脂肪増殖注射で、頬の側面と前方をふっくらさせたモニターさんです。かなりのたるみを伴っていますので、基本的にはフェイスリフトの手術が最も効果のある症例です。しかし、傷や手術自体の信州の程度、さらに術後の回復過程のことから、皮下脂肪を増殖させてやる注射で、多少の引き上げ効果と、タルミのカモフラージュを行ったという経緯です。
このような皮下脂肪の減少を伴っている場合には、減少してしまった皮下脂肪を増やしてやることで、若返り効果が望めるため、この脂肪増殖注射は、一つの解決法として非常に有用です。切開手術を希望しない場合には、脂肪増殖注射は脂肪吸引によって脂肪を採取するも必要がないため、気軽に受けていただくことができます。
この脂肪増殖注射は、加齢・老化によって委縮してしまった自分自身の脂肪が、そのままその位置で増殖しますので、非常に自然な若返り効果が期待できます。また、一定の美肌作用も期待でき、シワやタルミの改善だけでなく、くすみやシミが薄くなる作用があります。これについては、脂肪を増殖させる成長因子の配合が、一部皮膚の細胞にも働くことで、皮膚の細胞分裂と代謝を促進し、淀んだ皮膚細胞の入れ替わりをスムースにしてやることができるためです。またそのことで、脂肪層だけでなく皮膚そのものも、細胞やそれの足場である細胞外マトリックスの中のコラーゲンやヒアルロン酸・エラスチンが増加します。これらは加齢・老化とともに減少する皮膚の成分であり、加齢・老化とともに皮膚の厚みやそれに伴う弾力性の減少に大きく関与するものです。したがって、当院の脂肪増殖注射は、ただ単に皮下脂肪を増殖させるだけでなく、皮膚の若返り効果を通して、シワ・シミ・たるみに関しても、その治療効果を発揮します。
顔面に限らず、人体の美容的な老化の要素としては、大きく分けて、筋力の低下・皮下脂肪の減少と位置の下垂・皮膚のタルミ、という3つがあります。それらの中で、顔面に関して大きな要素を占めているのが、皮下脂肪の減少と位置の下垂・皮膚のタルミの二つです。
皮膚のタルミについては、皆さん誰でも想像がつき易いものだと思います。これは、弾力性があった皮膚が、それを失ってくることで、伸びたままになってしまう現象です。簡単に例えると、ゴム風船が紙風船になってしまうことです。
皮下脂肪の減少については、これは顔面の上の部分に多くみられます。さらに、皮下脂肪の位置が、年齢とともに上から下の方に下がってくることが、そのことに拍車をかけています。
このように、減少した皮下脂肪組織が、紙風船になった皮膚に包まれている状態が、加齢・老化によってたるんでシワがたくさん入ってしまった顔貌を作り上げているのです。
皮下脂肪組織の中にも、繊維状にコラーゲンやヒアルロン酸などの細胞外マトリックスが網の目のように存在しているのですが、この皮下脂肪組織内の細胞外マトリックスも、年齢とともに減少し、その弾力性を喪失してきます。
この細胞外マトリックスというのは、脂肪細胞が生きていくうえで、酸素や栄養を細胞に運び、代謝産物を取り去るときに重要な役割を果たします。したがって、この細胞外マトリックスが減少し、弾力性を失うということは、脂肪組織の委縮につながる一つの大きな要素であるということができます。そこで、この部分の加齢・老化による変化を元に戻してやるということは、脂肪組織を増殖させるうえで、非常に大切なことになります。またそれと同時に、この細胞外マトリックスは脂肪細胞の支えでもあり、それによって脂肪組織の弾力性を保つものであることから、脂肪組織の下垂を防止することにもなります。つまり、この部分の再生は、たるみの治療にもなるというわけです。
そこで脂肪増殖注射では、脂肪細胞の増殖だけでなく、脂肪組織内の細胞外マトリックスを強化できるように、各種の成長因子(細胞増殖因子)を配合しています。しかし、脂肪組織内の細胞外マトリックスは、前述のとおり、コラーゲンやヒアルロン酸など、皮膚内の細胞外マトリックスと共通のものが多く含まれています。したがって、この脂肪組織内の細胞外マトリックスの脂肪増殖注射による強化は、真皮の細胞外マトリックスの強化にも働き、皮膚そのものの弾力性や厚みを回復させます。そのことは、加齢・老化によってゴム風船から紙風船のようになってしまった皮膚を、もう一度ゴム風船状態に戻すことになます。これが、脂肪増殖注射が、たるみの原因の皮膚そのものの要素についても、効果を発揮する理由なのです。しかし、脂肪増殖注射は元来、皮膚に対して直接、その若返り効果を期待するものではありません。そこで、サーマクールやイントラセルなどの皮膚そのものの引き締め効果のある手技と組み合わせることが、たるみに対する効果をもっと大きく出すための、キーポイントであるということができます。
脂肪増殖注射は脂肪注入とは違い、脂肪吸引で脂肪を取ってきて注射するものではなく、成長因子(細胞増殖因子)を注射して、脂肪組織を増やしたいところの脂肪を成長(増殖)させるものです。
従来の脂肪注入は、脂肪注入そのものだけの場合には、生着率(吸収されずに残る割合)が約30%と非常に少なく、当院で「高生着率脂肪注入」という形に改良して、生着率がやっと80~90%にまで向上しました。しかし、脂肪注入である限りは、脂肪吸引で脂肪を取ってくる必要があります。しかし、脂肪増殖注射の場合には、その脂肪を取ってくるための脂肪吸引は全く不要になっています。
また、脂肪注入の最大の欠点は、注入した脂肪が不均等に生着してしまう「不均等生着」の問題です。不均等生着が発生してしまうと、脂肪が生着したところと生着しなかったところの境目がはっきりとできてしまって、皮膚の表面からも凸凹が目立つ状態になってしまいます。しかしこの、脂肪注入の最大の欠点である「不均等生着」の問題も、脂肪増殖注射の場合には全くありません。脂肪増殖注射は、注入する脂肪のようなドロドロとした粘凋性のある液体ではなく、その薬液はもっとさらさらとした液体で構成されていますので、注射したところからスムースに周囲の脂肪組織へと拡散し、凸凹を作ったしまうことがありません。
このように脂肪増殖注射は、脂肪採取のための脂肪吸引が不要なばかりか、脂肪注入の副作用までもクリアできた、まったく新しい発想の再生医療的技術であると言えるのです。
医療広告限定解除要件
副作用・合併症:内出血・効果の個人差
費用・料金:頬に2セットで30万円