強力水光注射でタルミ取り

スキン・メソセラピー・マックス(強力水光注射)の症例写真です。モニターさんは40歳代の女性です。

スキン・メソセラピー・マックス(強力水光注射)とは、主に皮膚を引締め、タルミをとる注射で、従来の水光注射と呼ばれるものと違い、複数回の処置を短期間に繰り返す必要のない、強力な水光注射です。つまり、1回の処置で、従来の水光注射を複数回繰り返したのと同様の効果を出せる水光注射と言うことです。また、効果の持続期間も長く、今のところ1年以上の効果の持続を確認できています。こちらのモニターさんの症例写真は、処置を行ってから約3か月を経過した時点での症例写真になります。正面からの写真では、顔面のタルミが改善したため、フェイスラインの引き締まりが得られ、顔面の下3分の一に当たる頬の下のほうが小さくなり、幅が減少していることが確認できると思います。また、全顔面的な効果として、全般的にしわが浅くなったことも観察されます。

スキン・メソセラピー・マックス(強力水光注射)は、従来の水光注射とは違って、効果を出すのに、複数回の処置を必要とするものではありません。従来の水光注射は、2週間おきに最低3回の注射処置を必要とし、さらに、メンテナンスのために1か月から3か月(クリニックによって違う)に1回の処置が必要です。これは、1回に注射できる注射液の量が限られているため、どうしても複数回に分割して注射を行う必要があるからです。1回で注射できる注射液の量に限界があるのは、この水光注射と言うのが、皮膚の中のうちでも、比較的浅い層にしか注射をしてはいけないためです。また、器械での注射の場合、それら注射を行う箇所、つまり針が刺さる個所の間隔が比較的広くとられているため、余計に注射できる薬液の量が少なくなってしまいます。このような理由で、最初は3回に分けて処置を行う必要があるというわけです。そして、その注射液の内容自体が、皮膚そのもののタルミに対する抵抗力を強化する力が弱いということも言えます。

そこで、当院のスキン・メソセラピー・マックス(強力水光注射)は、皮膚の浅いところに一度で注射できる薬液の量をできるだけ増やしました。その代り、注射は器械を使用せず、手作業です。さらにその濃度や成分の濃度を増加させ、一度の処置でしっかりとしたたるみに対する効果を出せるように薬液の設計を変更してあります。

スキン・メソセラピー・マックス(強力水光注射)の手順は、これまでの水光注射とほぼ変わりありません。まず、洗顔後に麻酔クリームを塗布します。そしてそのまま約30分、クリームが浸透するのを待ちます。この間、注射薬液の作成を行うのですが、患者さんの多くは当院のマイヤーズカクテル点滴を行いつつ、待っている方が多いようです。マイヤーズカクテルについては、その該当項目をご覧ください。その後、さらに麻酔の注射を行います。麻酔クリームの効き目は皮膚の表面のみだとよく効くのですが、実際に注射液を入れる層である真皮まではその効果が届きません。そこで、クリームで表面を麻酔して置いて、麻酔クリームの効いた浅い層から局所麻酔をさらに奥に効かせます。こうすることで、スキン・メソセラピー・マックス(強力水光注射)の、注射処置中の痛みを防ぐことができます。その後、顔に格子状に印をつけ、実際のスキン・メソセラピー・マックス(強力水光注射)の処置を始めていきます。処置の時間は、両頬で約10分から15分程度。処置が終了したら、格子状につけた印を落とし、すぐに帰宅していただけます。

スキン・メソセラピー・マックス(強力水光注射)の効果の秘密としては、やはりその成分が大きな要素です。従来の水光注射を改良したスキン・メソセラピー・マックス(強力水光注射)は、その注射液中に成長因子・ボトックス・プラセンタ(順不同)など、多くの有効成分が含まれています。そしてそれらが効果を発揮してくる時期や、その強さなどを考慮して、混合する量のバランスを整えて、注射液を調剤しています。スキン・メソセラピー・マックス(強力水光注射)の処置を行って、最初に効果を発揮するのが、低分子ヒアルロン酸です。これは従来の水光注射と同様で、皮膚に対して低分子ヒアルロン酸が注入されると、注射された箇所の皮膚に水分の含有量が増加し、真皮は厚みを増すと同時に、引っ張りに対して抵抗力を持った、いわゆる弾力性のある状態になります。また皮膚の表面は、真皮のそのような変化を反映して、光沢とスムースさを獲得します。しかしその効果は術後約2週間前後で消失していくものです。

次に効果を発揮してくるのが、ボトックスです。ボトックスは、筋肉に対して注射すると、その筋繊維を弛緩させる働きがあり、その効果を利用して、シワを作る表情筋に注射してシワをとるという使い方を、美容外科ではよく行います。しかしこのボトックスは、皮膚の中(真皮)に対して注射すると、皮膚を引締め、タルミをとる効果を発揮します。その効果は、術後位週間くらいすると発揮されはじめ、術後1か月目には最高の状態を迎えます。したがって、低分子ヒアルロン酸の効果が切れ始めた頃に、このボトックスの効果が追いかけてきて、タルミをとり、肌を引き締め始めるということです。

そして最後に、プラセンタと成長因子が共同して効果を発揮しはじめます。このプロセスは一番緩やかに効果が上昇して行きます。プラセンタと成長因子の共同作用は、やはり皮膚の質的改善を通して、タルミを改善していくというもので、ちょうど、低分子ヒアルロン酸を注入した効果を、自分の皮膚の細胞の働きによって実現していくというコンセプトです。この働きは、細胞の働きを介してのものであるという性質上、その効果が最終段階まで進むのに、平均して約2か月以上の時間的経過が必要になります。したがって、ボトックスの効果が切れはじめるころが、効果がしっかりと出切った頃だと考えるといいでしょう。そしてこの効果は、その後、1年以上の長期にわたって持続するということが解っています。

このように、スキン・メソセラピー・マックス(強力水光注射)は、それぞれの成分の効果が時間的な差を以て発現してくることや、それぞれの成分の効果の特性を生かした、総合的なタルミ取り注射であるということができます。スキン・メソセラピー・マックス(強力水光注射)の術後経過は、ヒアルロン酸やボトックスなどの、他の注射処置と同様です。注射を行うと、注射した部分には、その刺激による微妙な腫れが伴います。そして、注射液を注射したところに、膨らみが発生します。さらに、針を使用する限りは、内出血が発生するリスクは、どうしても存在します。これらは、ボトックスやヒアルロン酸の注射でも、針を使えば、当然のこととして発生します。スキン・メソセラピー・マックス(強力水光注射)の場合には、このような反応が両頬に発生するわけですが、1か所の注射液の注入量が少ないために、大きな膨らみは発生しません。しかし、中には2日ほど、頬の側面に微妙な膨らみが多数生じ、それらがやはり微妙な凸凹として認識される患者さんがいます。これは、ヒアルロン酸が混じった注射液を使用するために発生することです。しかし、通常のシワを盛り上げるのに注射するヒアルロン酸と違って、皮膚の中に良く浸透していく低分子のヒアルロン酸ですので、1日で外見上はほとんど分からなくなります。そして後は、スキン・メソセラピー・マックス(強力水光注射)の効果が出て、タルミがとれて、引き締まった若々しい状態に仕上がるだけとなります。