最近の傾向として、脂肪吸引や強力脂肪溶解注射を受ける男性が増加しています。写真は、術前・術後1ヶ月・術後3ヶ月です。少し皮下脂肪層が薄くなったため、腹筋の状態がやや見えるようになりました。
男性がこれらの手術・処置を希望する場合に多い理由は、やはり、メタボな体型がイヤで、運動とダイエットをしたものの、 皮下脂肪が残ってしまったパターンです。次に多いのは、このような治療を受けるのをきっかけに、少し体型に気を使っていきたいと考える人たちです。このモニターさんは、上記の2番目のパターンでした。この時点で、皮下脂肪の減少によって、腹筋がよりしっかりと確認でき、わき腹の、ベルトに乗る部分も少なくなりました。ウエストも、ずいぶん細くなり、経過の間にベルトを買い替えたそうです。
メタボリックシンドロームと皮下脂肪の関係ですが、一般的に、それらの相関はないと言われています。メタボリックシンドロームに関して、それに相関するのは、内臓脂肪です。そして一般的に、女性のほうが、男性よりも腹部の皮下脂肪が多く、そのため、健康診断などの判定基準として、女性のほうが、男性よりも、腹囲の基準がかなり緩いものとなっています。したがって、メタボリックシンドロームの改善のために、腹部の脂肪吸引を受けるというのは、間違っています。では、突き出た自分の腹部の脂肪が、内臓脂肪なのか皮下脂肪なのかということが、問題になります。基本的には、太鼓腹は内臓脂肪、三段腹は皮下脂肪と考えればいいでしょう。そして、男性のメタボリックシンドロームの体型・腹部の形状としては、圧倒的にこの太鼓腹が多く、脂肪吸引では解決できないものです。しかし、この内臓脂肪ですが、ダイエットや運動に良く反応して、比較的短期間に改善が望めます。
そういったわけで、太鼓腹の内臓脂肪は、ダイエットなどの食習慣・生活習慣の改善によって、よく改善されます。そして、男性の太鼓腹のほとんどが、脂肪吸引の適応にはなりません。しかし、太鼓腹が改善されても、男性特有に残ってしまう部分と言うのがあります。それが、ベルトの上に乗る部分です。つまり、脇腹の下の方の部分と、ヘソの下の部分です。もちろん、この部分は、女性でも気になる所ですが、女性の場合は、どちらももう少し上の部分で、ヘソの周辺とクビレの部分です。男性の場合には、ベルトを締める位置が、女性のウエストと違って、少し下の部分ですので、特に気になると言っていいでしょう。
こちらは、斜め横からの写真です。前回の、正面からの写真よりも、この、斜め横からの写真のほうが、経過が良く分かるかもしれません。術後は、ヘソの少し下の、ベルトに乗っかる部分が、すっきりと改善されています。術後の写真は、手術して3カ月目の写真です。