旧成長再生豊胸の効果出現経過です。効果には個人差があることと、あくまでも参考であるということを、ご承知おきください。
症例1 成長再生豊胸12回施行
症例2 成長再生豊胸6回施行
症例1
成長再生豊胸12回施行
成長再生豊胸12回を行ったモニターさんの第一回目から12回目までの結果です。
一回では大きな変化は見られないのですが、ある程度のふくらみは出てきます。豊胸を希望される患者さんは、大抵は非常に痩せた方が多いのですが、そのため、バストには乳腺や脂肪組織を構成する細胞が少なく、成長再生豊胸の効果が現れるまでには、複数回の処置が必要な場合が多いようです。それは、成長再生豊胸の治療そのものが、何かをバストに入れてその体積を以て豊胸効果を獲得するというものではなく、あくまでも自分のバストの成長を促すことによって、豊胸効果を獲得するというものであるためです。つまり、100個の細胞を2倍に増やす場合には、100個の細胞ができますが、200個の場合には、2倍に増えると200個の細胞ができるということです。したがって、成長再生豊胸は、その処置回数を重ねるほど、豊胸効果が倍増するという傾向があります。つまり、成長再生豊胸の場合には、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目、といった具合に、処置回数を重ねるごとに、豊胸効果が大きくなってくるということです。
つまり、成長再生豊胸の場合には、1回目よりも2回目、2回目よりも3回目、といった具合に、処置回数を重ねるごとに、豊胸効果が大きくなってくるということです。
それは、1回目の成長再生豊胸で増加した乳腺や脂肪の細胞が、2回目には、その増加した分も含めて再び増加するためです。このことは、通常の脂肪細胞や乳腺細胞ではなく、バストの組織の中の幹細胞の性質によるものです。幹細胞とは、様々な種類の細胞に分化する細胞のことで、傷の治癒や組織の再生に大きな役割を果たしています。この幹細胞は、人体の色々な組織の細胞に交じって、全身に分布している細胞です。そして、その分布している組織の細胞が障害を受けて死滅したり、組織の欠損が発生したりした場合に、それらを補うために、分裂とそれに伴う分化を開始します。
幹細胞は、当然のことながら、バストを構成する乳腺や皮下脂肪組織にも存在します。そしてこれらの幹細胞に、ホルモンと成長因子によって刺激を与え、その成長を促し、豊胸効果を獲得するのが、成長再生豊胸です。さらに、処置の回数を重ねると、効果が倍増してくるのは、この幹細胞の性質によるというのは、前述の通りです。幹細胞の性質と言うのは、どういうことかと言うと、その分裂・分化の形式の特徴です。幹細胞は、分裂して幹細胞になるとともに、各組織を構成する細胞の前駆細胞になります。つまり、自己複製とともに、他の細胞にも変化するのです。したがって、成長再生豊胸の処置を受ければ、乳腺や皮下脂肪の細胞とともに、この幹細胞も増加し、次の成長再生豊胸の処置に対して、反応が良くなるということなのです。
そこで本題として、かなり痩せている方で、バストが小さい方の場合に話を戻します。バストが小さいということは、一般的に見て、バストを構成する乳腺や皮下脂肪の細胞そのものが少ないということができます。そしてそれに伴って、幹細胞の量も少ないということができ、初回の成長再生豊胸の効果も限定的とならざるを得ません。しかし、2回目の成長再生豊胸を行う際には、1回目の成長再生豊胸によって、乳腺・皮下脂肪の細胞とともに、幹細胞の数量も増加しています。そこで、2回目の成長再生豊胸は、1回目の成長再生豊胸よりも効果が強く出るということができます。当然のことながら、3回目の成長再生豊胸はさらに強く豊胸効果が出ます。このように、成長再生豊胸は、その回数を重ねれば重ねるほど、1回につきの豊胸効果は大きくなっていく傾向がみられるのは、乳腺の細胞や皮下脂肪の脂肪細胞の他に、幹細胞も増加するためであると考えられます。
思春期を過ぎ、成人してもバストが小さいままの状態と言うのは、ある意味、バストの発育不全と言うことができるかもしれません。それは、思春期において、バストがホルモンの働きを十分に受けず、思春期前の状態のままになっている可能性があります。この状態は、女性ホルモン自体の分泌が少ない場合と、女性ホルモンの作用を、バストが十分に受取れなかったことの2種類の原因が考えられます。そしてその原因がどちらにしても、成長再生豊胸で治療を行うことで、ホルモンの補充と、ホルモンの作用を受け取る側の、乳腺と皮下脂肪の幹細胞に成長因子を補充することで、思春期のバストが成長する時の環境を整えてやることができ、結果的に豊胸効果を獲得することができるというわけです。
前述の通り、バストの発育不全とも言うべき状態は、思春期における性ホルモンが乳房に十分作用しなかったことが考えられます。ところでホルモンですが、その作用には、それなりのメカニズムがあります。また、女性ホルモンと男性ホルモンは、その性別に従って、お互いにバランスをとって分泌されます。女性であっても、精巣はなくとも副腎から少量の男性ホルモンの分泌があり、男性であっても、卵巣はなくとも副腎から少量の女性ホルモンが分泌されています。そしてこれらの性ホルモンは、思春期において男女ともに、その分泌量が増加し、成人してからは低下していきます。しかし、成人してから低下していくのは、性ホルモンだけではなく、ほぼすべてのホルモン分泌量が減少するといわれています。これが、総合ホルモン補充療法という、若返りホルモン療法と言われているものの根拠です。また、ホルモンは、その分泌量の減少に伴って、ホルモン分泌量のバランスをとる能力もまた、低下していきます。
成長再生豊胸に使用するホルモンですが、やはり女性ホルモンを補充するという形になります。そこで問題になるのが、前述のホルモンのバランスを取る人体の作用のことです。女性ホルモンを補充すれば、このホルモンバランスを取る作用が敏感に働いていると、副腎からの男性ホルモンの分泌も増加し、男性化傾向を見せる形になります。具体的には、声が太くかすれた感じになることが多いようです。しかし実際には、この作用はそこまで敏感に働くことはなく、成長再生豊胸で補充する程度の女性ホルモンでは、男性ホルモンの分泌が大きく増加して男性化傾向を示すことはありません。勿論、成人していない状態での、ホルモン環境に対して敏感な思春期の年代においてはこういうわけにはいきませんが、成人していて、ある程度の年齢に到達している場合には、男性化は非常に稀、というよりも、発生しないと言っていいでしょう。言い換えれば、ある程度の年齢に達していると、ホルモン環境のバランスをとる作用が既に鈍くなっているので、女性ホルモンを補充しても、問題がないということなのです。
女性ホルモン自体の補充ということは、バストに対して女性ホルモンを作用させることが目的ですが、その作用には一定のメカニズムが存在するというのは、前述の通りです。
一般的にホルモンが作用する時には、ホルモンを分泌する内分泌腺から血中に分泌されたホルモンが、血液に乗って、その作用するべき組織へと運ばれていきます。組織に到達したホルモンは、その組織やそれを構成する細胞のホルモン・レセプターに結合します。すると細胞内には、ホルモンが結合したというシグナルが発生し、成長因子の助けによって細胞が分化・分裂をはじめ、一定の方向性を持った分化を開始し、細胞の集合体としての組織が増殖する形となります。つまり、ホルモンが作用するというのは、細胞のレセプターを介したシグナルと、それを増幅させる成長因子を介して、目的とする組織を増殖させるということです。これは裏を返せば、ホルモンがいくら高濃度に存在しても、細胞のレセプターの数が少なく、成長因子の組織内濃度が低ければ、その効果が低いということなのです。
このような、ホルモンのレセプターと成長因子を介した作用を女性ホルモンとバストに当てはめてみると、次のようになります。女性ホルモンの血中濃度が上昇すると、バストを構成する乳腺やその周辺の皮下脂肪組織に血流を介して到達します。そこでそれぞれの細胞のレセプターに結合し、細胞内に増殖せよというシグナルを発生させます。すると、そのシグナルを受け取った乳腺や、皮下脂肪組織内の幹細胞は、成長因子の存在下でそれを増幅させ、分裂と分化を開始するというわけです。勿論、乳腺や皮下脂肪組織には、分化を終了した乳腺細胞や脂肪細胞が存在するわけですが、それらは分裂や分化をすることはなく、あくまでも、それらの大元になっている乳腺や皮下脂肪組織に含まれる幹細胞から、その前駆細胞と呼ばれる一つ前の段階の細胞までの種類の細胞が、分裂と分化を繰り返すようになり、結果的に乳腺細胞や脂肪細胞が増加し、豊胸効果を発揮するということになるのです。
成長再生豊胸は、ホルモンと成長因子を補充してやることで、思春期を過ぎた年代において、バストの成長をもう一度発生させて、豊胸効果を獲得するというものです。
そのために、ホルモンを補充してやることはもちろんですが、その量をできるだけ絞って、バストに対して豊胸効果を出してやるということを目標にしています。その時に考慮するべきことは、前述のホルモンの作用のメカニズムです。その中で、成長因子の働きというのが、豊胸効果を出すのに、重要な役割を持っています。それは、乳腺や皮下脂肪などのバストを構成する組織に関しては、この成長因子がないと、その成長が達成できないからなのです。逆に、ホルモンがないことには、成長因子のみでは、やはり十分な豊胸効果を獲得することができません。つまり、例えて言うなら、ホルモンがピッチャーの投げたボールだとすると、キャッチャーが構えているミットが、成長因子であるということができます。
成長因子と一言で言っても、その種類はたくさんのものがあり、また、それぞれの名前がその働きを表しているとも言えない状況です。また、それら多種類の成長因子は、その組み合わせとそれぞれの配合量によって、違った働きをすることもあります。たとえば、薄毛の治療として行われているHARG療法ですが、主に髪の毛を生やすと言われている成長因子を、単独で頭皮に注射しても、効果がありません。HARG療法は、この成長因子とともに、血管に作用する成長因子や皮膚に作用するものなど、多数の種類の成長因子を、発毛に適した割合で混合して、頭皮に注射するのです。これらの成長因子の種類や配合比を間違うと、HARG療法は発毛を促進するどころか、ヘアーサイクルと言う髪の寿命を短くして、逆に脱毛を促進してしまうこともあります。同じように、成長再生豊胸においても、バストの成長に適した種類と量の成長因子を、バストに供給してやることが、豊胸効果を高めるために重要なことになります。
バストの成長に適した成長因子の種類とその量を、バストの組織に供給してやることが、前述のように、成長再生豊胸のもう一つの原理です。
そこで、成長再生豊胸では、バストを構成する乳腺組織と皮下脂肪組織が、バランスよく成長するように、成長因子の種類とそれらの量を調整し、さらに、それらがバストの組織内での濃度を一定期間保てるような、薬物動態を考慮した処方で、注射液を設計しています。この、組織内での成長因子の濃度を保つというのが、豊胸に限らず、しわや美肌など、その他の目的で成長因子を使用する場合に重要な要素になってきます。つまり、成長因子は、一定期間、ほぼ一定の濃度で組織内にとどまっていることが、その効果を発揮するためには大切なことなのです。しかし、一般的に、成長因子そのものの水溶液は、水溶液であるがために、人体の組織に注射すると、注射した直後に最も高い組織内濃度を示し、その後はすぐに組織内から血流やリンパ流に乗って運び出されてしまい、急激に組織内濃度が低下していきます。そこで、組織内濃度を低下させない技術とノウハウが必要になってくるのです。
しかし幸いにして?成長再生豊胸の場合には、HARG療法とは違って、成長因子の配合を間違っても、バストは小さくなりません。
この場合、バストは小さくはならないのですが、大きくもならないということです。毛髪とバストの組織との違いは、毛髪があくまでも体外の組織で、現在の医学的常識からすれば、組織からの分泌物とでもいうべき存在だからです。毛髪は、毛根の毛母細胞で作られ、それが毛孔(毛穴)から皮膚の外に向かって伸びているものです。これに似たものに、爪がありますが、発生学的には同様のものとされています。それに対してバストの場合には、この分泌物には相当せず、分泌物を作るところそのものであるということができます。毛髪の場合に当てはめると、バストの組織のうち、乳腺が毛根に相当し、母乳が毛髪に相当すると考えられます。つまり、同じように美容的な治療効果を期待するものであったとしても、毛髪とバストでは、その比較対象が全く違うということです。したがって、成長因子に対する反応も、バストと毛髪とは全く違ったものとして評価するべきとなります。
細胞が分裂して、その数が増えて組織の体積が増加するには、その「足場」とも言うべきものが必要になります。
細胞が増殖する際に、足場の役割を果たすものを、細胞外マトリックスと言います。この細胞外マトリックスですが、もとはと言えばそれぞれの細胞の分泌物でもあります。細胞の分化・増殖能と言うのは、このマトリックスの影響を大きく受けることが知られています。細胞外マトリックスが十分に存在するところでは、細胞の分化・増殖能は存分に発揮されることになり、それがまたマトリックスの増加に繋がり、組織の増量が存分になされるということです。この事象は、外傷、特に熱傷の治療の際に応用されていて、皮膚の細胞外マトリックスや、もっとマトリックスとしての条件の良い膀胱上皮などが、アメリカなど欧米諸国において、治療用の創面被覆材として市販されています。また、薬局で処方箋なしで購入できる一般用の創面被覆材としても、人工の細胞外マトリックスがあります。この細胞外マトリックスの、組織の再生における重要性については、昔から存在する、あざなどの冷凍療法においては、単純に切除したり、レーザーで蒸散させたりする場合よりも、治癒した後の組織の欠損が少ないということからも、窺い知ることができます。つまり、低温で組織を凍らせると、細胞は死滅してしまうが、細胞外マトリックスは冷凍されるだけでその構造を保ち、周辺の組織内の幹細胞などの細胞の分化と増殖の足場になるということです。さらに、この細胞外マトリックスは、成長因子のプール、または貯蔵庫としても働き、細胞との栄養や酸素のやり取りと老廃物の運搬などを通して、細胞分裂・分化をコントロールする一つの要素であるとも言えます。
そこで、成長再生豊胸で上手く豊胸作用を獲得するためには、この、細胞外マトリックスによる細胞の分化・分裂の調整機能を理解していないといけません。
つまり、この細胞外マトリックスには、成長因子の貯蔵能を通じて、組織内の細胞の分化・分裂に対して調節機能を有しているということです。この細胞外マトリックスから、組織内の幹細胞をはじめとした、分裂能を有する細胞が成長因子を受け取ることになります。したがって、この細胞外マトリックスの中を十分に満たす程度まで成長因子の濃度を上昇させ、それを保つ必要があります。そのためには、注射する成長因子の量と、その、細胞外マトリックス内での濃度変化について十分に検討しておく必要があります。実際、これらを見誤ると、注射する成長因子の量が不足していたり、大量の成長因子を注射したにもかかわらず、バストの成長が得られず、豊胸効果を獲得できなかったりすることが発生します。
医学・生物学・生命科学の分野は、薬剤やそれらの体内での働きというものが、全て正確に解明されているわけではありません。しかしながら、日夜、膨大な研究・実験が行われていて、今までわかっていなかったことに関する発見や、これまでの仮説の検証がなされていっています。特にこの成長再生豊胸に関する分野でもある再生医療というものは、研究者の人数も多くなり、学際的な分野として、日々発展していっています。そして、成長因子の働きも、発見された当初の作用の他にも、様々な作用が発見され、それらの用途に関しても、いろいろな応用がなされるようになってきました。このように成長因子の作用も含めた再生医療の研究は日々進歩しているわけですが、それらの研究成果は、臨床応用と言われる実際の治療に使用されるまでは、多くの研究結果を紡ぎ合わせ、そして治療理論を構築し、治験され、そして一つの治療法として確立されていきます。つまり、臨床応用というのは、そのベースになる多くの基礎的な実験・研究成果を統合・取捨選択したものであり、言い換えれば、一つの治療技術を、無数の基礎医学研究成果が支えていると言えるのです。
成長再生豊胸に関しては、この再生医療の中でも、成長因子の働きが大きなウェートを占める技術です。
そして、その成長因子の、バストを構成する組織の中で、特に皮下脂肪における濃度変化を、よく知る必要があります。そのカギを握っているのが、現時点では、前述の細胞外マトリックスなのです。将来的には、豊胸術にもiPS細胞の技術が応用される日が来るかもしれません。そうすれば、成長因子を次々と作り出しながら、乳腺や脂肪細胞に分裂していく細胞がiPS細胞から作り出され、それを注射することで豊胸術を行うことができる可能性もあります。しかしそれはまだ、10年以上先の話でしょうし、細胞の加工技術を安定させるのも、もっと先の話になるでしょう。また、豊胸術にこのような技術を使うとなると、その費用たるや、当初は1000万円を軽く超えることとなるでしょう。したがって現時点では、成長因子を使用したこの成長再生豊胸が、現実的かつ有効な選択と言うことができます。前にも書きましたが、成長再生豊胸の豊胸効果を引き出すためには、この成長因子の倉庫ともいうべき細胞外マトリックスの理解が重要です。細胞外マトリックスと言うのは、臓器の組織を構成する成分のうち、細胞以外の部分のことです。この部分は、
1) 細胞がバラバラにならないように、細胞を集めて臓器としての形を作る、造形作用
2) 細胞に供給する栄養や酸素を貯蔵し、適正に供給する、物質供給作用
3) 細胞から出た分泌物や二酸化炭素などの老廃物を一時的に貯蔵し、運び去る、物質除去作用
4) Phや浸透圧など、細胞周辺の環境をほぼ一定に整える、周辺環境保持作用
5) 細胞が、外力などの物理的刺激に対して保護されるようにする、保護作用
などを有しているとされています。
これらの細胞外マトリックスの作用の中で、成長再生豊胸において、その豊胸作用を引き出すために重要な要素は、2)、3)、4)の各作用であると考えられます。
限定解除要件
副作用・合併症:迷走神経反射,アレルギー(かなり稀),感染 (かなり稀)
費用:20万円X12回=240万円
症例2
成長再生豊胸を6回受けたモニターさんの症例写真です。順に、術前から6回目まで、そして最後に6回目の後3か月目の写真と、合計8つの写真をそれぞれの方向ごとに、順に掲載しています。
成長再生豊胸の良い点(利点)はたくさんあるのですが、その中で最初に挙げることができるのは、どんな検査をしても豊胸の痕跡さえ解らないという点です。現在の医療において、最高の精度を誇る画像検査はMRIなのですが、このMRIを撮影したとしても、成長再生豊胸による処置の場合には、豊胸の痕跡さえ解りません。それは、成長再生豊胸の豊胸コンセプトが、何かをバストに入れることでその体積でもって盛り上げるという、これまでの豊胸術のコンセプトではなく、あくまでも自分のバストを成長させる(グロウ)というものだからです。つまり、自分のバストの組織である乳腺と皮下脂肪そのものを大きくするということから、たとえ術後にMRIなどの精密検査を受けたとしても、そこに映るのはあくまでも大きくなった自分の乳腺と皮下脂肪であり、100%、注入したものや手術によって挿入したものではないということです。例えば、ヒアルロン酸の注射やシリコンバッグプロテーゼを挿入する手術の場合、MRIを撮影すれば、注入したヒアルロン酸や挿入したシリコンなどが、確実に画像として描出されます。脂肪注入による豊胸術の場合には、一か所に大量の脂肪をかためて注入するような手技を採らない限りは、しこりを残すこともなく、MRIによって豊胸の手術歴を発見されることもないのですが、その確率が、全くの0%ということはできません。しかし、成長再生豊胸の場合には、前述の自分のバストの成長による豊胸と言うことから、MRIでの豊胸手術歴の発見率と言うのは0%であるということができるのです。
2つ目の成長再生豊胸の利点は、その処置が手術ではなく注射だけであるという点です。手術となれば、必ず切開創を伴うことになります。脂肪注入などであっても、それには脂肪吸引が伴い、脂肪を採取するためのカニューレを挿入する「穴」が、皮膚には必要になります。穴とはいえ、小さな傷には変わりありません。また、注入する脂肪には粘凋性があるため、バストに対しても、非常に小さいとはいえ穴をあける必要があります。そうすれば、傷に対するケアの一環としての生活制限が発生します。そして、脂肪吸引には体の広い範囲での麻酔が必要になります。このように、豊胸手術にはそれなりの準備と術後の回復過程というものがつきものとなります。しかし、手術ではなく注射と言う処置だけである場合には、このような傷があることに対するケアは必要なく、その日から入浴が可能になります。また、手術とは違って、体力的負担もごくわずかで、術後の痛みもないため、すぐに出社作業を含めた社会復帰が可能であるということです。
3つ目の成長再生豊胸の利点は、前述の2つ目の利点に関連して、回復期間がほぼないということです。その理由は、やはり前述のように、手術ではなく注射処置だけであるということに起因します。しかし、注射とはいえ、人体に対する侵襲であることは間違いなく、また、注射である限りは針を使用するため、処置に伴う内出血の発生を100%否定することはできません。実際、術後の聞き取り調査の結果、約10%の方が、処置後の内出血を経験されたそうです。しかしその程度としては、バストが全体的に紫色にまで変色するような例は一例もなく、せいぜい、転倒して胸部を打撲した程度です。したがって、よく俗に言われるダウンタイムなどという大げさなものが発生するのではなく、日常生活上、特に大きな支障を来すものではないと言えるのです。
このように、成長再生豊胸には、大きく3つの利点というものがあります。まとめると、どんな検査をしても豊胸の痕跡さえ残らない、手術ではないので術後の回復期間が無い、日常生活上の制限が無い、ということです。
物事には何にでも、良い面と、面と悪い面があります。当然成長再生豊胸にも、利点もあれば欠点もあるということです。利点は前段に記述していますが、欠点についてもお知らせしておきたいと思います。
成長再生豊胸の欠点で、一番大きなものとしては、その効果に即効性が無いということです。成長再生豊胸は、成長因子でバストの組織がホルモンの影響を受けやすい状態にしておいて、同時にホルモンを注射することで、自分のバストが思春期のように再び成長を始めることで、豊胸効果を獲得するというコンセプトです。したがって、思春期のバストの成長がそうであるように、その豊胸効果については、出現がゆっくりで時間がかかるということです。つまり、成長再生豊胸を受けたら、翌日にはすぐに豊胸効果が出ていて、バストが大きくなっているというものではないということです。この点では、どうしても、これまでの豊胸術に軍配が上がるところです。例えば、バッグプロテーゼを挿入する手術による豊胸術では、プロテーゼを挿入した瞬間に、豊胸効果が獲得できます。ヒアルロン酸の注射や、脂肪注入による豊胸術でも同じことが言えます。つまり、何かをバストに入れて、その体積で豊胸効果を獲得するというコンセプトの豊胸術の場合、術後、その次の瞬間から豊胸効果を獲得できるのですが、成長再生豊胸の場合には、注射した薬液の体積で豊胸効果を獲得するものではなく、あくまでも、自分のバストの組織を成長させるというコンセプトですので、其の成長に時間がかかる分、どうしても即効性というものに欠けるということなのです。
2番目の成長再生豊胸による豊胸術の欠点は、女性ホルモンを使用する関係上、どうしても生理の周期が不安定になるということです。成長再生豊胸は、バストの皮下脂肪と乳腺を発育させるために、成長因子と女性ホルモンを使用します。そこで使用する女性ホルモンの量ですが、これは、更年期障害や不妊治療などに使用する量とほぼ同量、乃至はそれより少ない量です。しかし、生理の周期と言うものは、ホルモンの代謝に対して、非常に微妙に反応するのが実情です。では、実際にはどういったことが発生するのかと言うことになります。それは、術後約10日乃至は2週間後に生理が来るということです。この生理の招来については、これそのものが大きくホルモンバランスを狂わせるというものではなく、成長再生豊胸による豊胸効果が十分に獲得できて、治療を中止してしまえば、本人さんの元の生理の周期に戻ります。したがって、子宮や卵巣に対して、何か器質的な変化を発生させるという性質のものではありません。では逆に、更年期を過ぎて、もう既に生理が無い方の場合にはどうなのかということですが、このような方の場合には、生理が来ない場合と、生理が再び訪れる場合があります。それは、閉経後には女性ホルモンの量が、それまでよりも極端に減少しているため、子宮内膜の増殖期における内膜増殖が得られない場合があるためです。その場合には、子宮内膜の剥離出血がその本体である月経出血というものは、剥離する内膜そのものがないため、出血そのものが得られず、生理が訪れないということです。しかし、1回目の成長再生豊胸による豊胸術を受けた後に生理が来ない方でも、2回目には生理が来る方がいます。それは、やはり女性ホルモンの機能が子宮に対して働きはじめ、子宮内膜の増殖が再び獲得できるようになったためと言うことができます。そして、この生理による出血(月経出血)が起こることによって、古い子宮内膜が剥がれ落ち、その細胞が新しくなることで、子宮内膜癌の予防にもなるということでもあります。したがって、必ずしもと言うことではありませんが、閉経後の女性が成長再生豊胸による豊胸術を受ける際には、生理の出血がみられるまで、処置の回数を重ねることが、理想的であるということができます。
前述の、成長再生豊胸の欠点のうち、豊胸効果に関して即効性が無いということは、患者さんによっては、そこに利点を見出している方もいます。
豊胸効果に即効性が無いということは、その豊胸効果そのものは、いわば、「バストが人知れず大きくなる」ということなのです。つまり他人からは、豊胸術を受けたこと自体がほとんどわからずに、自分だけが少しずつ大きくなっていくバストを認識しつつ、最終的に自分の満足する豊胸効果が獲得できるということです。ただし、成長再生豊胸の豊胸効果は少しずつですので、自分自身も気づかないうちに、豊胸効果を獲得している場合もあります。これは言い換えれば、ある程度の期間と処置の回数を重ねた後に、ある日、自分で風呂上がりに鏡を見たり、下着を着用したりする時などに、豊胸効果を確認できるチャンスを得るということです。
このように、豊胸効果の即効性の無い成長再生豊胸ですが、ファッション・芸能関係者にはかなりのニーズがあります。その理由はと言うのは、やはり、急激な変化によって、豊胸疑惑が浮上するのを避けたいという心理が働いています。現在はインターネットの発達によって、過去の写真と現在の写真を見比べることが、多くの人々によって可能な時代です。そこで、やはりファッション・芸能関係者にとっては、整形を見破られる機会が増加しているということができます。また最近のテレビは、画質がどんどん向上して、ほんの小さな変化でも画面に描出されるようになっています。そこで彼女たちは、豊胸のみならず、あらゆる整形の痕跡を残すことを嫌うようになっています。そこで、この成長再生豊胸は、少しずつの変化によってバストが自然に成長したかのような豊胸効果が獲得できるため、人気があるというわけです。当然、成長再生豊胸は、術後においても体のどこにも傷が存在しないわけですから、急な仕事のオファーが入ったとしても、何も気にする必要がない言うことです。さらに、映画やビデオの撮影で素肌を見せる場合でも、全く画像の修正を必要としないということでもあるのです。
成長再生豊胸による豊胸術の手順は、実際には次のようになります。
まず、来院したら、問診票の記入の後、一通りの診察を受け、次に、採血を受けていただきます。この採血は、血液中から成長因子を集めるためのものです。
その後、バストに麻酔クリームを塗って、しばらくお待ちいただきます。その待っている間に、血液の加工を行い、成長因子も添加した注射液を作成します。次に、バストに塗った麻酔クリームを拭き取った後、その部分から局所麻酔の注射を行います。成長因子の薬液には、どうしても刺激性があります。したがって、注射液がバストに入っていくときに、痛みが発生します。そこで、前もって、このように局所麻酔の注射を行っておくのです。このように局所麻酔を注射しておくことで、成長因子による刺激性を回避し、処置そのものの痛みを完全に取り除けます。勿論、この局所麻酔の注射に使用する針は非常に細いものですから、麻酔を行うときの痛みも僅少です。
そしていよいよ、成長因子の注射になります。成長因子の注射液の量としては、両方で15㏄から20㏄程度です。さらに、バストの皮下脂肪と乳腺に対して刺激を加えるために、ホルモンを注射します。このホルモンですが、デポ製剤と言って、約2週間かけて注射した部分から血液中に徐々に放出されるように製剤されています。このデポ製剤と言うのは、油脂成分の中にホルモンの有効成分を含めたものです。油脂成分は、注射されるとゆっくりと中のホルモンを放出しつつ、周辺組織に吸収されるため、このように、長期間の血液中のホルモン濃度を保つことができます。しかし、このデポ製剤にも、注射した時に注射液周辺の組織に対する刺激性があり、そのままだと強い痛みを感じることになります。そこで、やはり、事前に注射しておいた局所麻酔が効力を発揮して、痛みの無いホルモン注射を可能にしています。こうして、成長再生豊胸による豊胸術は、その処置が終了します。
成長再生豊胸による豊胸術を受けた後は、念のために、バストに薄いガーゼを貼ります。しかしこのガーゼは、ただ単に、下着などに血液が付着しないように貼っているだけのもので、当日の入浴の際に、自分で外していただければ、それでいいものです。長期間貼りっぱなしにする必要もなければ、通常の豊胸手術のように、消毒や交換に受診する必要もありません。
次に、成長再生豊胸による豊胸術の術後経過ですが、効果の即効性はないということは、前述の通りです。
成長再生豊胸による豊胸術は、効果が出てくるまでは、術後、それなりの待機期間が必要になります。その期間は、通常、2か月と言ったところなのですが、これにも個人差があり、場合によっては術後3か月までは、バストが成長を続けることがあります。このような、ゆっくりとした成長再生豊胸による豊胸術の術後経過について、比較的誤解されていることがあります。その中の一つは、「一週間くらいで元に戻った」というものです。成長再生豊胸による豊胸術は、何かを手術で挿入したり、注入したりすることで豊胸効果を獲得する豊胸術ではありません。しかし、処置そのものには、成長因子が入った注射液をバストに注射します。注射液には当然のことながら、体積がありますので、注射が終了した直後には、その注射液の体積の分だけ、バストの体積が増加しています。また、手術などと違って非常に弱いものなのですが、注射とはいえ、どうしてもバストそのものに対して刺激を加えていることになります。人体は、刺激が加われば必ずそれに反応して、腫れが生じます。このように、これらの注射液そのものの体積や、注射による非常に微妙な腫れによって、成長再生豊胸による豊胸術では、処置の直後には、それらの分だけはバストが大きくなっているということになります。しかしこの現象は、ちょうど約1週間で、元に戻るのです。つまり、「一週間くらいで元に戻った」というのは、成長再生豊胸の処置による初期の反応としての、乳房体積の増加が落ち着いた結果であって、豊胸効果そのものが消失したということではないのです。豊胸効果は、その後から、じわじわと患者さん本人が気づかないうちに進行して発生してきます。言い換えれば、成長再生豊胸による豊胸術の術後経過は、術後1週間程度で一度元の状態に戻り、その後、約2か月かけて徐々に豊胸効果が出てくるということなのです。
更に、成長再生豊胸による豊胸術は、成長因子とホルモンを使用し、そしてあくまでも自分のバストを育てるということが、大前提の理論です。つまり、バストの組織を、その細胞の分裂を促進してやることによって、豊胸効果を得るというものです。そこで、その細胞の分裂ということが、成長再生豊胸による豊胸術の効果の出方に、影響を及ぼします。その影響とは、一言で言うと、1回目より2回目、2回目よりも3回目といった具合に、成長再生豊胸による豊胸術は、その処置の回数を重ねるほど、1回あたりの効果が大きくなる傾向にあるということです。つまり、回数に比例した効果の出方というものではなく、処置回数の二乗に比例した効果の出方をするということです。このことは、細胞の分化と分裂によって豊胸効果を獲得する成長再生豊胸による豊胸術特有のものなのですが、少し考えてみれば、当然のことなのかもしれません。つまり、1回目の処置の前よりも、2回目の処置の前のほうが、成長再生豊胸の処置に反応する細胞の数そのものが増加しているからです。人体の組織の中の細胞には、その組織特有の細胞が一番多いわけですが、その他に、それらの細胞が傷ついたり死滅したりした時のために、それらの代わりの細胞を供給するためのシステムが存在します。それが、幹細胞から脂肪細胞や乳腺細胞に至るまでの、いろいろな段階の細胞が、組織内に準備されているという事実です。そしてそれらの細胞は、成長再生豊胸の処置を受けることによって、バストの組織が増量して豊胸効果が得られると同時に、増加します。その時、脂肪細胞や乳腺細胞だけでなく、全ての種類の細胞と細胞外マトリックスにおいて増量がみられますので、全体として、バストに存在する細胞の数が増えるということになるのです。すると、次の成長再生豊胸による豊胸術を受ける際には、処置に対し反応して豊胸効果を出す細胞が増加しているということになり、より、豊胸効果が出やすくなっているということです。したがって、1回よりも2回、2回よりも3回といった具合に、成長再生豊胸による豊胸術は、回数を重ねるほど、その効果が大きくなっていくということです。
限定解除要件
副作用・合併症:迷走神経反射,アレルギー(かなり稀),感染 (かなり稀)
費用:20万円X6回=120万円