ヒップの脂肪吸引

脂肪吸引でヒップの形を整えた、30歳代後半のモニターさんです。元々ヒップが大きいのが悩みで、ジーンズなどはヒップでサイズを合わせていた状態でした。
さらに、20代の頃は、ヒップの一番高く盛り上がったところが、上方にあり、腰で穿くジーンズも、現在ほどウエストとヒップの差がなかったとのことでした。しかし、現状、ヒップに合わせればウエストが大きく余る状態になり、手術を決心したという次第です。

若いころは非常にセクシーなヒップも、年齢とともに、一番突出したところが下に下がってくるため、ジーンズの場合にはウエストサイズが小さくなるにもかかわらず、サイズそのものは不変か、または大きくなってしまいます。また、ヒップの脂肪は、年齢とともに横にも広がってくる傾向があり、太ももの外側にはみ出してきます。そして、腰の部分にはウエストから脂肪が下がってくるため、まるで乗馬ズボンを穿いた時のように見えるようになってきます。これを、海外では、Horse ride trousers deformity(乗馬ズボン変形)と言います。
術後は、ヒップの最も高いところが上のほうに位置するようになり、いわゆる若返りの効果が観察されます。ヒップの脂肪吸引で注意するべきことは、サイズを小さくすることは勿論のことですが、その形を美しく仕上げることです。その点を考慮すると、日本人のヒップの弱点ともいうべき個所からは、脂肪を採ることを控えるべきです。日本人(黄色人種)のヒップの弱点とは、一般的には奥行きがないことです。つまり、厚みがないということです。その厚みと比較して、横への広がりが大きいということも言えます。したがって、ヒップを小さくするために脂肪吸引を行う際には、ヒップの中央部分と、そこから上の部分からは脂肪を採るべきではなく、できるだけその周辺に限定して手術するべきであるということです。

ヒップの脂肪吸引を希望される患者さんの主訴には、2つのタイプがあります。
一つは、「ヒップを小さくしたい」というタイプ。もう一つは、「ヒップの垂れを修正したい」と言うタイプです。
ヒップを小さくしたい場合には、前述のように、脂肪吸引をヒップの中央部と上方を除いた部分である、横と下部に限定して行えばいいと言えます。しかし、ヒップが大きく見えてしまっている原因が、実は太ももの外側の皮下脂肪沈着である場合も多くみられます。この場合には、太ももの外側の皮下脂肪に対して脂肪吸引を行う形になります。
ヒップの垂れを治療したい場合には、ヒップが垂れ下がる原因である部分の脂肪を脂肪吸引する形となります。具体的には、ヒップと太ももを分けているシワの、ヒップ側上方の脂肪吸引を行う形になります。しかし年齢的に40歳を超えると、この部分については、脂肪吸引後に皮膚のたるみを生じる場合が散見されます。それを防止するには、現在は表層脂肪吸引を併用して、皮膚のたるみを引き締めてやることが、一つの方法となります。

脂肪吸引後の皮膚のたるみを防止する表層脂肪吸引(Superficial liposuction)ですが、それが導入される前には、脂肪吸引をすると、たるむというのが常識でした。
この表層脂肪吸引と言う技術は、1990年代初頭にイタリアの美容外科医であるDr.ガスパロッチによって、提唱された脂肪吸引です。内容としてはその名のごとく、皮膚の直下である浅い層の脂肪吸引を行います。そのことによって、脂肪を吸引された脂肪層の浅層が治癒過程に入り、それに伴って、皮下と皮膚にコラーゲンの増生がはじまり、皮膚が引き締まってくると言うものです。しかし、このテクニックは非常に難しく、熟練が必要で、未熟な医師の手にかかると、修正不能な凹凸を残してしまいます。また、直接皮膚に対して操作を加える物ではないため、その効果も限定的です。しかし、なにも行わずに、通常の脂肪吸引のみを行えば、皮膚のたるみを誘発してしまいます。

こちらのモニターさんの場合には、「ヒップを小さくしたい」と言う主訴で、年齢的にも比較的若く、皮膚の弾力性もしっかりと保たれていました。しかし、保険をかける意味で、通常の脂肪吸引と表層脂肪吸引にて、手術を行いましました。当院の脂肪吸引の場合には、他院の脂肪吸引とは違い、表層脂肪吸引を併用しての脂肪吸引が容易です。それは、当院のカニューレ(吸引管)が非常に細くて、凹凸を作らずに表層の脂肪まで吸引できるためです。また、細かいデザイン上の制約についても、直径が細いカニューレであるからこそ、対応も可能なのです。そして、そのデザイン上の制約も、一番突出した箇所が上の方に来るような、いわゆるヒップの若返り的な要素も、実現可能になったと言えます。

医療広告限定解除要件
副作用・合併症:肥厚性瘢痕
費用・料金:30万円