シワ・タルミ治療の概要

しわ・たるみ治療の変遷

人間の顔の骨格が成長を完了してしまうのが、14歳から15歳くらいだとされています。逆にいえば、14、5歳のときが、大人の大きさで一番若い顔をしている時期なのです。そこからは、「加齢」「老化」が始まります。したがって、20代から予防は必要です。しかし、20歳でフェイスリフトをするのは、時期尚早というものです。昨今の美容整形・美容外科では、治療的処置と予防的処置、およびその中間的処置を、いろいろなニーズに合わせて提供できます。20代前半は予防・30代半ばまでは中間的処置・それ以降は治療的処置を受けるのが一般的です。

しわとたるみのいろいろな治療法

「しわ」は、大きく分けて、「たるみ」と「みぞ」という2つの要素でできています。
まず、手鏡を持って、仰向けに寝転んでみてください。それでよくなるのが、「たるみ」、それでも残っているのが、「みぞ」の要素です。

「たるみ」の治療法は、

フェイスリフト
上まぶたや下まぶたのたるみ取り手術

切らない方法なら、
シルエットリフト サーマクール ポラリス 金の糸美容術
最新皮膚再生療法
W-PRP-F
フラクセル

などがあり、
「みぞ」の治療法には、

直接切除
ヒアルロン酸注入
ボトックス注射
非吸収性ジェルの注入
エンドプラストの挿入
W-PRP-F

などがあります。

「しわ」「たるみ」の治療

薬剤の塗布(スキンケアやピーリング)

全ての治療の基本となります。皮膚の状態を健康に保つのが目標です。「しわ」「たるみ」の予防として、その発生を遅らせ、?以下の治療効果を増強します。自動車のボディーに例えると、塗装が傷まないように、自分で小傷を塗料でカバーしておくようなものです。

注射(ボトックスやヒアルロン酸など)

ボトックスは、皮膚が折れ曲がらないようにして、「しわ」にならないようにする薬剤です。それに対してヒアルロン酸やコラーゲンの注射は、「しわ」を「溝(みぞ)」ととらえて、盛り上げるものです。自動車では、軽いへこみをパテで埋めるような感じでしょうか。

レーザーや高周波など、物理的なエネルギー照射 

サーマクール・ポラリス・フラクセルなどが、これに該当します。サーマクールとポラリスは、皮膚のコラーゲンを増し、皮膚を縮めることで、たるみやしわを改善します。フラクセルは、皮膚そのものを、新しく取り替えてしまいます。板金で凹みを打ち出すのが、サーマクールとポラリス、全部塗装を塗り替えるのが、フラクセルといったところです。

シルエットリフトや金の糸など、無切開での手術 

シルエットリフトは、コーンのついた手術用の糸を皮下に挿入して、垂れ下がった皮下脂肪を、若々しい位置と形に戻す方法です。金の糸は、その周囲にコラーゲンが増生することで、皮膚を若い弾力性のある状態にする技術です。自動車では、補強のために、ボンネットやドアなどの部品を取り換えるのと似ています。共に無切開で、挿入時の針穴のみが必要です。しかし、挿入する時に用いる針が太かったり、角針というものを用いたり、さらに粗雑な手術操作が行われると、腫れや内出血がハードに出現したり、この針穴が大きく残ります。

切開手術(フェイスリフトなど) 

現在の切開手術は、皮膚のみでなく、その下の皮下脂肪や、筋膜・筋肉にまで及ぶ操作を加えます。自動車の、骨組みまで修正するのに似ています。しかし、皮膚の切除のみを行う施設があるのも、現状です。これでは効果や持続性は、シルエットリフトや金の糸など、無切開での手術にも劣ります。

「しわ」「たるみ」の重症度

病気の場合には、重症度に応じて、適切な治療というものがあります。たとえば、心筋梗塞の場合には、服薬で充分な程度、カテーテルによる手技が必要な程度、バイパス手術が必要な程度、となるでしょう。
「しわ」「たるみ」も、病気と同様に、重症度とそれに応じた治療方法があります。心筋梗塞の場合のような重症度を、「しわ」「たるみ」の場合に当てはめると、薬剤の塗布(スキンケアやピーリング)で充分な程度 注射(ボトックスやヒアルロン酸など)が必要な程度 レーザーや高周波など、物理的なエネルギー照射が必要な程度 フェザーリフトや金の糸など、無切開での手術が必要な程度 切開手術(フェイスリフトなど)が必要な程度 となります。

治療を受ける際の注意

医療の現場では、医療側が重症度を判定して、適切な方法を一方的に提供するのではなく、治療方法の内容を説明して、患者側の意向とすり合わせて治療方針を決定していきます。たとえば、胃がんで開腹手術が必要な重症度だが、患者側との相談の結果、内視鏡手術を行って抗がん剤を組み合わせる、といった具合です。「しわ」「たるみ」の治療の際にも、それと同様です。自分の意向をしっかりと担当医に伝え、治療方針を話し合いましょう。切らない方法でも、組み合わせによっては、切開手術以上の効果が期待できる場合もあります。

しわの要素

一言で「しわ」といっても、それは様々な要素でできています。したがって、その治療は、それらの要素のうち、どれが一番、その「しわ」の大きな要素になっているかで、それぞれ違ったものになります。つまり、「しわ」の位置、深さ、皮膚の状態、皮下の形態などを診察しないと、その人に一番適した治療方針の提示はできないということです。

「しわ」は、大きく分けて、「たるみ」と「みぞ」という2つの要素でできています。また、「たるみ」は「皮膚の余り」と「皮下組織(肉)の下垂(下がり)」の2つの要素を持っており、さらに「みぞ」は、「皮膚自体の溝」、「皮下組織の溝」、「筋肉の収縮(表情)」といった、3つの要素を持っています。つまり、厳密に言えば、

1本の「しわ」= 「皮膚の余り」+「皮下組織(肉)の下垂(下がり)」+「皮膚自体の溝」+「皮下組織の溝」+「筋肉の収縮(表情)」

といった数式で表すことができます。そして、治療方針も、これら5つの要素それぞれに対応して違った方法があります。

切開を伴う手術と、切らない方法

切開を伴う手術には、

フェイスリフト
上まぶたや下まぶたのたるみ取り手術

など、当院の方法なら「皮膚の余り」と「皮下組織の下垂」の2つの要素を同時に改善できます。
但し、切開を伴う場合、最低1週間の腫れと、抜糸の必要があります。当然、傷が全く存在しないというわけにはいきません。

さらに、「しわ」の位置や深さ、皮膚の状態、皮下の形態などによって、5つの要素のうち、どれが何%を占めているかが、全て違っています。

たとえば、ある人の眉間の「しわ」の場合、

「しわ」(100%)= 「皮膚の余り」(5%)+「皮下組織の下垂」(3%)+「皮膚自体の溝」(20%)+「皮下組織の溝」(12%)+「筋肉の収縮」(60%)

と、いった具合です。
この場合、一番効果的なのは、ボトックスということになります。また、ボトックスを注射したあと、さらに効果を望む場合には、コラーゲンやヒアルロン酸の注射を行い、それよりも改善を望む場合には切開手術を行うといいでしょう。

美容整形とエステ

美容整形・美容外科は「しわ」「たるみ」を治療します。エステは、自分の本来の皮膚を取り戻すところです。再び自動車に例えると、美容整形は板金・塗装、エステはプロの洗車、といった具合です。プロに定期的に洗車してもらうことで、長年の愛車も長持ちします。しかし、修理は板金・塗装が必要です。医療とエステは、どちらも大切ですが、その役割が違います。