受け口の手術と同時に、顎を短くして後ろに移動5

美容外科手術に限らず、手術で用いられる麻酔のうち、一言で「全身麻酔」と言ってもその中には方法がいろいろあります。まず麻酔は、全身麻酔と局所麻酔に分けることができます。

全身麻酔と局所麻酔とは、読んで字のごとくなのですが、簡単に言うと、患者さんの意識に影響を及ぼして手術中に眠らせるのが、全身麻酔。手術を行う部分の痛みを取り、基本的には意識に影響を及ぼさない麻酔を、局所麻酔と言います。そして全身麻酔の中でも、浅い麻酔で、自分で呼吸をさせたままの麻酔と、しっかりと深い麻酔で、呼吸を確保しての麻酔があります。
前者はよくリラックス麻酔だとかいう形で紹介されているのですが、この麻酔は、実はその深さの調整が難しく、浅いと手術の途中で患者さんが無意識のうちに動いてしまい、手術の妨げになります。また、深すぎると呼吸が停止して、大きな事故に発展してしまいます。さらに、麻酔の効果が、術後約2時間してから再び戻ってくることが多く、これもまた事故につながることが多いようです。実際、国内ばかりでなく、海外でも、この麻酔による事故は多発しています。また、気道を人工的に確保していないため、受け口の手術に使用した場合には、気管内に前述の水や血液が流れ込み、水で溺れたような状態になってしまいます。
受け口の手術に使用する麻酔は、後者の、しっかりと深くかけて呼吸を確保する麻酔です。この麻酔が、本当の意味での全身麻酔と呼ばれるもので、通常、手術を行う医師とは別に麻酔医を準備して行われます。この麻酔での呼吸確保は、気管内挿管と呼ばれる方法で呼吸を確保して、手術中はそれを人工呼吸器で調節します。気管内挿管とは、気管の中にチューブを通して、しっかりと肺の中に酸素と気体状の麻酔薬が送られるようにすることです。口から気管の中にチューブを通す場合を、経口挿管。鼻から通す場合を、経鼻挿管と言い、口の中から手術をするような、この受け口の手術などには、経鼻挿管が利用されます。このように気管内挿管を行うことで、受け口の手術では、水や血液の気管内への流入が防止され、さらに深い麻酔をかけることができるため、手術中に患者さんが動くこともなく、手術自体の安全性も高いものとすることができます。