頬と目の下

頬全体と目の下に脂肪増殖注射を行ったモニターさんの症例写真です。頬の前方からと目の下にかけてと、頬の側面の、合計2か所分の処置です。脂肪増殖注射は、読んで字のごとく、脂肪組織を増殖させる注射です。この注射には、脂肪組織を増殖させるための成長因子を配合しており、それを皮下脂肪層に注射することによって、皮下脂肪の厚みを増加させる働きをさせます。  

注射直後には、やや不均等な印象があるかもしれませんが、それも翌日にはほぼ収まっており、完成形の目安を見ることができます。しかし、この脂肪増殖注射は、ヒアルロン酸やレディエッセ等のように、何かを注入してその注入した物の体積で皮下脂肪層を膨らませるというものではありません。あくまでも、そういった異物ではなく、本人の脂肪組織が分厚く変化してくるというものです。したがって、処置の翌日以降には、約1週間かけて、注射した個所の状態は、一度元の状態に戻ります。そしてその後、徐々に皮下脂肪の増殖が始まり、約2カ月かけて、ゆっくりと目標に向かって、効果が進行していきます。

脂肪増殖注射の有利な点は、脂肪注入とは違い、脂肪を採取するプロセスである脂肪吸引が不要なことです。当院の脂肪注入は、その生着率の高さから、従来の脂肪注入のように、目的を達成するのに通常量の2、3倍の量の注入を行ったり、何回も手術を行ったりする必要がないように設計されています。したがって、脂肪吸引で採取する脂肪の量も、少なくて済みます。さらに、確実に、注射した個所の皮下脂肪の増量を可能にします。しかしながら、脂肪吸引を行った個所には、当然、それなりの術後のケアが必要であり、また、そのための生活上の制限なども、短期間とはいえ、存在します。
そういった脂肪注入に対して、脂肪増殖注射の場合には、脂肪吸引を必要としないことから、それに関わる術後の生活制限もなく、翌日にはほぼ普段通りの生活に戻れます。つまり、脂肪注入という手術手技を行うことなく、局所の脂肪の増量を獲得できるというのが、脂肪増殖注射の大きなメリットの一つです。

脂肪増殖注射の、脂肪注入と比較してのメリットは、脂肪吸引を必要としないことが最大のものです。
しかし、メリットもあれば、デメリットも存在するというのが、この世の常です。脂肪増殖注射のデメリットは、即効性のなさです。脂肪増殖注射を受けた後は、注射液が入っているため、その分のふくらみによって、その部分に脂肪が増えたような状態になっています。しかしそれは、注射液によるふくらみですので、術後約1週間で、ほぼ処置前の状態に戻ってしまいます。つまり、まだ脂肪増殖注射の効果が出ていないため、注射液が吸収されてしまうと、元に戻ってしまうのです。脂肪増殖注射の効果は、この1週間目の元に戻ってしまった状態の後に、ゆっくりと出現してきます。そして、最終的には術後約2カ月かけて、効果の最終結果へと移行していきます。このように、皮下脂肪層の中に脂肪組織を注入して、その体積で即効性を以て手術の効果を発揮できる脂肪注入とは違って、脂肪増殖注射の場合には、即効性に欠けるというのが、どうしてもデメリットとして存在します。

脂肪増殖注射のデメリットとして、即効性がないことを挙げましたが、この即効性のなさを、むしろメリットとして感じている患者さんもいます。
どういうことかというと、「即効性がない=急激な変化がない」ということです。脂肪増殖注射は、その効果については、約2カ月かけて徐々に最終結果へと向かっていくという性質上、毎日顔を合わせている人には、その変化を気付かれにくいということです。つまり、周囲の反応として、何か整形手術を受けたのではないかだとか、何かを注射したのではないかなどという疑念を持たれることが少ないということです。そして周囲の反応としては、こちらのモニターさんのように、最近太ったのではないかだとか、健康状態が良くなったのではないかだとかといったものが主体となるようです。したがって、脂肪増殖注射のデメリットである、即効性がないというのは、患者さんによってはメリットにもなりうるということなのです。

医療広告限定解除要件
副作用・合併症:過増殖
費用:2か所分で合計30万円