下腹部をぐるりと一周

下腹部・下腹部横・腰の3か所に脂肪吸引を施行したモニターさんです。この、下腹部・下腹部横・腰の3か所というのは、ベルトの上に乗っかる肉のことです。この部分の皮下脂肪を気にする方は、夏場が近くなってくると途端に増加します。しかし、この部分の脂肪は、実は長年の間に貯めこんでしまった腹部や背部の皮下脂肪が、ダイエットによっても取りきれずに残っているものであるということができます。また、20代前半のうちは気にする人も少ないのですが、20代後半からは非常に気になる存在になるようです。これは、これらの部分は脂肪が付きやすく、そして体重減少によって取れにくい部分だからです。そしてまたこの部分は、ある意味、腹部や背中の脂肪が行きつく最終地点でもあるからです。

脂肪が付きやすく取れにくい部分というのは、どのようにして決まっているのでしょうか?それは、日常生活でよく使う筋肉がどの部分にあるかということです。

そもそも皮下脂肪というものは、飢餓時の非常用のカロリー供給源であると同時に、外力から筋肉や骨・内臓などを守る働きがあります。これらの働きについては、飢餓や狩猟生活から脱出した現代人にとっては不要な機能ということができるでしょう。しかし、この機能が残っているが故に、カロリーの摂取が過剰になれば、内臓脂肪の次に皮下脂肪が体積を増し、肥満という状態になってそのカロリーを非常用として蓄えておくのです。しかし、そのカロリーの貯蔵では、体の運動に邪魔になるところは、できるだけ避けようとするのです。なぜならば、狩猟生活においては、体の運動が制限されるということは、生命の危険に直結するからです。運動が制限されると、狩猟そのものの効率が低下し、食料の確保が困難になります。また、自然界においては、運動制限は外敵の襲来から逃げることが困難になります。そこで、日常生活上、頻繁に使用する筋肉の上は、カロリーの貯蔵庫としての皮下脂肪の厚みが増加しにくいことになっています。また、それらの筋肉は、通常の生活上でもカロリーをよく消費するということができますので、その上の皮下脂肪は厚くなりにくく、厚くなったとしても、ダイエットによって比較的簡単に元の厚さに戻すことができるのです。こういった部分は、例を挙げると、手指、前腕(肘から先)、顔面のエラの部分、ふくらはぎ、足の甲などです。このような部分に皮下脂肪が多い場合には、まずはダイエットを試み、それでも無理な場合のみ、何らかの方法を考慮すべきであるということができます。

以上のことを考慮すると、逆に、日常生活上あまり使用しない筋肉の上の皮下脂肪は、分厚くなりやすく、ダイエットによって薄くすることが困難であると言えます。

それがこれらの、腰・下腹部・下腹部の横なのです。これらの部分は日常生活上、頻繁に使用する筋肉は存在しません。下腹部には腹筋がありますが、日常生活上頻繁に使用している腹筋はこの部分ではなく、上腹部のものの場合がほとんどです。また、下腹部の横は、腸骨という骨盤を形成する骨が突き出していて、筋肉に乏しい部分です。腰も同じく、腸骨が突出し、背中の筋肉とヒップの筋肉を分けているところなのです。このようにこれらの部分には、筋肉が無いか、非常に使用頻度の低い筋肉しか存在せず、脂肪が付きやすく取れにくいという現象が発生するのです。

それでは、脂肪が行きつく最終地点とは、どういうことでしょうか?それは体、特に体幹の部分を言葉で表した時に、その部分の一番下に存在する部分のことです。

たとえば腰の場合、ヒップのすぐ上の部分です。腹部の場合には、陰部のすぐ上の部分、つまりは下腹部。ウエストの場合には、太もものすぐ上の部分、つまり下腹部の横といった具合です。これらの部分は、年齢とともに脂肪が付きやすくなってくる箇所です。それは、年齢とともに発生する皮膚と皮下脂肪組織の変化に起因します。皮膚の変化とは、言うまでもなく皮膚のたるみのことです。皮膚が弾力性を失ってたるんでくることによって、脂肪が移動する余裕が増加します。つまり、局所での脂肪の動きが出る余裕が増えてしまうということです。脂肪組織の変化というのは、脂肪組織の中にある、脂肪細胞を集めて目に見えるような粒にまとめている袋状の膜が緩んでしまうことです。そうなることで、脂肪組織はふにゃふにゃに柔らかくなってしまうのです。これがまた、重力に抵抗できずに、脂肪が下のほうに向かって下りていくという原因にもなります。

脂肪吸引は、脂肪を吸引してその量を減少させることはもちろんなのですが、表層脂肪吸引によって、年齢とともにたるみが発生する方向で変化した皮膚を引き締めます。

また、皮下脂肪組織に関しても、緩んでしまった脂肪細胞を集めて目に見えるような粒にまとめている袋状の膜を破壊します。そして、その部分に新しいコラーゲンでできた繊維の新生を促し、フニャフニャになってしまって、たるんで下のほうに落ちやすくなった脂肪組織を、よりタイトなしっかりとした皮下組織に置き換えます。そうすることで、脂肪組織自体の減量と、いわゆる体型の若返り効果を同時に達成するということができるのです。したがって、表層脂肪吸引は、単なる皮下脂肪組織の除去にとどまるものではなく、体型のアンチエイジング処置であるということができます。

ところで、下腹部とその横から後ろの腰の部分については、英語のスラングで”Love handles”(ラブ・ハンドル)と呼ばれます。

語源としては、セックス時にここをハンドルのようにつかむだろうということらしいですが、そのことからすると、成熟した女性の象徴的な体型の特徴を表しているのかもしれません。実際上は、あまりエロチックな意味では使用されていないようです。しかし、「ラブ」という、何だか甘い響きに騙されて、褒められていると勘違いしないほうがいいでしょう。
このラブハンドル、もっと進行した状態だと、”Muffin top”(マフィン・トップ)と呼ばれます。これは、腹部の皮下脂肪がズボンやスカートの上に乗っかって、少し垂れ下がろうとしている状態を、マフィンが焼き型からはみ出しているのに例えたのが語源のようです。
これらのスラングにみられるように、これらの部分の皮下脂肪は、その特徴的な形態から、やや揶揄的に表現されることが多いようです。ラブ・ハンドルが大きく太くなって、そのうちマフィン・トップに変化してくるとも言えるでしょう。ラブ・ハンドルは、できないように努力するに越したことはないのですが、できはじめたら、早めに治療しておくほうがいいのかもしれません。

ラブハンドルですが、これは女性にも男性にも発生します。発生頻度には特に大きな性差はないと思っていただいていいと思います。しかし、男性の場合には、体型の構造上、女性よりもあまり目立たないのが特徴です。

基本的に、腹部など体幹の皮下脂肪が、男性の方が女性よりも薄いという特徴があるからです。その代わりに、男性の場合には内臓脂肪が多くついてきます。これらの体型上の特徴が、やはりラブ・ハンドルが発生した時の、その形にも影響します。それを一言で言うと、女性のラブ・ハンドルは、腰の部分から下腹部前方まで、くるりと一回りしている場合が多いのですが、男性の場合には、下腹部前方まで来ずに、側腹部で止まっている傾向にあります。つまり、男性の場合には、下腹部の張り出しは、ほとんどが内臓脂肪によるものであるということです。

内臓脂肪は、皮下脂肪とは違って、脂肪吸引や、脂肪溶解注射では取ることができません。

しかしながら、内臓脂肪は運動やダイエットには皮下脂肪よりもずっとよく反応します。つまり、運動やダイエットでのカロリー制限をちゃんとすれば、いつでも落とせるということです。男性の場合には、より良いプロポーションは、まずは自助努力を行い、それでもダメな場合には医療技術で何とかするというのが、正論でもあり、また、そうぜざるを得ないということでもあります。また、内臓脂肪優位の肥満の場合、心臓血管疾患、つまり動脈硬化から心筋梗塞などに至ることが、皮下脂肪優位の肥満よりも多いと言われています。いわゆるメタボリックシンドロームの診断基準として、腹囲と言う項目がありますが、これは男性の基準の方が女性に対しての基準よりもかなり厳しく設定されています。これもやはり、女性は皮下脂肪優位でお腹が出てしまい、それに対して男性は内臓脂肪優位でお腹が張り出す、という現実に則しているということができます。

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