顎を短く・小さく2

受け口手術の段修正

顎を短くする手術は、「中抜き」と呼ばれる手術法が一般的です。この方法は、顎の骨を切り取ったところにスペースができてしまわないように、顎先の筋肉などを骨にくっつけたまま、顎の骨の本体と顎先の部分の中間の骨を切り取り、その後、本体と顎先を繋ぐ手術です。

この、中抜き手術では、顎の骨の本体と顎先の骨片を繋ぐわけですが、大昔は、ステンレス製のワイヤーを使用して繋いでいました。しかしこれでは、ステンレス・ワイヤーの劣化や腐食の問題があるため、抜去手術が必要でした。また、最近では、ステンレスは、MRI検査の妨げになります。そのため、その後、チタン製のワイヤーが用いられるようになりました。そして、その後、より固定性を重視して、チタン製のミニプレートを使用するようになりました。

しかしながら、この中抜き手術は、どの方向にどれくらい顎を短くするかという、症例によっての自由度が限られています。一般的には、平均して上下方向に約7㎜、前後方向には約5㎜位が、平均的な限度と言えるでしょう。一つ目の理由は、十分な筋肉などの軟部組織をくっつけておくために、顎先の骨片の大きさが必要であるからです。そうすると、その上の部分の、切り取ってしまう骨片は、大きさが限られてきます。その理由は、顎の骨の本体の中には、神経や歯根が存在し、これらを傷つけたり切断したりしないように、骨片を切り取らなければならないからです。もし、この神経を切断した場合には、下唇周辺の感覚がなくなってしまいます。また、歯根を切断してしまった場合には、前歯が「失活」と言って死んでしまった状態になり、最悪の場合には、全て抜け落ちてしまうことになります。つまり、手術の利点と安全性を両立させるには、限度を超えてはいけないということです。