに、細い針で瞼の裏側から局所麻酔します。
- 瞼の裏側を切開します。
- 結膜からその下の組織を裂いていき、眼窩脂肪に到達します。
- 眼窩脂肪にも麻酔します。
- しっかりと止血しながら、眼窩脂肪を取り出し、摘出します。
- 最後にもう一度止血し、止血確認の後、結膜を縫い合わせて終了です。
- 終了後には、10分ほど目元を冷やして、帰宅していただきます。
術後経過
- 腫れは、通常では泣き腫らした後程度ですが、約1週間でほぼ退きます。
- 約10%の患者さんに、内出血による皮膚の変色が見られます。
- 術後の痛みは殆どありませんが、目の中がコロコロした感じがすることがあります。