丸顔と「何となくたるんできた」と言うことを主訴に、当院を受診したモニターさんです。年齢は20歳代後半です。頬に脂肪吸引を施行し、たるみと頬の脂肪除去を同時に実現できました。ちなみに、顎の下には脂肪吸引を施行していないのですが、後の方の写真でわかるとおり、この顎の下の部分にも効果がおよび、たるみが顔の下半分全体にわたって改善しています。
頬の脂肪吸引は、このように、脂肪を除去する効果だけでなく、皮膚のたるみの改善にもある程度の効果を発揮します。当院の脂肪吸引は、従来の脂肪吸引とは違って、直径の細いカニューレを使用して、深い層の脂肪だけではなく、皮膚の直下の皮下脂肪も吸引するため、たるみを引き締める作用があります。皮膚の直下の脂肪を吸引することで、それによってできた脂肪組織内のトンネルが閉じて、傷として治っていく段階で、脂肪除去効果だけでなく、皮膚直下にコラーゲンが増生し、皮膚の引き締めにも効果を発揮できるようになるのです。
脂肪組織の浅い層に脂肪吸引を行って、皮膚の引き締めを図る脂肪吸引のことを、表層吸引(Superficial lipoplasty)または、浅層脂肪吸引と言います。この浅層脂肪吸引は、歴史としては意外と古く、1990年代の半ばにイタリアのGasparottiという医師によって提唱されました。それまでの脂肪吸引は、皮膚表面の凸凹を防止するために、吸引操作は皮下脂肪の深層に限定して行われていました。この方法での脂肪吸引は、皮膚の凹凸の防止には有効でした。しかし、皮膚のほうにくっついて残っている脂肪が、その重みで皮膚を引き下げる方向に力を加えることになり、皮膚のタルミを発生させてしまっていました。また、皮膚の余りも生じることになるため、タルミはさらに強調され、セルライトがある場合には、セルライトは悪化します。そこでGasparotti 先生は、深層の脂肪を吸引する代わりに、皮膚の直下にあたる浅層の脂肪を吸引することで、皮膚のタルミの発生や、セルライトの悪化を防ぐ方法を提唱したというわけです。
しかし、浅層脂肪吸引を行うにあたって、問題になったのは、皮膚表面の凹凸の発生でした。そこでGasparotti先生は、それまで使用されていた5~6㎜のカニューレの太さを、約半分の3㎜とし、先端のホールパターン(穴の形状)も改良して、独自のカニューレを作成しました。
そして表層脂肪吸引のもう一つの問題は、カニューレが細くなった分、手術に時間がかかるということです。しかし、表層脂肪吸引は、術後に皮膚の引き締まりが起こるため、脂肪吸引量が以前の深層の脂肪吸引よりも少量であっても、術後のプロポーションの改善効果が高いということがわかりました。
このようにして、Gasparotti の表層脂肪吸引というのは、広く世界中の美容外科医に取り入れられようとしていました。表層脂肪吸引は、やがて、地中海を伝い、大西洋を渡って、アメリカへと伝わっていきました。しかし、表層脂肪吸引は、それまでの脂肪吸引と違って、手技上のコツがあり、安定して良い結果を出すのが難しいものです。したがって、世界中に技術が拡散して、一般化する前に、多くの合併症が発生して、2000年代に入ると、次第に廃れていってしまいました。
そこで当院では、Gasparotti先生の遺志を受け継ぎ、カニューレの太さをさらに細く、ボディーで約2㎜、顔面は1.2~1.6㎜として、時間がかかってもいいから、表層脂肪吸引を行ってきました。また、カニューレの太さだけでなく、いろいろなホールパターンのカニューレを準備することで、皮下脂肪の深いところから浅いところまで、全層にわたって脂肪吸引を行うようにしました。結果として、当院の脂肪吸引は、その脂肪吸引量も多く、しかも表層脂肪吸引のタルミ防止効果・皮膚の引き締め効果も出すことができるようになっています。
医療広告限定解除要件
副作用・合併症:頬の一時的痺れ
費用・料金:20万円