顎を短く・小さく5

顔の輪郭としての顎の大きさを小さくしたり、長さを短くしたりするよりも、こちらのモニターさんの場合、もっと厄介なのが、受け口の手術後に残ってしまった、不自然な、過度の唇と顎先の間のくぼみです。
このくぼみの原因は、ほとんどが、骨と骨の間の水平方向の隙間です。

ここがしっかりと接触して、つながっている場合には、顎の骨というのは、角が丸くなっていくと同時に、ここまでくぼみが目立つようになることは、滅多にありません。しかし、ここに隙間ができたままにしておくと、骨の裏と表の組織が、この隙間を通してお互いにくっつきます。このくっつき(癒着)が発生すると、癒着が唇の下の皮膚を奥に引き込んでしまい、骨の位置以上のくぼみが発生してしまいます。その結果、術前の写真のように、骨の段が強調されて、この部分のくぼみが、不自然なほどに深くなるのです。

骨と骨の間の水平方向の隙間 。
ここを通して、骨の裏側の組織と表側の組織が癒着する。

この癒着が発生して、くぼみができてしまった状態から、癒着を剥離する手術をしても、再び癒着してしまって、修正がうまくいかないことがよくあります。したがって、この鋭角的なくぼみに関しては、修正が非常に困難であるということができます。しかしながら、この部分の隙間を全くない状態で前歯を骨と一緒に動かすのもまた、非常に困難なことです。そこで、約3㎜以上のずれがある場合には、下のほうの骨片の角を削り落として、できるだけ骨を滑らかにしておきます。そして、場合によっては、骨の隙間に、切り取った骨を移植しておきます。そうすることで、骨の表と裏の組織がお互いに癒着するのを防止し、たとえ癒着したとしても、鋭角的な不自然なくぼみを作るのを防止できます。